02 謎の建物
「――……」
目を開けるとそこは見知らぬ場所だった。
起き上がり、あたりを見回してみるが、あるのは無限に続く砂漠と目の前にある謎の研究物じみた建物だけ。
周りを歩いてみたりもしたが、何もない。
「そう、だ……お義母さん……は……」
フラッシュバックする先ほどまでの記憶。
血を流し倒れる――義母の姿を――
でもまだあの時には息があった。ならまだ生きているかもしれない……ならどうにかして帝国に向かわなきゃだけど……
今あるのは目の前にある建物くらいだろう。
中に入ってみるか……ここで何もせずに過ごしていても何も起こらなそうだし……
建物の目の前に立つと黒と白のもの黒カラーの扉が現れた。
その扉からはなぜかおどろおどろしい空気が漂っているが、意を決して扉を開ける――
「……わーお……」
目の前にあったのは幻想的な風景と水晶でできた祭壇だった。
それ以外にめぼしい物は特にない。
これはどうしろと?
「んー……いかにも調べてみてくださいと言わんばかりに怪しい祭壇を調べてみるか……」
祭壇に触れてみると祭壇が光り、黒と白で意識が埋め尽くされる――
「……本日二度目の気絶……んしょ……で、ここは……?」
「――起きたわね、愚かな人間が」
「え?」
立ち上がり、下が床ではなく、土になっていることに気づいたため、服についた土を落とす。
少し服が汚れてしまったがまぁいいだろう。服なんて買い替えれば。
私が気にするべきはそのことじゃなくて、目の前にいる美(小?)女だろう。
「……おいウィル、その言い方じゃ伝わってねーだろ」
さらに増えた……!?
今私の目の前にいるのは、最初に声をかけてきた私より少し年上っぽい白と金の混じった髪に今ではあまり見かけない明るい色をしたロリータ服を着た女性と、黒に銀の混じった髪をした、こちらも白髪の女性と同じくロリータ服……なのだが彼女が着ているのは、ゴスロリの方だ。
顔立ちはとても似ているため双子と仮定していいだろう。
「はぁ!? なによ! アタシより遅く生まれったていうのに! お姉さまの言うことぐらい聞きなさいよ! 大体、あんたは今回出てくるなっていったよね!」
「あ? んなもん知るかよ! オレはしたいことをしただけだよ! バーカ!!」
「バカって何よバカって! アタシは馬鹿じゃないわよ!」
……えぇ?……なんか言い争ってるし今のうちに帰る――
「「アンタはどっちが悪いと思う!?」」
「ふぇっ!」
逃げ出そうとしていたところを言い争いをしていた双子(推定)に止められる。
何でこいつらしょうもないところで息ピッタリなんだよ!?
というか返答に困る問いしないで!?
こうなったら秘儀「話題そらし」を使うしかないのか……!
「――えーと……あの……ここって……どこなんですか?」
「「……は?」」
よし! 話題そらしに成功! で、なんでそんな呆れた顔をしてるのかな? この双子(推定)は
「――え……? アンタここがどこかも知らずに来たの……?」
「えーと、はい……そうです……その――この建物の前で捨てられて……それで周囲には砂漠しかなかったので……この建物に入って……」
簡潔かつ分かりやすく(?)ここに来た経緯を話す。
私の話を聞いて双子はこそこそと何やら話し込んでいる。
私には何を話しているのか見当もつかないが……
「ねぇアンタ。私たちと契約してくれない? 後、今何年? 私たち時間には疎いからわからないの」
「――契約……?……とりあえず今は――魔法年歴1388年目です」
「マジかよ……この年は……」
「もしかしてこの子が?……あるかもしれないわね」
あのーさっきから何を言ってるかまーったく分かんないんですけどー?
それに契約って……何?
「あの! 契約って何なんですか?」
「……まずはそっからだったな……ほれウィル。説明してやれ」
「ったくアンタはいっつも人任せね……まぁいいわ、契約っていうのは私たち――精霊との契約のことよ、契約することで、主人は契約した精霊の力が扱えるようになるの。私たちはその中でも最高位の精霊――大精霊よ!!」
「へー……」
「何よ失礼ね! これでも私たち千年は生きてるのよ!?」
千年ってすごいなー……しかも精霊の最高位?……そんなのと私――『忌み子』が契約? そんなん釣り合ってないじゃん……
「そして、私たち精霊は――魔力のない『忌み子』と呼ばれる存在を救済する存在よ」
「――救済……私、を?」
「やっぱり、貴方もそうだったのね。なら、丁度いいわ。私たちが救ってあげる。だから――試練を与えるわ。それを乗り越えてみなさい――貴方に拒否権はないわ」
あっ、拒否権ないんすか……ならやるしかないんだよなぁ……
「分かった。試練を受ける」
「話が早いわね♪ それじゃぁ早速始めましょうか! 光と闇の試練を!」
「面白かった!」
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