アポロンの弓
アポロン神殿についたパリスに巫女クリュセイスが説明する。
クリュセイス:「あそこにあるのがアポロンの弓です」
神殿のなかにはアポロン像が立ち、その隣に弓が飾られていた。
パリス:「本物なのか?」
クリュセイス:「残念ながら、本物ではありません。ですが神殿に祭られていたもの加護があるかと」
クリュセイスはもう一人の巫女ブリセイスに指示して、アポロンの弓を取ってこさせた。
ブリセイス:「これがアポロンの弓です」
ブリセイスがパリスに弓を渡すと、パリスはじっくり弓を見て弦を引いてみた。
祭壇に祭られてはいたが、しっかり出来ており、それほど力の強くないパリスでも弦を引けた。
パリス:「なんだか当たりそうな気がする」
パリスは微笑んで、ブリセイスの顔をみた。
ブリセイス:「矢はこちらにあります」
ブリセイスが矢筒を差し出すと、パリスは急いで神殿の外に出た。
外では、相変わらずアキレスの部隊に手こずっているトロイア軍
パリスは神殿の陰からアキレスに狙いを定めて、矢を放った。
アキレスに向かって矢が飛んでいく矢
しかし、アキレスは、矢に当たることなく、逆にアキレスに気づかれてしまう。
アキレス:「あんなところから俺を狙っている奴がいるのか」
アキレスは、ミュルミドンの盾に守られながら、神殿へとやってくる。
パリスは何度も矢を射るが、ミュルミドン達の盾で凪ぎ払われてしまう。
クリュセイス:「パリス様、無理です。下がりましょう」
クリュセイスに止められながらも、なんとか当てようと矢を射るパリス。
アキレスはどんどんアポロン神殿へ近づいてくる。
パリス:「クッソ!」
パリスは矢を地面に叩きつけ、神殿の中へ入っていく。
弓を捨てたパリスを見てアキレスが走ってパリス追いかける。
巫女のブリセイスは地面に叩きつけられた弓を拾って神殿の中へ
俊足のアキレスは、たちまちブリセイスを捕まえ、ミュルミドン達へ渡す。
パリスは振り返り、捕まえられたブリセイスを見るが、相手がアキレスではどうすることもできない。
パリス:(すまん、おれは羊飼いなんだ)
パリスは目をつむり神殿の奥へ駆け出した。
クリュセイス:「パリス様、早くこちらへ」
クリュセイスは城へ続く神殿の裏口から、パリスを逃がそうとする。
パリスが裏口へたどり着き、クリュセイスと神殿を出たとき、
すでに、裏口はミュルミドンたちにより、囲まれていた。




