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最弱スライムと契約した俺、気づけば全スキルを支配していた~ぷるぷる相棒が実は最強すぎる~  作者: ローナ


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17/40

封印対象に指定された俺、王都へ向かう途中で“狩り”が始まる

 夜が明ける。


 いつも通りの朝——のはずだった。


 だがユウの視界には、“余計なもの”が映っている。


 空の端に、薄く浮かぶ線。

 建物の輪郭に重なる、数値のような揺らぎ。

 人の動きに遅れて表示される、わずかな“予測”。


「……邪魔だな」


 軽く目を細める。


「《世界認識》の副作用」


 スライムが言う。


「視覚情報と構造情報が同時に流入している」


「オフにできないのか?」


「現時点では不可能」


「まあいい」


 ユウは窓から離れる。


「慣れる」


 ギルド前。


 朝だというのに、人が多い。


 理由は明白だ。


「来たぞ……」

「昨日のやつだ」

「管理者と戦ったって噂……本当か?」


 視線が刺さる。


 だが、昨日までと違う。


 畏怖に、“理解できない何か”が混ざっている。


「危険対象として認識されている」


 スライムが囁く。


「それでいい」


 ユウはそのまま通り抜ける。


 もう、この街に用はない。


「本当に行くのか?」


 背後から声。


 振り向くと、ガルドが立っていた。


「王都へ」


「行く」


 短く答える。


「止めても無駄だろうが、一応言っとく」


 ガルドが腕を組む。


「あそこは、この街とは違う」


「だろうな」


「“管理者に近い連中”がいる」


「そいつらが目当てだ」


 即答。


 ガルドが苦く笑う。


「だと思ったよ」


「一つだけ」


 ガルドが真剣な顔になる。


「気をつけろ」


「何を」


「“見えすぎるやつ”は、先に消される」


 意味深な言葉。


 だが——


「もう遅い」


 ユウは笑う。


「見えちゃってるからな」


 町を出る。


 道は一本。


 王都へ続く街道。


 風が静かに流れる。


 平和な景色——のはず。


「……来るな」


 ユウが呟く。


「感知済み」


 スライムが即答。


「三体。高速接近」


 次の瞬間。


 影が落ちる。


 前方、左右、後方。


 同時に現れる。


「対象確認」


 無機質な声。


 昨日の管理者とは違う。


 だが——似ている。


 人型。


 白と黒の混ざった装甲のような体。


「排除対象、黒崎ユウ」


「捕縛プロトコル開始」


「……もう来たか」


 ユウは軽く首を回す。


「仕事が早いな」


「通常管理者ではない」


 スライムが分析する。


「戦闘特化型。“執行者”クラス」


「へえ」


 ユウは一歩踏み出す。


「ちょうどいい」


 執行者が動く。


 速い。


 昨日の管理者よりも、戦闘に特化している。


「排除」


 同時攻撃。


 死角なし。


 連携完璧。


 だが——


「見えてる」


 ユウはわずかに体をずらす。


 紙一重で回避。


 そして——


 最短で一体に接近。


「一人ずつだ」


 触れる。


 ビリッ。


「……!」


 だが、今回は違う。


 拒絶が強い。


「解析抵抗、高」


 スライムが告げる。


「権限ロックあり」


「なら——」


 ユウは笑う。


「こじ開ける」


 黒炎を纏う。


 統合スキル発動。


 力を一点に集中。


 もう“奪う”だけじゃない。


 “壊してから奪う”。


 ドン。


 一撃。


 執行者の体に亀裂が入る。


「損傷確認」


 無機質な声が揺れる。


「戦闘継続」


「遅い」


 ユウはもう次に動いている。


 亀裂に手を突っ込む。


 ビリッ。


 無理やり引きずる。


 ――《戦闘演算》断片取得


「……なるほど」


 動きの最適化。


 完全な無駄のない戦闘処理。


「いいな、これ」


 残り二体が同時に来る。


 だが——


 さっきより“見える”。


「そこだ」


 回避、反撃、接触。


 流れるように奪う。


「効率、上昇」


 スライムが言う。


「戦闘時間、短縮」


 数秒後。


 三体の執行者が、動かなくなる。


 完全停止。


 静寂。


「……弱いな」


 ユウが呟く。


「比較対象が異常」


 スライムが即答。


「管理者本体基準になっている」


「それもそうか」


 だが、そのとき。


 空気が変わる。


 さっきまでとは別物。


 重い。


 深い。


 “見えないはずのもの”が、近づいてくる。


「……来たな」


 ユウの目が細くなる。


 空間が、裂ける。


 そこから現れたのは——


 人型ではない。


 形が定まらない。


 白でも黒でもない。


 “概念”に近い存在。


「……上位個体」


 スライムの声が低くなる。


「危険度、最大」


「観測完了」


 それは言った。


 声というより、直接頭に響く。


「対象、想定以上」


 一瞬の間。


 そして——


「——処理、開始」


 ユウは笑った。


 心底楽しそうに。


「いいね」


 一歩、踏み出す。


「それくらいじゃないとな」


 風が止まる。


 空が歪む。


 世界が、少しだけ軋む。


 “上位存在”との戦いが、始まる。

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