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04 大精霊術師誕生

「――ぁっ!……ってここは……」


何かの痛みで目を覚ますとそこは試練の始まる前の場所。二人が出てきた祭壇の前だった。

どうやら戻ってこれたようだ。……しかし闇に飲み込まれた後の記憶が全くない。

……何があったのだろうか?

まぁ、思い出せないものはしょうがない。いつか思い出すだろう。


「あれ?……二人は……?」


祭壇の周りにいるのは私だけになっていた。

ウィルとシェイドはどこにいったの?……まさかこれまでのが全部夢とか!?


「……ん? こんな腕輪とコンパクト……私、持ってたっけ?……」


ふと右腕を見てみると見覚えのない金と銀の装飾が施された二つの腕輪が(はま)っていた。

そして私が倒れていた地点の近くには豪華な装飾に、魔法陣の模様のコンパクト(?)が放置されていた。

腕輪は調べてみるが何も起こらない。何か必要な物があるのかな?


次にコンパクトを開けてみる。

中には、円状に11個ものくぼみがあり、そのうちの二つには、金と銀の宝石がはまっていた。

なんか、やけに金と銀のものが多いような……


試しに、金の宝石に触れてみよ!


「……わっ、まぶし……」


触れた途端宝石を中心にして光り輝き、その光はだんだんと人型に形状を変えていく――


「――はい! というわけで! ウィルちゃん参上☆ その様子だとコンパクトを使ってくれたみたいね!」


「あ、うん……」


安定のテンションの高さ……どうやったらあんなにテンションが出せるのかな……?

私には絶対に無理……


「あっ、そーだ! 先にこの、コンパクトと腕輪についての説明をしなくちゃね! ということでシェイ! カモーン!」


再びフラッシュ! 今回は割と光の量が少なめだった。


「……ん、来た、けど……ボクは……(マスター)に説明を、するために来ただけだから……ウィルに指図される理由は……ない……よ?」


「はぁ!? 何よ、何よ! 私を馬鹿にしてるっていうの!?」


「まず、このコンパクトの名前は精霊(エレメンタル)召喚用媒体(サモンコンパクト)……です」


「ちょっと! 無視しないでよ!」


「……この媒体(コンパクト)を使うことで、精霊の召喚が可能になります……それで、この腕輪は、精霊との縁を結ぶために必要な道具……です。ボクたちの場合は、この腕輪が、縁をつなぐための道具で、これで、安否を確認したり、調子を確認したりすることが出来ます……ちなみに、これ、はボク達みたいな大精霊じゃないともらえないものなんです……」


「大精霊は特別な存在なのよ! だから、こうやって縁を結ぶものがないと消滅する可能性があるってわけなのよ!」


へー……すごい道具なんだ……ところで、シェイドくーん? さすがにウィルを無視するのはよくないと思うよー? まぁ自業自得か……それにワザとっぽいし。


「……説明が戻るけど……この、媒体(コンパクト)には大精霊術師――大精霊を使うものとしての役割が込められている……です」


「その役目って?」


「自身の精霊容量が限界になるまで、大精霊を仲間にする……ことです……そうしないと、大精霊の力に耐えきれなくて、やばいことになっちゃいます……」


「へー……ってえっ!?……いやそんなまさか……」


「……ほんとだから……コンパクトが仲間になる、大精霊の数を、表しているんです……(マスター)のくぼみの数は、いくつ、でしたか……?」


「えーっとね……11個」


「は……? じゅ、11個!? それって、全大精霊の数じゃない! そうだったわよね!」


「いや、違う……大精霊、ボクたち含めて10人……じゃない、精霊の王がいた、けど……」


「いたかしら? そんなの……あぁ、あの威張り散らかして死んだやつ?」


「そう……それ……」


「やっぱり、アズフェール様って……特殊よね……」


特殊で悪かったわね! というか精霊王……えぇ……そんな奴いるの……威張り散らかして死ぬって……自業自得じゃん!


「……それは置いといてもいい……と思う……から、とりあえず(マスター)は、他の大精霊を集めるのに集中したらいい……です」


「じゃあ、これからは、大精霊を集める旅に出ればいいの?」


「そういうことになるわね……安心しなさい! 私たちもついているわ!」


まぁ、旅は一人より二人、三人……の方がいいか……戦闘能力は未知数だけど! 私に至っては貧弱なもやしだけど!

肉の壁ぐらいにはなれるかな?


「でもどうやって二人は私に付いてくるの?」


「それなら安心しなさい!」


「うん……」


二人は目を合わせ、何やら意味ありげなポーズをとる。


「「擬態」」


もわっと煙が巻き上がり煙が晴れたところにいたのは、黒白のミニ狐だった。

えっ……かわいいんだけど! 何この子たち!

可愛さといかにもモフモフしてそうな毛並みに耐え切れず、白ミニ狐(推定:ウィル)をなでてやる。

かわいい……ふわふわ……


その光景を見て何か思ったのか、黒ミニ狐(推定:シェイド)がむすっとした様子でなでている反対側の手に、体をこすりつけてきた。

……かわいい……かわいいよ……はっ!……危ない危ない……フワフワの沼に溺れるところだった……半分ぐらい溺れていた気がするけど……

落ち着け私、元々は人間……――じゃなくて精霊! つまり人! わかれ!……あ、ふわふわぁ~……ってもう! 私は馬鹿なのか? はいそうです馬鹿ですぅ!……というか旅に出るとはいえ、どこに行くんだろう?


「ねぇ、どこに行けばいいのこれ?」


「そうね……私が行きたいところあるからそこまでの案内をするわ」


白ミニ狐……ウィルが行きたいところがあるというので、そこに向かうことになる。

コンパス代わりに手のひらの上にのせると反対側を向いた。

戻れと……じゃ何でこっち向かって歩いてたんですかね!?


「はぁ……」


渋々ながらも足を反対側に向け引き返す。

まったく……









――この日。最強の大精霊術師――アズフェール・ルベスタが誕生した。








「面白かった!」


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