ページ16 逆転会話
るるん るん、となって でる電話
もしもし、の終わりには もう少し緊張
深呼吸ー、はいて 吸って はくうちに
電話での話しは あまりきいていなかった
だいたいの打ち合わせ
あの小さな橋の看板かな
じゃねー、と30分後の待ち合わせ
橋の看板で集合
待ち合わせ目印は このノート
歩いて、ノートを返しに いつもとは 逆の方向に
早めについたよ5分前、無事合流
学校でもよかったよと きみがいう
こちらは早めにできたから
ノート見やすかったよと きみにいう
おかげで早めにできたんだ
歩こう少し
普通に歩いて、でもいつもよりはゆっくりだね
一応、私服だね、とサラリときいてみた
制服のほうが よかったの
着替えてこようかなと きみの声
何をきいても、逆の順番、今日は きっとそういう日
おそらくは、逆の順番でも 元どおりの会話に
いおうか ためらう言葉たち
あーーと ためらい
うーーと 考え
はぁ、と 深呼吸
立ち止まると、青の空と田んぼの風景 曲がり角
それから 言った
その私服は かわいいよ
あと髪少し長くなったね
その次の日
制服姿の放課後で
ふふと 笑うきみ
その制服姿は かわいいよ
私服姿も 似合ってる
髪型長くても気にはしないよ
きみの返事
けれど、そろそろ切ろうかなって 思ってる
言ったら よかったのかな
長いままも みてみたいな
会話は思う方向とは 違うのだね
きみはいう
明日にでも髪切ろうかな
後日短い髪型のきみがいた
気持ち残念
長くなったきみの姿
もう少し みていたかったかも
けれど 短いのは似合っているよ
制服姿も可愛いし、私服姿も可愛いよ
両方言えたのは後日のこと
ふふふと笑う きみの姿
電話→待ち合わせ→短い会話という待ち合わせたときの勢いを使った会話、を意識したのですが、次の日に話しを持ち越しての話しとなりました。
なかなかに勢い余る会話も意識的にはつくりづらくて、
短編エッセイの短くするまとめかたに苦労する日々です。