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預言者カサンドラ

トロイアが以前ヘラクレスによって滅ぼされる原因になったのは、現王プリアモスの父ラオメドンが神馬を渡す約束を果たさなかった事に起因している。


このラオメドンと言う王さまは、ヘラクレス以外にも、アポロンとポセイドンの約束も破っている。

そのためアポロンにより疫病が発生され、ポセイドンが海から怪物をはなった。

それにより、テラモンの嫁であるヘーシオネ姫が怪物のエサになりかけたこともあった。


この怪物は、ヘラクレスの活躍により倒され、疫病はアポロンを祭る神殿を造ることによっておさめた。

今では、アポロンがトロイアを加護している。


そのアポロンが、ある日、若い娘を見つけ誘惑した。

その若い娘というのが、プリアモス王の娘カサンドラだ。


カサンドラがアポロンの恋人になるか迷っていると、アポロンが提案する。

アポロン:「もし私の恋人になったら、お前に未来をみる力を与えよう」

カサンドラ:「わあ素敵!わたしあなたの恋人になるわ!」


そう言った瞬間、カサンドラには予言の力が備わった。

カサンドラの頭の中に次々と未来のことが入り込んでくる。

そうして、自分とアポロンの未来が入り込んできた。


アポロンが他に女性をつくり自分が捨てられてしまう未来だ。

カサンドラは、その場に座り込んでシクシクなきはじめた。


アポロン:「どうしたんだカサンドラ」

そういって手を差し伸べるアポロンの手を振り払いカサンドラは、その場を立ち去った。


アポロンは何度かカサンドラの機嫌をとろうとしたが、その度にカサンドラは泣きアポロンを避けた。

アポロンはカサンドラに理由を訪ねたが、カサンドラは答えなかった。

予知の力を与えたにも関わらず、恋人になる約束が果たされないアポロンは怒りだし呪いをかけた。


アポロン:「お前に予知の力を授けたが、お前の言葉を信じる者は誰もいない」

そういうと、アポロンはカサンドラの前から消えた。


こうして、カサンドラは未来を予見できても、その言葉に耳を貸すものはいなくなった。

カサンドラの兄ヘクトルが、トロイアが滅ぶと言ったカサンドラの言葉を信じなかったのも、

このためである。


ヘレネを乗せた船が、トロイアに着く頃、スパルタではヘレネがいないことで大騒ぎになっていた。

ヘレネがトロイアに連れ去られたことがわかるのも時間の問題だろう。


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