表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/196

六十八 学生、攻略対象を知る

 ナオミ曰く、『ラブマジ』1での攻略対象は五人。

 シモン・ロマ。ロムルス・イタロス。レムス・イタロス。アーカヴィーヴァ・サマリノ。アブラム。すなわち俺の友人、エイブだ。

 攻略対象の内訳があまりのも身内過ぎて、ナオミから聞かされた時、俺は思わず腹を抱えて笑ってしまった。

 しかも、その四人のどのルートを進んでも、悪役令嬢的立ち位置になるのはエルトリアだというのだから、これまたおかしいことこの上ない。

 エルトリアが悪役としてふるまう姿が、俺には全く想像できなかった。恐らく、自身の婚約者としてあるまじき行動に出たシモンを窘めていたら、最近の悪役令嬢ものの異世界転生小説みたいな感じで悪く言われてしまったのだろう。

 さて、どうやらこの世界は『ラブマジ』とは異なる展開となっているらしい。大きなものを三つ上げると、一つ目として、シモンが魔法学園を飛び級で卒業しないこと。二つ目は、シモンとエルトリアが結婚しないということ。三つ目はエルトリアとエイブが魔法学園に通うこと、のようだ。

 二つ目と三つ目のエイブの魔法学園入学については、俺というイレギュラーの存在の干渉が考えられる。エイブに関して、俺が彼の冒険者になりたいという気持ちの一因になったという可能性がある。また、トマトの魔力供給材が無ければ、結婚式は中止、そのまま婚約が解消された可能性は十分あり得る。三つ目に関しては、二つ目が異なる展開となれば、エルトリアに関して自動的に異なる展開になるだろう。

 つまり一番気になる違いは、一つ目だ。シモンの魔法学園の早期卒業。シモン本人の言い分としては、魔法学園側がシモンの研究を危険視したということであった。しかし、実際はどうであったのだろう。何かここにもイレギュラーな存在の干渉があるのかもしれない。

「というかナオミ、君ヒロインだったのに、誰とも恋人関係になってなくない?」

 ロンのことは一旦置いておいて。

「何て言うか、二次元のキャラとしては好きなんだけど、いざ三次元の人間となったら話は別というか、あくまで創作の話としてなら付き合えたというか」

 なるほど。乙女ゲームのイケメンたちは、現実逃避の手段であって現実の恋愛対象ではないということなのだな。

 さて、『ラブマジ』2の攻略対象六人は以下の通りだ。

 我が王国の第三王子、スコット・デューク・カレドニア・アルビオン。王族は成人時に領地を与えられるので、彼は既に公爵の位にある。いわゆる典型的な俺様らしい。

 次に、エクサゴナル公爵家の次男、マルセイジュ・ガリア。ナンパなキャラであるか彼には、エルゼス・ロートリンゲという婚約者がいる。エルゼスも魔法学園に通っており、レンの忠告にあった絶対に関わってはいけない家の一つだ。

 その理由が、かつてのエルゼスの婚約者であり、攻略対象の一人でもあるドゥイチェ公爵家の長男、ケルン・ゲルマニアの存在がある。ロートリンゲ家に首を突っ込むと、二つの公爵家の愛憎劇に付き合わされる羽目になる、ということなのだ。ケルンは堅物で有名らしく、婚約者が居ながら他の女子たちにちょっかいを掛けるマルセイジュのことを許しがたく思っているのだが、想い人であるが他人の婚約者でもあるエルゼスに対し、生来の堅物や故にどうすることも出来ないのだとか。

 これだけ聞くとケルンに深く同情してしまうが、ナオミ曰くマルセイジュにも重要な裏話が存在しているのだとか。その話は今度ゆっくり聞かせてくれるそうだ。

 四人目の攻略対象は、スルビヤ・バロン・バルカン。レンが関わってはいけないと言っていたバルカン一族の一人だ。兄弟があまりにも多く、亡き父の遺言により死後十年で最も偉大な功績を上げたものに爵位を譲るということになり、魔物狩りなどをしていたら男爵位をもらってしまった男だ。バルカンの一族は皆、何らかの理由で男爵位持つであり、過去には兄弟での殺し合いがあったとも聞く。うん、関わりたくない。

 五人目の攻略最小は、ユークレイン・バロン・クリム。世襲の男爵であり、成人を機に父から爵位を譲られたらしい。本人の望みはわからないが、彼はルーシ公爵家の令嬢に溺愛されており、彼に近付く者は男でも容赦なくルーシ公爵家の圧力を受けるらしい。レンが言っていた関わらない方が良い家の一つだ。

 最後の一人は予想通り、レンが関わるなと言っていたアナトリア伯爵家の長男、イズミル・テュルキイェである。何でこうも地雷原ばかり攻略したがるんだろうね乙女ゲームってやつは。なんか闇が無いと攻略対象としてふさわしくないとか思っているのかな。わからんけど。

「ちなみに、ナオミの推しは?」

「・・・・・・実は、マルセイジュ君なんだ」

 うん。だと思った。

 ナオミのお蔭であらかた予備知識を得た俺が次に調べなくてはならないのは、ヘレナが前世の知識を持った人間であるかどうかであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ