≪女神様とご対面?≫
「ここは・・どこだ・・・?」
目を覚ますとそこは見知らぬ広い真っ白な空間だった。
「うっ!」
なぜかひどく頭が痛む。
「僕は・・・何をしていたんだっけ?」
一度記憶を整理してみよう。僕は十六夜 月32歳独身社畜。うん、覚えてる。意識が途切れる前その日僕はいつものように部長に仕事を押し付けられて、それで残業をしていて、それで・・・思い出せない・・・。ただ、意識が途切れる直前頭が激しく痛んだ記憶がある。そう今のようにひどい痛みだ。僕が頑張って思い出そうとしていると突如トランペットの音が響き渡った。音の鳴ったほうを見てみるとそこには一人の女の子が立っていた。
「こんにちは~‼はじめまして!私は女神のアステラちゃんです!」
!?
「起きたばっかりで悪いんけど君はここに間違えて連れてこられてしまったんだ~だから私の管轄する世界に転生してもらおうとおもいます‼」
状況が見えない・・・間違えて連れてこられた?転生?え?どういうこと?
「あはは~混乱してるね~」
なんだこいつ人がどうにか現状理解をしようと必死になってるのにあはは~混乱してるね~だと⁉ふざけてんのか?馬鹿か?
「あ~今私のことバカだと思ったでしょ‼」
え、やばっ声に出てたか?
「ふっふっふ~私は人間の心の声が聞こえるのよ!すごいでしょ~」
プライバシーの侵害だ‼
「私のことバカ呼ばわりしたくせに何言ってんのよ!」
そんなことより、ここはどこなのか、僕はなぜここにいるのか教えろよ。
「そんなことよりですって⁉貴方女神に対して失礼すぎない⁉」
いいから説明しろよ。
「ぶぅ・・わかってるわよぉ」
コホン。と彼女は一つ咳払いをしてから話し出した。
僕は会社で仕事をしていた時に別世界の召喚魔法とやらに巻き込まれてしまったらしい。そこで消えかけていた魂の僕を、女神アステラがここ神の異次元領域へ連れてきたのだと説明してくれた。
「つまり~私が助けてあげてなかったら貴方は消えていたのよ!感謝してよね」
ご機嫌に話してくれたけど要は僕が巻き込まれたのはその異世界召喚のせいでしかもその異世界召喚をした理由はそっちの世界の管理不足だよね?
先ほどの話の中に出てきた別世界はアステラの管轄の一部だと聞かされた。そしてその世界では厄災なるものが発生し勇者が必要になってしまったかららしい。そこで行われたのが異世界召喚だったというわけだ。僕は何か隠していそうな態度のアステラから厄災の大まかな原因はアステラの管理不足であることを聞き出した。
「管理不足は認めるけどぉ・・・ちゃんと対応策を提示しているでしょう?」
むぅっと頬を膨らませながらこちらを見てくるアステラ。
そんなふくれっ面じゃ反省の色が見えないんだけど?
「うるさい‼」
それで?その対応策とやらは?
「解決策は今回の勇者召喚のあった世界とは別の私の管轄する世界に転生してもらおうと思ってるの。」
できればもとの世界に返してほしいんだけど・・・
「う~ん・・・それは無理なんだよね~・・・実は勇者召喚をあの世界は定期的に行っているんだけど、今回の勇者召喚で貯蓄していたエネルギーをすべて使い切ってしまったみたいなの。だから今は送ることも送り返すこともできない状態になっちゃって・・・しかもいつエネルギーが元に戻るかもわからない状況で・・・」
じゃあそのエネルギーとやらが貯まれば帰れるってことなんだな?
「実はそう簡単な話でもなくて・・・人間の魂って弱りやすくて、一瞬の異世界への移動とかならいいんだけど長期的に魂だけの状態でとどまるとすぐに弱って霧散してしまう。だからもう元の世界に帰ることはできないの。それに君はもう死んだことになっているから・・・」
そんな・・・
「ごめんね・・・その代わり!これから貴方を転生させる世界では何不自由なく生活できるようにこの私が完璧に補助してあげるわ‼だから安心して」
まだ今の状況に完全に理解とか納得とかできてないけど・・・わかったよ。
『女神の提案の受諾を確認。これより肉体の構築を開始。魔力回路の補助機関を組み込み形成______成功しました。』
なんだ⁉今のシステム音のような音は
「お!今の聞こえた?今の音はこれから君が行く世界の神と崇められているモノの一端だよ~今のが聞こえたってことは君は世界に認められたってことになる。」
認められないこともあるってこと?
「それは置いといて~君はどんな能力がいいかなナ~」
おい。
「まぁまぁ・・・それで?どうする?ほらほら早く~」
えぇ・・・どんな能力があるのかも分からないのに・・・
「ふっふっふ~君の目の前にいるのはだぁれ?」
・・・馬鹿?
「違うわよ‼め・が・み・さ・ま!でしょ‼私が貴方の望む能力を作ってあげるって言ってるの!」
え、なんで?
「一応貴方がここにいる理由は私な訳だし・・・特別に!作ってあげるわ‼」
なんで偉そうなのさ・・・う~んじゃあこんなのは作れるか?
『これより転生を開始します。』
「それじゃあ元気でね~」
そう言って女神はこちらに手を振っている。
ようやく解放されるのか・・・長かった・・・
「では、これから貴方は新たな人生を歩み始めることになります。その道が貴方に大いなる幸福をもたらさんことを祈っています。女神アステラの加護のもとに・・・楽しんで」
そういって彼女は笑った。彼女が笑うのと同時に、いきなり目の前がまばゆい光に包み込まれていく。
「あ!言い忘れてたけど私に会いたくなったらいつでも教会に来て祈りをささげてね!」
薄れゆく意識の中あわてた声が頭の中に響き渡っていた________。
初めまして。暁月です。今回初めて小説を書いてみました。誤字や脱字等あるかもしれませんが温かく見守っていただければ幸いです。
今後不定期にこのお話を書いていく予定です。たくさんの人に見てもらえるように頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。