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ディーナリズ・アローの誕生会その3


「デビューおめでとうございます。ディーナリズ嬢、イヴァンカ嬢。」

「「ありがとうございます。」」

「イヴァンカ嬢はお早いデビューですね。」

「妹は優秀ですので。」


今度の挨拶相手はイステスト。

何故イステストなのだろうかと思い、軽食を取りに言った時一時的に合流したセヤに聞いてみた。


 *


「イステストは北が砂漠地帯、南が穀倉地帯である影響で、アロー公爵領との関係が密接なんです。」

「そうなのね。」

「はい。確か同世代のご息女がいらっしゃったはずです。1月ほど前デビューしたと聞いておりますので、今日来ていると思われます。友人になれるといいですね。」

「‥‥‥セヤ」

「はい?」

「友人とはどうやって作るのかしら」

「まず会話を行って、気が合うかどうか確かめては?」

「なるほど」


 *


「わたくしめにも娘がおりまして、丁度ディーナリズ嬢と同い年で。」

「存じております。少し前にデビューなされたとか。」

「はっはっは。ディーナリズ嬢は情報が早いですな。」


快活に笑う少し太った男性。

しかしその体型は優しそうな笑顔を強調し、誰も醜さを覚えないものだ。

男性と女性の違いなのか、わたくしだけが太ったら悪いようにしか見えないのか…?


「お父様」

「おおきたか。紹介します、娘のメトラです。」

「紹介にあずかりました。メトラ・イステストですわ。」

「ディーナリズ・アローと申します。」

「イヴァンカ・アローです。」


現われた女の子への一印象は、珍しいだった。

貴族子女としては稀なショートヘアー。横髪は伸ばしているが後ろ髪は肩にもつかない。

そんなある意味視線を集める存在であり、デビューしたてでありながら、堂々としているその姿は美しかった。


「せっかくの同年代なんですもの。仲良くしてくださいね。」

「もちろんです。これからよろしくお願いいたします。」


まずメリア様はわたくしに微笑みかけた。

初対面の人に対しての反応だと百点満点だ。だってきれいなんだもの。


「イヴァンカさん、少し世代がずれていますが、よろしくお願いしますね。」

「もちろんです。こちらこそ!」


二人の挨拶の様子は、見目が美しいと可愛いなので、傍から見ていたらキラキラ輝いて見えるものだった。神聖とかそういうわけではなく、眩しすぎる訳でもないが。

いうなれば、理想的な初対面の体現、が近いと思う。


「ところでディーナリズ様ご存知でしょうか。近々我が家でパーティーが計画されておりますの。わたしを慣らさせるために近い世代の方々を呼ぶことになっておりまして、よければいらしていただけませんか?」

「まあ、光栄ですわ。」


パーティーの招待を受けた!

これは友達になれるんじゃないかしら?

あ、でもこのパーティーが終わったらようやく本格的に令嬢としての勉強が始まるんだったわ。予定を早めないといけないかしら。


「それでは、今度招待状を送らせていただきますね。」

「ええ。よろしくお願いしますわ。」


初めて会った同世代の同性でも、礼儀を守っていれば仲良くなれる新発見ね。これだけでも得をしたわ。

(※セヤとセフィドは礼儀守ってなくても仲良くなれたけれど、例外扱い)


イステストとの挨拶は、親同士のかかわりが多いからか、大人も子供の仲がいい事がアピールできるものになった。

まだまだパーティーは終わらない



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