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ヘレネの結婚

ヘレネも結婚の時期がきていた。

すでに何人もの求婚者がいたためスパルタ王デュンダレオスは誰にするべきか決めかねていた。

誰を選んだとしても、恨みを買う恐れがあったためだ。


そこに求婚者の一人であるオデュッセウスが提案をする。

オデュッセウス:「では、誰が選ばれても、その男が困難に陥った時は全員で力を合わせ、その男を助ける。という誓いをたてさせてはいかがでしょう?」

スパルタ王:「それは名案だな、そうすれば誰からも恨みを買うことはあるまい。」


スパルタ王は、イタケ王オデュッセウスの提案を採用し、求婚者全員にこの誓いをたてさせた。

スパルタ王:「これで誰を選んでも問題はなくなった、あとは誰を選ぶかだ・・・。」


まず、候補にあがったのはイタケ王オデュッセウスだった。

あれほどの知恵者はなかなかいない。

だが、イタケは小さな島で遠い・・・どうせなら将来有望そうなヤツがいいな。


こうして、ミケナイ王となったアガメムノンの弟メネラオスがヘレネの夫として選ばれた。

メネラオスは兄のアガメムノンと違い、誠実で公平な男だった。

また、武勇もあり、王として申し分なかった。


パリス:「それで、君はメネラオスと結婚することになったのか・・・」

ヘレネ:「そうよ。親が決めた結婚相手、確かにいい人だけど・・・」

パリスとヘレネは見つめあった。


パリスはヘレネの手をつかみ走り出した。

パリス:「行こう」

パリスはトロイアの船に乗り込み、ヘレネを積み荷の中に隠した。


ヘレネ:「これで和平交渉は決裂ね」

パリス:「君が望んだことだろう」

ヘレネ:「私、こういうワクワクするのが好きなのよ」


パリスは、これはまいったなと、頭をかいた。


船が、スパルタを出向してしばらくした頃、パリスが兄ヘクトルにヘレネを連れ出したことを告げた。

ヘクトル:「なんだって!」

パリス:「僕は、この人と結婚するんだ」

パリスは自信をもってヘレネを紹介した。


ヘクトル:「お前、自分が何しにスパルタへ行き、何をしたかわかってるのか?和平交渉に行って、相手の女王をさらってるんだぞ!」

パリス:「和平交渉決裂でいいではありませんか!このままスパルタと戦いましょう!」

女神アフロディーテの力か、パリスは自分の意思を曲げる気は毛頭なかった。


ヘレネ:「楽しそう!」

ヘクトル:「こいつら・・・」


ヘクトルは、ふと思い出した妹のカサンドラが、トロイアが滅ぶと言っていたことを。

ヘクトル:「まさかな・・・トロイアは強固な城壁をもっている滅ぶわけなどない」


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