プロローグ
この物語は、転生したらヘラクレスだった件の続編になります。
ヘラクレスがこの世を去って数十年、地上には新たな英雄が誕生していた。
テッサリアのアキレスである。
アキレスは、ヘラクレスと共に戦ったペレウス(テラモンの弟)と海の女神テティス(ティターン族)との間に生まれた子だった。
アキレスが生まれる20年前
ヘラクレス:「今日は、俺の人間界の友人、ペレウスの結婚式にきてくれてありがとう」
ペレウスとテティスの結婚式には、ヘラクレスの友人ということもあって多くの神々と王族たちが集まっていた。
テラモン:「ヘラクレスの旦那!あっしは旦那が死んだと聞いて、そんなことはあるわけがないと思ってたんですよ。やっぱり生きてたんですね」酔ったテラモンがヘラクレスに絡みながら泣きじゃくる。
ヘラクレス:「俺も色々あったんだが、まぁ今は神の一員として生きることになった」ヘラクレスは手のひらを上に向け方をすくめながら答えた。
泣きじゃくるテラモンの後ろに、綺麗な女性がヘラクレスに何かをいいたげにしている。
どこかで会った顔だ。
女性がテラモンを突っつくと、テラモンが女性を紹介した。
テラモン:「俺の嫁さんのヘーシオネ姫だ」
ヘラクレス:「どうりで、どっかであった顔だと思った。相変わらず綺麗だな」
テラモン:「だろ!俺の嫁」テラモンは自慢げだ。
ヘーシオネ:「ヘラクレス様にお願いがあります」
ヘラクレスは驚いた顔をした。「俺にどんな願いがあるんだ?」
ヘーシオネ:「弟のプリアモスを解放してください」
ヘラクレス:「プリアモス?」
ヘラクレスはよく思い出せないらしく、過去を思い出そうとしていた。
テラモン:「旦那が神馬をもらえなかったからといって、トロイアに攻め込んだでしょう」
ヘラクレス:「ああ、あの時ね。あの時、捕虜になったヘーシオネ姫とお前が結婚したんだったな」
ヘーシオネ:「ですが、弟のプリアモスはまだ解放されていません。このままではトロイアは王族がいなく混乱が続いてしまいます。どうか弟を解放してください」
ヘラクレスは、ヘーシオネに懇願され、プリアモスを解放し、あとはテラモンに任せる事にした。
プリアモスは解放され、無事にトロイア王として、トロイアの地を治めることになった。
結婚式が佳境に入った頃、会場に黄金のリンゴが投げ込まれた。
リンゴには、「もっとも美しい女神へ」と書かれていた。
この結婚式に招待されなかった不和の女神エリスが投げ込んだものだ。
このふざけたリンゴをきっかけに、神々を二分する大戦争が起こることになる。
このリンゴに反応したのは、ゼウスの正妻ヘラ、そして戦いの女神アテナ、美の女神アフロディーテだった。
3人の女神は一歩もゆずらず、みな自分が一番美しいと主張しはじめた。
ヘラクレス:「おいおい、いい加減にしてくれ、こんなリンゴ1つで喧嘩しないでくれ」
ヘラ:「婿どのは黙っててください、これは重要な問題なのです」
ヘラクレスは天界でヘラの娘ヘベと結婚していた。
アテナ:「ヘラクレス、私はお前の守護神だ。お前にとやかく言われる覚えはない」
ヘラクレス:「女神アテナが、リンゴ1つで大人げないだろ」
アテナ:「だまりなさい」
アフロディーテ:「美の女神は、私ですから当然私です。」
ヘラクレスはアフロディーテの美しさに、生唾を飲み込むのが精一杯だった。
ここで、ゼウスが3女神に提案する。
ゼウス:「だれが一番美しいか、我々では決められない。そこで人間の男に決めてもらおう」
ゼウスが指定した人間は、パリスという羊飼いの少年だった。
結婚式の会場に、地上の羊飼いパリスの姿が写し出される。
その姿に、ヘーシオネ姫がつぶやいた「アレクサンドロス・・・」
テラモン:「どうしたんだ?」
ヘーシオネ:「あの少年は、私の甥アレクサンドロスにそっくり」
テラモン:「そんなことはないだろ、ゼウスがパリスって言ってるんだぜ」
ヘーシオネ:「プリアモスに知らせないと」そういうと、ヘーシオネは会場を後にした。
テラモン:「おい、まだ式は終わってないぜ!」テラモンもヘーシオネを追う。
ヘラクレス:「なんてこった、結婚式がむちゃくちゃだ」
ペレウス:「私たちも、そろそろ引き上げます」主役のペレウスとテティスも会場をあとにした。
ヘラクレス:「今度は内輪だけで、ささやかに祝ってやるからな!」
ペレウスは遠くで手を振って叫んだ「ありがとう」