家族仲良し大作戦一旦終結!?
「「…仲直り、出来ましたか?」」
静かにドアを開けた二人がそう問いかける。
穏やかな声音は、やはりピクニックの折を思い出させた。
微笑んだまま、ゆっくり部屋に入り?
「執事長はどうしたの?」
「私室に強制送還いたしました。」
「雰囲気を壊す大声で泣き始めそうだったのです。」
感動の仲直りの裏側では、苦労している裏方がいたようだ。
達成感に満ちた表情の隅にかすかに疲れが見える。
「ありがとう、娘お陰で娘と仲直りできた。」
「ええ、本当にありがとう。」
わたくしに抱き着いたままお父様とお母様は礼を言う。
二人は少しとがった雰囲気をまとい、
「反省していると誓えますか?」
「改善すると誓えるのですか?」
やはり厳しい言葉をかける。
お父様とお母様は朗らかに笑う。
それはYesの意思表示に他ならなかった。
「「ならいいです。」」
二人にとっては雇ってくれた恩人なのに、あくまで反抗的に答える二人。
…セフィドの頬がどうしようもなく緩み、セヤが拳骨を落とす。
「ぃったあ!」
思わず悲鳴をもらすセフィド。
そのコントのようなやり取りにわたくしはついつい声をあげて笑う。
つられてお父様とお母様も笑い出す。
その家族の様子を見たセヤが口角を上げ、
セフィドは満面の笑みを浮かべる。
これでまたゲームの設定が一つ壊れ…
「「あとは妹君ですね。」」
…た、というには早かったようだ。




