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アポロンの怒り

アガメムノンはパリス(アレス)に勝利したディオメデスに大喜びをした。

アガメムノン:「ディオメデス殿!よくやった!」

ディオメデス:「お役に立てて光栄です」

推薦したオデュッセウスも満足そうだった。


だが、副将で弟のメラネオスと、アイアスの負傷は大きかった。


アガメムノンはトロイア軍に向かって叫んだ!

アガメムノン:「一騎討ちだと言ったのに汚いまねしやがって!」


ヘクトル:「なんのことだ!パリス一人に3人も掛かってきたのはお前らだぞ!」

パリスの中に軍神アレスが入っていたなど証明しようもなかった。


アガメムノン:「うるさい!、この女はこうしてやる!」

アガメムノンは、巫女クリュセイスの髪をつかみ顔をあげさせ喉を切り裂いた。


トロイア陣営から悲鳴があがる


神官ラオコオン:「なんてことを!!!」

娘の喉を目の前で切り裂かれたラオコオンは叫んだ


アガメムノンは、巫女クリュセイスの遺体を投げ捨て陣を引き払った。


ヘクトル:「あのやろう!」

ヘクトルは兵と共に出陣し、クリュセイスの遺体を回収。

ヘクトル:「俺がヤツを挑発したばっかりに・・・すまない」


トロイアで巫女クリュセイスは火葬され、パリスの治療が行われた。

神官ラオコオンはアポロンに問いを投げ掛けていた。

ラオコオン:「あなたに仕える巫女クリュセイスは無惨に殺されました。こんなことが許されるのでしょうか?」


アポロン:「わたしに仕える巫女が、あんな殺され方をするとは断じて許される訳がない」

天界でアポロンはラオコオンの問いに答えた。


アポロンは、一本の銀の矢を取り出すと、ギリシャ陣営の空へ放った。

矢は空中で無数の光になり、ギリシャ陣営に落ちていった。


その夜


ギリシャ陣営に、疫病が発生する。

多くの者が高熱をだし動けなくなる。体力の無いものは命を落とすものもいた。


アガメムノン:「どうなってるんだ、いったい」

オデュッセウス:「わかりません、ゴホッ」

アガメムノン:「オデュッセウスお前もか!」

オデュッセウス:「申し訳ございません」

アガメムノンとオデュッセウスの会話に、パリス(アレス)戦で活躍しディオメデスが入ってくる。


ディオメデス:「アガメムノン様、お話が・・・」

アガメムノン:「なんだ、話してみろ」

ディオメデス:「この疫病には、原因があります」

オデュッセウス:「やめないか」オデュッセウスはディオメデスの話を遮る。

アガメムノン:「かまわん、続けろ原因はなんなんだ」


ディオメデス:「大変、言いにくいのですが・・・原因はアポロンの巫女を殺したことにあります」

アガメムノン:「なんだと、ワシのせいだというのか!」

アガメムノンは自分のせいだと言われご立腹だった。


アガメムノン:「ワシのせいだというのなら、なぜワシはピンピンしとるんだ?」

ディオメデス:「アガメムノン様は、十分に栄養をとり疫病をはねのける体力がおありなのです」

アガメムノン:「なんだ、ワシが怠けとるとでもいうのか」

オデュッセウス:「いいえ、ディオメデスは、アガメムノン様には神の加護があると言いたいのです」

オデュッデウスの機転でディオメデスは救われ、アガメムノンも機嫌を取り直した。

ディオメデスはオデュッセウスにアイコンタクトで感謝の気持ちを伝えた。


アガメムノン:「で、どうすればいいと言うのだ?」

ディオメデス:「もう一人の巫女を解放し、トロイア側へ返せば、アポロンの怒りも収まるかと・・・」


アガメムノン:「もう一人の巫女といえば、アキレスの獲物だぞ」


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