完全な憧憬、未完成な本
手のひらに落ちる透明が一つ
頬を走る痕 拭った上に溢れ出ていく
その理由も忘れるがままに
咀嚼した現実 背中を押し 越していく
等価交換など全て嘘だろう
何かを望み何かが叶い
それに見合わぬ何かを喪った
歩き続けた透明の道は夜に濡れただけだった
いつかの報いを信じ続け
与うは数多の憂鬱のみ
信じた報いはきっと無く
残るは後悔故の自己同一性
永遠に続く自己否定
毎日に組み込まれた幻想は押しつぶされた
末に見ゆるは現実逃避
周り固められた昨日の明日
望まれ続けた代償はそう描かれた
あの日見た夕景はきっともう一度見ることは叶わない
そう願うこともない
うちに篭りきり
ただ逃げることだけ考えてる