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9 わたしは世界の中心

すみれ


わたしは今まで、年上の人とつきあったことがなかった。同年代か、上と言っても一つか二つ。高木先生はもうすぐ30歳だから、5歳くらい上だ。

ちょっと違うと思った。年上の人って。

ときどき連絡が来て、映画を一緒に見たり、ご飯を一緒に食べたりする。そういう関係だった。おしゃべりというわけじゃないんだけど、自分なんかよりいろいろなことを知っている。自分が何気なく話した話に返ってくる返事が、今まで自分の周りにいるような友達とか家族とかと違った。

それが新鮮だった。


「先生は頭がいいですけど、わたしは馬鹿じゃないですか。」

「また、そういう話?」

ちょっとうんざりとした顔をされた。

「また、ですか?」

「自分で自分のことを馬鹿というのは、謙遜とは言えない。」

話の腰を折られた。

「だめですか?」

「だめです。」

ときどきはっきりとした物言いをする。

「それにあなたは馬鹿ではない。僕は馬鹿な女の人は嫌いだから。」

ちょっと怖いことを聞いてしまいました。

「そんなことを聞いてしまうと、ぼろが出せないですね。」

先生は笑った。

「あなたは僕に嫌われたくないの?」

じっと見られた。

「わたしは人に嫌われるのは苦手です。」


一緒にいて、とても横に並ぶというか対等な位置に立てる気がしない。ただ、先生には感心させられるときがよくあって、それに、一緒にいると自分が変われる気がした。いい方に変われる気がした。

そこは、好きだった。

好きだったけど……。

2人でいるときに雨が降ってきて、用意のいい先生は折りたたみの傘を持っていた。わたしは傘を持っていなかったから、一本の傘に2人で入って、先生は当たり前のように左手でわたしの肩を抱いて、右手で傘を持った。

肩を抱かれて体を寄せ合うと、先生の香りがした。

それは突き放すほどに嫌ではなかったんだけど。

何かが違う気がするのは、気のせいなのか。

こういう些細な違和感は、回を重ねれば消えるのか。

建物の中に入って、先生はわたしの体を離して、雨粒のついた傘のしずくを払って、傘をたたんでいる。

この人と体を重ねれば、しっくりくるようになるんだろうか。

体を近づければ、心もそれについてくる?


「どうかした?」

「いえ。何も。」

「雨だからこれ以上動きたくないね。このままこのビルに入っているお店でご飯たべようか。」


そう言って、ビルの案内表示を見ている。

わたしは、大地君と出会う前まで、こういうつきあいと結婚を望んでいたはずだ。恋愛をしないで結婚をする。

高木先生は理想の相手だと思う。

話していて楽しいし、自分を高めることができる人だと思う。条件だっていい。


「最近、僕といて、ときどき考え込んでますね。」

「そう見えますか?」

「何を考えてるの?」


食べるのをやめて、わたしのことをじっと見ている。

この人に見つめられても、どきどきはしない。でも、いやではない。

こういうのは何て言うのだろう?


「先生は今までつきあってきた女の人とどんな理由で別れたんですか?」

先生としては珍しく動揺した。

「そんなこと聞いてどうするの?」

「今後の参考に。」

グラスのお水を飲みました。

「なんとなく」

「それじゃ、答えになりません。」

ため息つかれた。

「どうしても答えなきゃだめ?」

「聞きたいです。」

「一緒にいてもつまらない人ばかりでした。」

「……」

「もともと1人でいるのが好きな人間だから、相手に合わせるのが苦痛でしかなくてね。」

そう言った後に、ナイフでお肉を切って口の中に入れた。

「じゃ…」

「あなたと一緒にいるのは楽しいですよ。」

こちらが言うより先に言われてしまった。

「気を使って言ってます?」

「いいや、本当です。自分でも驚いている。」

驚いた。

「別になにか特別な特技を持っているわけじゃないのに、どうして?」

「どうしてなんだろうね?」

グラスに入った赤ワインをゆっくり飲んだ。

「全然食べないね。おいしいよ。」

わたしはフォークとナイフを持った。わたしが肉を切って口に入れる様子を、先生がそっと見ている。優しい顔をしていた。

「あなたはいつも僕に興味がないじゃない。だから、僕が一生懸命にならないと続かないよね。僕たちは。」

少し酔ったんだろうか。珍しく本音で話してると思う。


「こんなにがんばってるの、初めてなんだけど。」


こういう言葉には少しじんとした。

激しくドキドキするのとは違う。穏やかな優しい気持ちになった。

「でも、それはわたしが逃げているからで」

「うん。」

「逃げるのをやめたら、先生の気持ちは変わるんじゃないですか?」

「どういうこと?」

「とたんにつまらなくなって、興味がなくなる。」

「それはなんともいえない。」

そう言って目を伏せる。

「そうなってみないとわからないよ。」

もう一度黙って、2人で食事をする。


ご飯を食べ終わった後に、いつもみたいに家の近くまで送ってくれる。

おやすみなさいと言って、いつものように帰ろうとしたところを、手をつかまえられた。引っ張られて、抱きしめられた。

お昼に傘さしたときに、当たり前のように肩を抱いて体を寄せ合った。

あの後、先生何も言わなかったけど。やっぱりその余韻が1日中残ってたんだと思う。わたしの体にも残っていた。

顔が近づいてきて、キスされた。軽い簡単なキス。

わたしを抱きしめたままで先生がささやくように言う。

「今度、どこか旅行に行きませんか?」

答えられない。目を合わせたままで何も言えない。

先生はぱっとわたしの体を離した。

「考えておいて。」

そう言って、手を振って、そして、帰っていった。


体を重ねてしまえば、心はついてくるだろうか?

その日、ベッドに寝っ転がって天井を見ながら、ぼんやりとした。


「夫婦ってみんながみんな、恋愛してなるものではないですか?」

タケコさんがきょとんとこちらを見る。

「そんなん、もちろんそうに決まってるじゃない。じゃなきゃ、なんで見合いなんてもんがこの平成の世の中にあるのよ。」

「じゃあ、別にそんな好きじゃなくても結婚して時間が経てば好きになるってこと?」

「なに、それは、あれか?お医者さん。」

返事をしないで、次の言葉を待つ。

「なにがひっかかってるの?」

「……。」

「前に言ってた好きな人?」

タケコさんの顔を思わず見た。

「まだ好きなの?その人とはうまくいかなかったの?」

「遠くに行っちゃったんで。留学みたいなので。」

「いつ帰ってくるの?」

「わかりません。」

窓の外を見る。夏の日差しがきらきらとしている。

「前のわたしだったら、迷わなかったと思うんですよ。気にしたとしても高木先生がわたしに本気かどうかくらいで、自分の気持ちになんて悩むこと、絶対なかったと思うんだけどな。」

「その、先生に恋愛はできないの?」

「時間をかければ大丈夫なのかと思ってたんです。」

「うん。」

「いいところとかも分かってきたし、そんなに適当にわたしのこと考えてるわけでもなさそうだし……。」

「うん。」

「でも、比べちゃうと全然違くって。」

大地君といるとき、好きになろうなんて努力したことなかった。気づくと見ていたくて、いろいろな顔が知りたくて、会いたくて。

そう。大地君にはわたし自分から会いに行ってたじゃない。

「冷静に考えれば絶対に先生のほうがいいと分かってるんですけどね。」

タケコさんはわたしの話を静かに聞いていた。

「どう思います?」

「どうって……」

タケコさんは立ち上がって、棚の陳列の整理をしながらしばらく考え込んでいた。

「ゆっくり考えればいいんじゃないの?」

思わずしかめつらしてしまった。

「なに?だめ?」

「旅行一緒に行こうって言われちゃって……。」

そういうと、ああって言って苦笑いした。

「最初お店に来てから2、3か月くらい経ったっけ?待てなくなっちゃったか。先生。」

ため息ついた。

「どうしよう。」

「旅行はまだいやだって言えばいいじゃない。」

「え?」

「最初が肝心よ。最初いやだと言えないと、きっと最後まで嫌だと言えないで我慢する関係なっちゃうよ。」

「そんな初めてするわけじゃないのに、そんな嫌がるのって、ありですか?」

「すみれちゃん、安いな。高く売れ、自分は。」

「めんどくさいこと言ったら、もう、次いかれちゃいますよ。」

「じゃあ、それでいいじゃない。そこまでの男だったってことだよ。」

じっと見る。年上の女の人。やっぱりいろんな経験した人は違うな。

「ちょっとつきあってみるかと、結婚してずっと一緒にいる人は違う。そのくらい気合入れて選ばないとさ。簡単に、これでいっかで選ぶとね、つけがきっちり返ってくるよ。自分に。」

棚のほこりをところどころ取りながら、のんびりとそう言うこと言って、

「あ、これはね、わたしの実体験よ。」

そう言ってにっこり笑った。タケコさん。


なんとなくまっすぐ家に帰りたくなくて、1人でぶらぶらウィンドーショッピングして、カフェに1人で入って、ぼんやりと窓の外を眺める。

ふいに夕立が振ってくる。どしゃぶり。外を歩いている人が声をあげて、右往左往するのをまるで映画でも見るように眺めた。

先生のこと嫌ではない。

嫌ではないけれど、じゃあ、そういうことになって、結婚とかなって、そのうち子供とか生まれて……。

わくわくしない。それなりに幸せになるような気はする。

これは、あれだ。きっと未来、幸せになったときにわたしは、ああ、あのとき先生を選んでよかったなってしみじみ思う。

今じゃなくて未来にやっと届くわくわくというか、なにかではないの?

そして、また、外を眺める。

自分の未来って、自分で選ぶものなんだな。


わたしは一体どんなふうに生きていきたいんだろう?


お金があって、良識的で優しいご主人がいて、かわいい子供がいて……。

絵に描いたような幸せじゃん。

でもそれって所謂世間一般でいうところの幸せだよね。


わたしの幸せはあれか、誰もが夢見る、コンビニで売られている商品のようにありふれたものと同じ?全国津々浦々でみんなに求められるものと同じ?

相手が高木先生でもいいけれど、コンビニのようなありふれたものではない、高木先生がほしいわたしだけの理由ってないんだろうか?

そう、決定打みたいな。


今、こんな中途半端な状態で先生とそういうことするのは、本来オーダーメイドだったはずの自分を……。

この世界でわたしはたった一人。わたしの望むものも生きていく道も、わたしだけのもの。

それがいつのまにか、誰かに作られていて幸せになる道。大街道みたいなの。

それぞれ違う人間が、本当はそれぞれ違う幸せになる道があるはずなのに、考えるのをやめてみんな同じ道を行く。行こうとする。


本来オーダーメイドだったはずの自分の体を狭い四角い箱に詰め込んで、誰かに運んでもらおうとしている。自分の頭で考えることと自分の足で歩くことをやめて、幸せになるはずのゴールまで運んでもらおうとしている。


わたしの幸せって何だろう?

人はどうしてときどき自分の頭で考えることをやめてしまうんだろうか。

雨が止んだ。わたしはお金を払って外へ出た。


この世の中に言葉があふれている。生き方に迷ったときには参考にできる生き方が右を見ても左を見てもある。

便利で豊かな社会。いちから自分で何かを作ったり、確かめたりする必要がどこにある?コピーアンドペーストで生きていけばいい。わたしの人生は参考にできるたくさんの人のいいとこどりでいけばいいじゃない。

それがお気楽ご気楽に生きていくってことで、要領のいい生き方だ。


でも、そしたら、コピペを繰り返したら、一体それは誰なの?

それはわたしなの?本当にわたしなんだろうか?

コピペですむ人間なんてね、ほんとは交換のきく人間じゃないですか?

いてもいなくても同じ。

結局は最後にオリジナルに憧れるんだ。

自分で歩くのをやめたくせに、人に運んでもらっておいて、最後に自分という存在の耐えられない軽さに恐怖するんです。


「おかえり。」

「ただいま、お母さん。」

「どうしたの?」

「え?なに?」

「なんか深刻な顔しちゃって。珍しい。」

自分を産んだ人というのは、産んだ後にも何かがつながってるんだろうか?勘が鋭い。さっきまで考えていた途方もないことがすっと消えた。

「おなかすいた。」

「なんだ。そんな簡単なことか。」


ご飯を食べて、お風呂に入って、濡れ髪をバスタオルでふきながら、ふと思い立ってパソコン開いた。

期待していたわけではなく、メールを開いた。

でも、今日というタイミングで彼のメールがわたしに届いた。

大地君のメール。

たった一言。


『次会ったときに渡します。大地』


そして、添付写真がついていた。一枚ずつ、三枚。

みざるといわざるときかざる。

「やだ。前より上手になってる。大地君」

独り言がもれて、笑って、その後になんでだろうな。泣いてしまった。


いろいろごちゃごちゃ考えてた日だったからだと思う。


あの日言ったこと、覚えてた。それで、丁寧に三つ時間をかけて、ちゃんと作ってくれたんだ。

わたしが欲しかったのはみざるでもいわざるでもきかざるでもない。

わたしのために彼に何かをしてほしかった。

わたしがほしかったのは彼の想い。


昔は、もっと自分に自信があったんだと思う。自分のしたいこと、なりたい自分、わたしの幸せ、全部すぐに心に浮かんだ。

わたしはわたしの世界の中心だった。

生まれて初めて優しい彼氏ができて、大切にしてくれて、あのとき、生まれてから一番幸せだったと思う。あの時わたしは確かにこの世界の中で特別な存在だった。

でも、幸せにしてくれた人の口から余計なことを言うと人間性を否定されて、わたしの幸せな世界も自分は特別であるという思いも粉々にくだけた。


この世の中に女の人はごまんといて、わたしはたくさんいる女の人のひとり。取るに足らない存在です。なんら特技もない。めちゃくちゃ美人なわけでもない。

でも、誰かの目の中では、心の中では、それでも特別な人になれるかもしれない。もう一度だけ、誰かの特別な人になりたい。その人の世界の中心に。


みんなの特別になる必要なんてない。

誰かひとり、世界で自分を認めてくれる人がいれば、それだけでいい。

それだけでわたしはきっと、幸せになれる。

周りの人がわたしを見て、わたしを羨ましがらなくても。

わたしが幸せかどうかを決めるのはまわりではなくて、わたしなんだから。


わたしは大地君の特別な人になれるだろうか?


「旅行のこと、考えてくれた?」

「あの、先生、そのことなんですけど……。」

先生は、こちらを見た。普通の何でもない顔していた。その顔を見ながら言いづらかった。

「旅行はいけない、です。それと…」

「うん。」

「もう、こういうふうに会うのやめませんか?」

コーヒーカップを持ったままで、先生が固まった。

「というか、すみません。もうできないです。」

うつむいた。先生がかちゃりとカップをソーサーの上に置く音がした。

「突然だね。そんなに嫌がられちゃった?焦っちゃったかな。」

「……」

軽い乾いた笑い声があがる。

「参ったな。ほんとに。まさか負けるなんて思ってなかったからな。」

顔をあげた。あげて先生の顔を見た。ちょっと傷ついた顔をして、でも、笑った顔の先生が見えた。

「負ける?」

「種あかしをするとね、すみれちゃんのお友達にいろいろ聞いてたから。」

「え?」

「僕はね、あなたみたいに純粋でも正々堂々とした人でもないんですよ。」

「はい。」

「むちゃくちゃ臆病なんです。」

そこで、片手で髪をぐしゃぐしゃとした。初めて見た。髪の乱れた様子。いつも身だしなみのきっちりとした人だから、先生。

「あなたがどうして頑ななのかわからなかったから、お友達に聞いたんですよ。なんか、前に気になる人がいて、今海外に行ってしまったって。」

驚いた。先生、大地君のこと知ってたんだ。

「その人は、だって、普通の人なんだよね?別に大富豪とかでもなんでもないわけでしょう?」

「はい。普通の人です。」

先生はため息をついて、椅子の背もたれによっかかった。

「その人は遠くにいて、別にお金持ちでもなんでもなくて、僕は君の近くにいて、お金もそこそこもってる。負けるわけないと思ってたのに。どうして?」

「……」

「聞いても困らせるだけかな……。」

しばらく2人で黙る。

「僕は……」

ふいに先生が話し始めた。

「今までね。別に心からほしいと思う女の人がいなかったんです。それは今まで、たまたまそういう人に出会わなかったからだって思ってた。最近、ふと気づいた。そういえば、女の人だけじゃないなって。生まれてから今まで、僕は心から何かをほしいと思ったことがない。」

そんなに暗い顔をしてたわけじゃなく、怒ってるわけじゃなく、たんたんとしていた。

「それは、生まれたときから僕が比較的裕福な環境で育ったからだろうって思いました。最初は。でもね、ほんとは違うのかなって思ったんですよ。僕は怖かったんです。」

「怖かった?」

「心から欲しいと思う物ができて、そしてそれが手に入らないことが。」

「……。」

「傷つくことが怖かったんです。必ず手に入るものだけに囲まれて、一生生きていく気だったんだ。」

両手で顔を覆った。

「そして、それが空しかった。生きている実感を僕に与えなかったんです。」

出会ってから初めて、素の先生と話している気がした。

「あなたが初めての僕の手に入らなかったものです。」

じっと見つめられた。少しぽっとした。

「光栄です。」

笑われた。さっぱりとした明るい笑顔だった。

「わたし、先生といると自分が成長できる気がしました。先生って今までわたしの周りにいる家族とか友達とかと全然違ってて。今までにない自分を引き出してくれるというか……。」

「うん。」

「そういう相手が好きな女の人って結構いると思うんです。ただ、わたしは……。」

「違ったの?」

「わたしはきっと先生といると、先生のこと尊敬してついてくと思う。でも、そこに引け目があるんです。成長しても追いつける気がしません。」

「彼とはそういう気持ちにならないの?」

「彼と一緒にいるときは、わたしが彼をひっぱりまわしてるんで。」

笑った。

「怒ってるかどうかだけは気にしますけど、後はなにも気にしたことがありません。」

大地君の困った顔とか思い出した。そういえばあの人、わたしと一緒にいてにこにこしてたこと、あまりないじゃん。

先生がふっと笑った。

「すみれちゃんと会って、僕はなにかいろいろ大事なことに気づけた気がするよ。」

それからしばらくさみしそうに笑いながら先生はわたしを見つめた。


お店を出て、店の前で向き合う。

「うまくいくように祈ってますよ。」

「ありがとうございます。」

握手をして別れた。去っていく背中を見ながら、思う。

ああ、桃香ちゃんに何て言おうって。めんどくさいな。報告するの、ちょっと先延ばしにしようかなと。


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