食事
前と間が空きましたが、なんとか投稿できました。
私なんかの作品ではありますが、今後も読んでいただけると幸いです。
奴隷の着替えを終えた俺は階段を下りて一階へと行く。
「そろそろ昼時だな。昼食を作れ。」
時刻はもうすぐ12時を指そうとしている。
「は、はい!」
奴隷を厨房に案内する。厨房は階段の左奥にある。
厨房に入るとある程度整えられた設備や備品が置いてある。右手には、階段の右奥にある食堂に繋がる扉がある。
「冷蔵庫にある食材は自由に使って良い。機具の場所がわからないときは俺に聞け。」
奴隷はおどおどした様子で頷いた。
俺は奴隷の料理を厨房の端で見ていた。最初は初めて使う厨房に戸惑いながらも、徐々になれてきたのかてきぱきと料理をこなしていく。奴隷商の言うとおり家事が苦手というわけではないようだ。まぁ、苦手では困るのだが。
「で、できました………」
食堂のテーブルに並べられた料理はそれなりのものがおかれていた。焼き魚にスープ、サラダといったメニュー。どれも見た目はちゃんとしている。
しかし………
「お前の分はどうした?」
このテーブルには私の分の料理しか置かれていない。
「え……?」
奴隷は口を開いて数秒固まる。
「いいんですか………?」
「どんな生き物でも食事という行為は生きるために必要なことだと知らんのか?」
「…………あっ……はい、すみません………」
一瞬呆けた後に謝る。
そして厨房に戻っていき自分の分の料理を持ってきた。
奴隷がどこに座って良いのかわからずキョロキョロしているので、
「どこでもいい。早く座れ。」
と着席を促す。
奴隷は一瞬戸惑ったが、私の席の向かいに腰をおろした。
「いただきます。」
「……い、いただきます。」
その後はお互いに無言のまま食事をした。
魔法使いものではありますがおそらくまだ魔法は遣いません。すみません。
今回の話も読んでいただきありがとうございます。