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新月熊捜索会議

「それでは第5回、新月熊捜索会議を始めます」


 この川に拠点を作って早5日、毎晩やっている新月熊の進展について話し合っている。

 ちなみに話し合っているのは俺とマダス、ドラバカに野良猫だけだ。

 それぞれのパートナーはボードゲームで遊んでいる。


「今日まで結構色んな魔物が住んでいる事は確認できているが……肝心な新月熊が見つからない。これに対して意見を求める」

「はい」

「ドラバカ」

「これまでの捜索に関してだけど、西側には居ないと思う。桑の実がなってる木も少ないし、何より猪とか他の動物達が多いから別な所に住んでると思う。見つかってる足跡や糞も熊の物ではないし」


 その意見に俺達は頷く。


「それは感じてた。むしろあの山にはイノシシが多いんじゃないか?木の根や崖の下に出来ていた窪み、猪の寝床と考えるのが妥当だと思う」

「確かに。猪そのものも何度か見かけたからな、結構デカい群れだったぞ」

「猪は群れを作るものだけど、あの規模となると熊もそう簡単に縄張りを奪えるとも思えない。熊は群れないから難しいだろうし」

「では明日からの捜索では西の山は捜索外とする。問題ないな?」


 俺が改めて聞くとマダスとドラバカは頷いた。

 なので地図に西の山に大きなバツ印を付ける。

 そして野良猫が聞いて来る。


「ところで東の山の七合目辺りから先が調査されてないのは何で?」

「ルビーが言うにはこの先は仙人の縄張りらしい。余計な事して調査の邪魔はされたくないし、と言うか俺達が縄張りに入った場合、俺達の方が喧嘩売るのと同じような感じだろうからな。できるだけ危険なとこを突きたくない」

「それじゃ仕方ないか。と言うかマスターやマダスってそう言うので失敗した事あるの?」


 それを言われて俺とマダスは苦笑いをした。当然そういう経験はある。

 とある猿の魔物を追っている間に別な猿の群れとの戦いに巻き込まれてしまった事や、追っている魔物が途中でカバみたいな魔物に襲われていて呆然と見る事しか出来なかったとか色々ある。


「まぁそれなりにな。追っている魔物が縄張りを荒らしに来た連中と喧嘩したり、この間のブラッティーホーンみたいに移動するタイプの魔物を追っている間に危険な魔物の縄張りに入ってた。って事はしょっちゅうだった」

「何度か死にかけた気がするからな。そん時はひたすら逃げたり、逃げて……逃げてばっかりだったな」

「戦いようがないもんな」


 2人顔を合わせて大きく笑う。いや~何度も死にかけた!


「それに縄張りと知ってて侵入すれば完全に敵対行動だから。さらに仙人となればさらにヤバいだろ」

「確かにマスターの言う通り。本命は新月熊なのだから余計な物に襲われる様なリスクは避けたいわね。所で仙人が居るのはここだけ?」

「ルビーが言うにはな。ただこの辺のドラゴンの縄張りにクマが住み着いたって話は聞いてないらしいから、ドラゴンの縄張りには居ないかも知れない。仙人の所は聞いてないらしいけどな」

「……意外と範囲は狭いのね。なら今度はもっと広い所を探さない?」

「具体的には?」

「あの村が合った所の向こう側にあるさらに東の森。あの辺の山はとても広いし、あのすれ違った時の人達はあの山を目指して歩いてた。ならあの山を調査した方がいいんじゃないかしら?」


 なるほど。言いたい事は分かる。

 確かに村に立ち寄った際、銃を持った男達が居た山に新月熊が居る可能性は低くない。

 あれが討伐するための物だったのか、そうではなかったのかは調べない限りどうしようもないが大きな獲物がいると考えていいと思う。

 となると別な問題が発生するんだけどな。


「ならとりあえず村の人間と出くわさない様にしないとな」

「ここに居る私が言うのも何だけど、何で出くわさない様にするの?会ったら情報交換でも何でもすればいいじゃない」

「人間同士が絡むとそれはそれで面倒な事が起こるもんなんだよ。詳しい事言うと胸糞悪くなるから言わないけど」

「そ、そう。それじゃ聞かないでおく」


 時に魔物より人間の方が恐ろしいと言うだけの話だ。


「となると……明日はどっちだっけ?」

「私」

「ドラバカか。となると……キュイには風の魔法を使って索敵中心で頼む。人がいるし、いつ新月熊が現れるかも分からないからな」

「分かった、警戒しておく。でも戦闘面に力を注がなくていいの?」

「その辺はルビーに任せる方が安全だろう。仮に新月熊が満月熊の成長した姿とした場合成熟してるのは目に見えてるからな、キュイよりもルビーの方が俺達も安全だ」

「それは……そうね。ルビーの方が強いか」

「ま、最近は俺達と一緒に居て平和ボケしてないか心配だけど」


 隣の部屋からルビーの叫びが聞こえる。

 おそらく何らかの形で負けたか何かしたのだろう。ドラゴンの本能なのか負けず嫌いな節がある。言い方を変えると勝つまで勝負を続ける。そしてわざと負けるともっと怒る。

 なので勝負ごとに関しては全員普通にやっている。

 トランプとか今のボードゲームなどは。


「それじゃ相談は終わり。そろそろ寝るか」

「そうだな」

「そうね」

「みんなにも言わないと」


 こうして第5回会議を終え、明日は別な山を調べる事にした。

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