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ある日の離婚裁判記録

作者: はなはな

実際の裁判知識も昔の知識もないので、架空の世界設定ですが、昔ほんとに女王様が裁判してたって話を聞いたので。

王国歴534年 9月5日

訴人:アンナ・クリス

訴訟内容:夫マーク・クリスとの離婚請求

訴訟理由:(以下妻アンナの供述)


 あれは今年の8月2日のことでした。

 私はいつものように、台所で夕飯の支度をしていました。その時、不意に「アレ」が現れたんです。

 そう、「アレ」、高速で床を這い回り、時に空中アタックを仕掛けてくる黒くて嫌らしい「ア『ゴキブリですね(弁護人)』ちょっと! 気持ち悪いから言わないでよ!

 ……ともかく、それで悲鳴を上げて、リビングにいたマークに助けを求めたんです。

 そしたらこの男(と言って夫マークを憎々しげに指差す)、駆け付けたと思ったら「アレ」を見て自分も悲鳴を上げて、

『うわっ、ゴキ!? むりむりむりむり、俺そいつだけは無理っ! アンナ、何とかして!』

ってよりにもよって私を盾にして逃げてったんですよ!?

 それで逆に私も冷静になっちゃって、マークのスリッパひっぺがして退治しようとしたら、この人悪びれもせずに

『あ、可哀想だし殺さないで外に追い出しなよ?』

 なんて抜かしましてね、その瞬間悟ったんです。

 あ、この男の存在意義がない。って。


判決:訴人の訴えを認め、夫マークは妻アンナに無条件で離婚に応じること

※尚、当裁判の担当判事は大多数が訴えの棄却に挙手したが、臨席された王妃様が、凍てつくような目で隣でプルプル震えている国王陛下を睨み付けながら強硬に離婚を推した為に、周囲の女性傍聴者の圧倒的な支持を受けつつ異例の判決となった。

尚聞いた話の裁判内容はR15で、判決後色んな意味で場が騒然としたそうです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あらゆる独断が許される立場の者が判決を下すということはこの上なく理不尽であることが伝わってきます。 [気になる点] あとがきにある、聞いた話というのは、どのような史実なのかが気になりました…
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