表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/40

パリスとヘレネ

パリスは成人し美しい青年になっていた。

パリスと兄のヘクトルは、父でトロイア王のプリアモスの代理として、

長く続いたスパルタとの和平交渉に赴いていた。


スパルタ王メネラオスは、勇敢で公正な戦士で、

多くの求婚者の中から、絶世の美女ヘレネを勝ち取った男でした。


女王ヘレネがお忍びで町を散策していたとき、偶然パリスと出会い、

女神アフロディーテの導きにより、二人は引かれ合い恋に落ちてしまいます。


二人が一夜を過ごしたあと、パリスが呟いた。

パリス:「もっとも美しい女性を与えるか・・・」

アフロディーテがパリスに約束した言葉だった。

挿絵(By みてみん)


ヘレネ:「えっ?」

パリス:「ううん、なんでもない」


ヘレネ:「わたし、もう戻らないと・・・」

ヘレネは夫であるスパルタ王のもとへ帰っていく。

挿絵(By みてみん)


こうした日々を何日繰り返しただろう。

パリスがトロイアの地へ戻る日が近づいてくる。


最後の夜、別れを惜しむパリスを前に、ヘレネが昔話をはじめる。

ヘレネ:「わたし、昔さらわれたことがあるの、まだ15才くらいのころよ」

パリス:「なんだって!」

心配するパリスにヘレネが言った。

ヘレネ:「大丈夫よ何もなかったわ」

ほっとした顔をするパリス。

挿絵(By みてみん)


ヘレネ:「その人ね・・・わたしをさらった人、お城に潜り込んで見事にわたしをさらって見せたわ」

上目使いのヘレネは、パリスを試そうとしているようだった。

パリス:「僕にもさらってほしいと・・・」


戸惑うパリスは続けて言った。

パリス:「でも、君がここにいるって事は、その人は失敗したんだろ」

ヘレネ:「そ、そうね・・・兄たちが取り戻してくれたわ」

挿絵(By みてみん)


パリス:「で、その人はどうなったの?殺されたの?」

ヘレネは首を振って、少し笑って答えた。

ヘレネ:「ううん、その人は今、アテナイの王をしているわ」


パリス:「ア、アテナイの王って・・・・テセウス?」


テセウスは、かつてヘラクレスと一緒にミノタウロスを倒したアテナイの英雄だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ