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学園論理

作者: kazikidesu

初めてですができれば面白くなくても感想を書いてくれたら嬉しいです

「では、みなさん気お付けて帰るように。あと山中君は後で職員室に来てください」

先生はそう言って教室を出ていった。授業が終わって生徒達が談笑しながら帰っていく。

学校が終わった後の廊下は、人でごった返しているので俺―――山中鹿之助は机に突っ伏しながら、人が少なるのを待った。

今は4月の下旬。程よい温かさが身を包む。

数分後、頃合を見て教室を出た。先生に呼ばれているので、重い足取りでとぼとぼと職員室へと向かう。

「はぁ」

ため息が出た。呼ばれた理由はだいたい予想がついている。恐らく「警備部」での依頼だろう。

俺が入っている警備部の活動は主に「見回り」だ。見回りと行っても色々ある。

学校付近にある娯楽施設、公園、河川敷、山などなど。もしくは学校行事などのでも駆り出されることもあるらしい。

これを一日で全部というわけではない。普段は先生達が見回っているが、どうしても忙しい時だけ警備部に依頼するのだ。

なんでこんな疲れるだけの部活に入っているのかというと、親父に「警備部に入れ」と言われたからだ。

最初のうちは抵抗したが先生の懇願もあって仕方なく入った、というより依頼料がでると聞いておもわず入部届けを出してしまった。

本来、生徒に見回りを頼んだり、依頼料を出すのはダメだが、あくまでこの国は例外だ。


この国―――竜宮(ネーミングセンスないなぁ)はかつては世界中のお偉いさん達が隠れ蓑にする地図に乗ってない島国だった。

しかし10年前に情報漏洩(アホな話)があったらしく世界中そのその存在が知られることになったのだ。

それから開発が進み、世界各地から人が集まったせいで数年前に正式に国として地図に載ることになったのだ。

そして、ある問題が起きた。


この国は警察不足!!


この問題は今なお続いている。どの国も警察が不足していてほとんど人員をよこさなっかったらしい。

そこで国は学園に「警備部」を作る事を義務付けた。法律はほとんど日本を真似してえいるのだが、誰も刑事部なんて入る訳がない。

だから一時的に法律を改善して、依頼料というシステムを作ったのだ。

そして俺がいるこの学園――――第一竜宮学園(ほんとネーミングない)はお金持ちが多くせいで俺以外、誰も入らなかった。


そして今現在に至る。



俺は深い思考を現実に戻し、職員室の扉に手を掛け

「失礼します」

挨拶と共に中へ入る。俺がゆっくり来たせいもあり職員室の中は静まり返っていた。

先生達は皆、机に向かって仕事をしている。その中で椅子に座り優雅にコーヒーを飲んでいる自分の担任――――桜木由美を見つけ声をかけた。

「先生」

俺が声をかけると、先生が机にコーヒーを置き椅子をこちらに向けた。

黒髪のポニーテールに端正な顔立ち。白衣姿に胸元から覗く谷間が悩ましいというまさに女教師だ。

「随分と遅かったですね。山中君」

「まぁ、ちょっと」

説明するのが面倒だから曖昧に答えた。

そんな俺の考えを汲み取ってくれたのか先生が続けた。

「実は今日の昼休みに生徒から依頼が届いてます」

そう言って机の引出しから一枚の封筒を取り出し渡してきた。

中に入っていた紙の内容を読み上げる。

「「2年の白水京が男子生徒に詐欺行為を働いている」なんでこれを警備部に出しちゃうんですかね?アホなんですかね?じゃ俺帰りますね」

「待ちなさい山中君」

さっさと帰ろうとしたが服を掴まれた。

「いいですか。部活というのは将来の夢のために経験を積み重ねる場です」

そうなんだ。部活ってモテたい奴の集まりだと思ってた。

「なんとなく分かりました。そんなことより依頼料出してください」

「すぐそうやってお金の話をする。将来いい大人になりませんよ」

「手遅れです」

「はぁ」

俺が言うと先生はため息をついた。美人なだけにその姿は様になる。

「あなたはやれば出来る子です。山中鹿之助君。成績優秀で容姿端麗、名は体を表すと言いますが」

言外に「性根が腐ってますね」と言っている。

「別に嫌と言ってるわけじゃないんですよ。それに依頼料以前に、これ」

先生に以来内容の書かれた紙を見せる。

「こんなも見せられても、だからなんだよ!って感じじゃないですか」

「ようするにその詐欺行為をやめさせろといっているのですよ」

「先生の出番ですね」

「こういう時の警備部ですよ。山中君」

終わる気がしない。このまま夜まで口論するんじゃないだろうか。早く帰りてぇよ。仕方ないので正論をぶつけてやろう。

「先生、警備部の活動内容をなんでしたっけ?」

本当は分かってるけどな。ちなみに活動内容は見回り、学校行事の手伝い、の二つだ。

「見回り、学校行事手伝い、そして生徒からの依頼の解決です」

ふえてる

「あきらかに付けたしただろ!」

「いいえ」

嘘だ。俺は入部する時にしっかりと活動内容に目を通してある。

「ちょっとパソコン借りていいですか」

「いいですよ」

俺は立ったままパソコン操作し、第一竜宮学園のウェブサイトを調べる。

パソコンからでも活動内容はわかるはずだ。証拠を見つけてとっとと帰ってやる。

「あった」

部活紹介の欄に警備部を発見し右クリック。

「えーと、活動内容は学校付近の見回り、学校行事の手伝いと………………………………………生徒からの依頼の解決」

ふえてる

「決まりですね」

先生が嬉しそうにしている。もうこいつに敬語つかうのやめよ。

「俺はやらないぞ」

「往生際が悪いですね」

「山中鹿之助だからな」

「うまいこと言ったつもりですか。それに都合のいい解釈しすぎです」

どうやら俺がため口になったのはおとがめなしらしい。

「先生が詐欺まがいの行為を働いたのは不問にするから依頼料見せろ」

「いいですけど、でも先生にはちゃんと敬語を使いなさい」

「ウッス」

俺が答えると先生は白衣のポケットをまさぐる。そこから出てきたのはお札だった。

「これが依頼料です」

「1000円なんですけど」

「はい。それがどうかしましたか?」

「せめて3000円は欲しいです」

「でも依頼主は1000円しか置いていってません」

「先生が2000円付け足してください」

「もちろん嫌です」

「そうですか。交渉決裂ですね。じゃ俺帰りますんで。あと依頼主には「死ね」って伝えといてください」

俺は踵を返し、服をつかむ暇すら与えず帰ろうとする。

「待ちなさい」

バシャ!

「あぢぢぢぢぢぢぢぢぢぃぃ!」

コーヒーをぶっかけられた。

「どんな引き止め方だ!!」

俺が抗議の声をあげるが女教師は机に肩肘をついている。

「先生は疲れました」

「知らねぇよ!!」

「いいですか山中君。もしこれ以上先生を困らす様な事したらお父さんを呼びます」

「パワハラじゃねぇか!!」

「見えるっ」

俺のツッコミはスウェーでよけられた。

「よけるなよ!!」

「先生に暴力を振るうとはどういう了見ですか。」

先生がジト目で睨んでくる。さっきのスウェーは一体なんだったんだろう?

「分かりました分かりました。行って来たらいいんですね。行くだけなら安いもんです」

俺は先生から1000円札を奪い取り職員室を出た

「最初から素直にそういえば良かったんですよ」

机でコーヒーを飲んでいるであろう先生の声が聞こえた。俺だけのせいか?っと思いつつ場所を聞いてないのを思い出しもう一度職員室に入る。

先生はやっぱりというかなんというかコーヒーを片手にボーーっとしてる。やっぱこいつ暇なんじゃねぇのか?

「先生」

「山中君。往生際が悪いですよ」

「いや、場所を聞きに来ただけです」

「ああ、そうでしたね」

先生は手をポンとすると、引出しから地図を取り出し印を付け渡してきた。

見ると神社マークがついたところに赤で印を付けてある。神社で詐欺行為?と思いつつ職員室を出た。


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