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ギリシャVSトロイア

ヘレネを奪われたスパルタ王メネラオスは怒り心頭だった。

メネラオス:「どうしてヘレネはいなくなったんだ!」

侍女:「・・・パリス様とトロイアへ行くと・・・」

迫り来るメネラオスの剣幕に、ヘレネの侍女が答えた。


メネラオス:「そんなことはわかってる!俺の何に不満があったんだ!」

机に拳を叩きつけるメネラオス、だがそんな事をしても何の解決にもならない事もわかっていた。

王としてやらなければならないことは、ただ一つヘレネをトロイアから奪い返すことだ。


メネラオスはギロリとトロイアの方角を睨み付けた。


しかしトロイアの地は遠く、固い城壁で守られたトロイアを落とすのは並大抵のことではない。

メネラオスは兄であるミケナイ王アガメムノンに力を借りることにした。



アガメムノン:「通常、城攻めには3倍の兵力がいる。遠いトロイアへ遠征し、あの固い城壁を破るとなると・・・」

メネラオス:「だからこそ兄上の力が必要なのです」

アガメムノン:「うーん」

アガメムノンがどう考えても、スパルタとミケナイだけの兵力では、トロイアに勝てる気がしなかった。

そこで、アガメムノンはある事を思い出す。

アガメムノン:「確かヘレネと結婚するとき、求婚者同士で誓いをたてたな」

メネラオス:「ああ、選ばれた男に困難が起これば皆で力を合わせ、その男を助けると・・あっ」

アガメムノン:「その困難が、今なのではないのか?」


こうして、かつてヘレネに求婚した男たちが、全ギリシャから集まった。

その中には、イタケの王オデュッデウスの姿もあった。

オデュッセウス:「確かにこれだけの兵士がいれば、トロイアに対抗できます。ですが肝心な人物がいません」

アガメムノン:「テッサリアのアキレスか?」

オデュッセウス:「はい」

アガメムノン:「あれは、我々の言うことを聞くような人間ではないぞ」

オデュッセウス:「ですが、アキレスなしでは、この戦いかなり苦しくなると思います」


アキレスは、不死身と噂されるほどの猛者で、数々の武勇を残している。

だが、他人の命令に従うような人間ではなかった。


メネラオス:「兄上、これはギリシャ全土の面子がかかっています。アキレスに力を借りましょう。」

確かに、スパルタの女王がトロイアに取られたとあっては、ギリシャ全体の恥だった。


トロイアはアジアの入口にあたり、現在のトルコで西洋と東洋の境目とされている。

今でもギリシャの仮想敵国はトルコであり、トルコにとっても仮想敵国はギリシャである。


こうして、アキレスのもとに使者が送られる


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