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プリアモス王

アキレスはかがり火を見つめながら、パトロクロスと今日戦ったヘクトルの事を思い出していた。

アキレス:「2人とも立派な戦士だった・・・なぜ俺はあいつを馬で引きずり回してしまったのか」

アキレスはヘクトルの遺体に目をやった。


不思議なことに、馬で引きずり回されたヘクトルの体はきれいなままだった。


老人:「アポロン神の加護のお陰でしょう」

フードをかぶった老人はアキレスの心を見透かしたように話した。


アキレス:「あなたは・・・」

老人は、口元を震わせながら涙を流した。

アキレス:「・・・プリアモス王」


プリアモス王はアキレスの前に膝まづき懇願した。

プリアモス王:「アキレス殿、どうか私の息子ヘクトルの遺体を返してもらえぬだろうか」


アキレス:「どうやってここへ・・・いや、この事が皆に知れたら・・・」

プリアモス王:「息子ヘクトルは次期王にふさわしい立派な男だった。どうか葬儀をさせてほしい」


年老いたプリアモス王が敵陣の中へはいってくるとは、

このヘクトルという人物がどれだけ愛されていたかアキレスにもわかった。


プリアモス王は、アキレスの手を握り、アキレスの手に口づけをした。

プリアモス王:「頼む・・・」

老人の目からは涙がこぼれていた。


アキレスは、ヘクトルの遺体にかけられていた縄をほどき、

護衛をつけてプリアモス王とヘクトルの遺体をトロイア城まで運ばせた。


アキレス:「立派な王だったな・・・」


天界では、ヘラがこの様子を見ていた。

ヘラ:「あら、つまらない。私のネクタルの力も落ちたものね。」

アキレスの蛮行は、ヘラのネクタルによるものだった。

イリス:「もっと、面白いことが起こると期待されていたのですか?」

ヘラ:「当然よ!」

ヘラは混乱をもたらす自分のネクタルの力に不満そうだ。


ゼウス:「不満か?」

ヘラ:「あら、あなた」

ゼウス:「気がついたか?」

ヘラ:「???」


ゼウス:「我々、神の力が弱くなっているのだよ」

ヘラ:「なんですって!」


イリスも開けた口を手で覆っていた。

ヘラ:「なぜ、そんなことが!」


ゼウスは首を横にふって笑って見せた。


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