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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

4杯目の紅茶

作者: あおたん

紅茶の茶葉は、3杯目で薄くなるというのは世の常だが、私は4杯目が一番好みだ。


1杯目では濃すぎるし、2杯目は色味が好かない。3杯目となると大分マシだが、まだ足りない。だから、4杯目が好ましい。


私の母は1杯目を好んで飲んだ。姉は2杯目を、父は3杯目を。茶葉は高級なものを母が選りすぐって購入してきた。日曜日の午前中に開催されるささやかな茶会。それが私たち家族のルールだ。


母が茶葉を選ぶ役目なのだとしたら、差し詰め私は茶を沸かして食器を運ぶ係だった。父は茶会に合う洋菓子を拵え、姉は紅茶とケーキの甘さに合う話題を提供した。母は姉の話にコロコロと表情を変え、父は深く相槌を打つ。私は姉の話に耳をそば立て、茶を啜った。ああ、やはりこの味だと、そう思いながら。


角砂糖の個数も重要だと、人は言うかもしれない。しかし私はそれらを必要とはしなかった。家族の個数はよく覚えている。母は甘党で4粒、姉は少し控えめの3粒、父は風味づけ程度の1粒だ。彼らは個数が違うと取り乱した。

味が足りない。濃すぎる。そう口々に声を上げた。私も彼らも、やはり家族なのだろう。拘りだけは強かったのだ。私はすぐさま湯を沸かし直し、個数も杯数も彼らに合ったものを提供した。そうすると彼らはすぐに語り合いを再開させた。そして私はまた茶を啜った。ああ、やはりこの味だと、転がしながら。


そして、あの日。私は角砂糖をすり替えた。甘味は変わらない、しかし強烈な影響を及ぼすものに。

効果は絶大だった。初めに反応したのは母だった。次に姉。父は驚き、彼らに駆け寄った。けれど、父も母や姉と同じように床に吸い寄せられていった。

そしてその時、私と彼らは数年ぶりに目を合わせたのだ。なぜ、どうして。そんな姉のお喋りが聞こえた気がした。いつもと変わらない日曜日の午前中の茶会。違うのは彼らは床に倒れていて、私が椅子に腰掛けていること、それだけである。


わたしはまた茶を啜った。4杯目の茶を。ああ、やはりこの味だと、確かめながら。もう、この味を飲むことはないだろうと、確信しながら。

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