表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界快進劇 破顔一蹴 ヤマトナデシコ ~現実帰還のためなら、異世界の一つくらい救ってやろうじゃない~  作者: 沢クリム
『赤ノ章 祝祭のラケル』 第二節 グルメバトルと過去、アーテナイの誓い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/64

43.その審判を下す者達

『さあ、始まりました!閉山祭3日目「大宴会新名物、お料理対決」!実況は昨日に引き続きこの私、自称ドワーフ一の弁舌家、コーレンがお送りします!』


「おおおおおおおおお!」


時刻は昼過ぎ、昨日の闘技場に昨日と同じ声が響いている。観客もノリに乗っている。

あの後、色々あった。説明を受けて、食器や器の件で工房長と話したり、使用する食材を求めて街を走り回ったり、酒を躱したり、その中で様々なドワーフに背中を叩かれたり、酒を躱したり、料理を奢られたり、酒を躱したり。

え?同じ文言が三回?しかしながら、躱した回数はもっと多かったので許して欲しい。挨拶と同時にエールが飛んできた時には、木刀に手が伸びかけたぞ。


『さあ、今日は解説役に来て頂いています!アーテナイ様の側近にして、胃薬の国内消費個人部門一位!シェーヌ様!』

『皆様初めまして、シェーヌと申します』「……あとで、担当は私の所に来るように」



シェーヌの発言の後半部は拡声器に乗っていない。あるんだ、胃薬。声援に黄色い声が混じる。そう言えば、シェーヌはイケメンエルフだった。


俺達の格好は、無地のエプロンに布を三角巾にして頭に装備している。まるで家庭科の時間だ。

ただ、俺の背中には布袋がある。『取り寄せバックパック』に収納出来なくなった『姫桜』を布袋に入れたものだ。

魔力を付与した木刀が戻せないのと同じ現象だろう。

自慢ではないが、俺達は中学三年間、家庭科は『ほぼ』最高評価だった。

唯一、評価が一段階下がったのは、調理実習の時にガスバーナーを持ち込み、具材を炙った者が同じ班にいたのだ。

「さあ、やるからには勝つわよ!ヤマト!」

「ああ、これも勝負だからな」

ガスバーナー女ことナデシコと俺は、入場門の前で控えている。


『さあ!早速ですが解説して頂きましょう!「大宴会新名物、お料理対決」とは?』

『ええ、今回の閉山祭。アーテナイ様が是非、自ら皆を料理で、もてなしたい。ということで、決まった催しになります』

『なるほど!では、なぜお料理対決に?』

『そこは、この閉山祭を盛り上げる為の施策でございます。曰く、ただ振る舞うだけでは芸が無いと』

『ははは、いつもの思いつきですね!いつもご苦労さまです。シェーヌ様!』

『いえいえ、アーテナイ様をお支えするのが、私の仕事ですから』



酷い、何一つ真実が無い。

対面の入場門でアーテナイがなにやら、ぼやいている。魔力で聴力を強化して聞いた。

「………マジで通るとは恐れ入ったねぇ…」

日頃の行いって怖い。俺達も気を付けよう。


『ちなみにシェーヌ様、昨日退場後に今日の対戦相手とアーテナイ様が試合をしていた、との情報が入っていますが…』

『ええ、事実です。明日のことでの打ち合わせついでに、力を見てやるとアーテナイ様が始めたことでごさいます。あくまで非公式の試合と言うことで、見られた方々も他言はほどほどに…』

『なるほど!あくまで本番は今日の料理対決という事ですね!…昨日のもう一戦というのも?』

『もちろん、料理対決の事です』



無理がねぇかな?

しかし、観覧席を見てみると、頷いている人が大多数。シェーヌが裏工作でもしたのだろうか?


『それでは、選手入場……その前に、この対決の審査員をご紹介します!一人目は僭越ながらこの私!コ―レンが勤めさせて頂きます!』

『私、シェーヌも審査員として参加させて頂きます』

『そして、特別審査員として、まずは昨日の闘技場を盛り上げてくれた「双杖」のお二人です!』


「……ご飯を奢るって、絶対こういう意味じゃないでしょ…」

「まあまあ、二人らしい食事の誘いじゃないか」


すでに、闘技場内では3人の特別審査員が待機している。

そのうち2人は昨日もここに来たベンとリニー。2人とも笑顔で観客に手を振る。リニーは若干、引きつっている。

この2人のぼやきも、聴力を強化して拾ったものだ。

「私達らしい?まるで人がトラブルメーカーのように言うじゃない」

「心外だな、心当たりが一切無い」

2人がこちらを見たので、俺達は眼をサッと反らした。2人もやはり聴力を強化していたらしい。


『最後に、幅広い世代に審査して頂く為に、アーテナイ様、対戦相手から審査員に推薦されたこの子を紹介しましょう!』

『アメリアさん?会場の皆様へ手を振って上げてくださーい』


「はーい!…おっとっと…」

「…危ないわね、気を付けなさい?」

「うん、ありがとう!リニーおねぇちゃん!」

「り、リニーおねぇちゃん…!」


元気よく立ち上がって会場の皆さんに手を振るアメリアちゃん。よろけた所を支えたリニーは、返り討ちを食らっていた。また1人陥落。アメリアちゃん無双だった。


アメリアちゃん、まさかの審査員として参戦。


いや、半分は俺達のせいだ。実況と解説以外に審査員を選ぶ際、俺達とアーテナイの声は1人の名前で揃った。アメリアちゃんだ。

そのまま馬車で、別件もあり、アメリアちゃん宅まで行った所、アメリアちゃんは快諾。ご両親アンドおじいちゃんは、自宅に工房長、事務のトップ、アーテナイが揃ったことに処理落ちしている間に決まってしまった。あの3人、どうやら一般家庭に揃うことにない位には重鎮だったらしい。


「ここは少し反省ね」

「本当に済まなかったと思っている」


対面ではアーテナイも頷いていた。アーテナイもそうだと言っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ