表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/44

幽霊一人増えました

今、目の前にきれいな幽霊がいた。



「お願いします。手伝わせてください!」



そう言って、土下座をして…って!


「あの、何してるんですか?!」


何なんだこの人。

あの子の知り合いか?


「わたくし、一条あずさと申します」


「はあ~」


ずいぶんと丁寧にあいさつをしてきた。

あずささんは、黒い着物をきていて、黒く長い髪の毛を、後ろで巻いていた。

そして何よりもスタイルがいい。

そんな人が僕に何の用だ?

とりあえず僕もしといたほうがいいか。


「えっと、僕は」


「水谷久弥さん、ですよね」


「…………」


なんで知ってるの?


「先程の会話を聞いておりましたので」


えっ。

心読まれた?


「それで、僕に何の用で?さっきの会話ってあの子の?」


「はい、実はわたくしも幽霊なのですが」


なんか急にいろいろ話し出した。

とりあえず聞いておこう。


「以前、あの子の屋敷の前を通ったんですが」


「はー」


「たまたま、屋敷の窓のところにあの子が見えまして」


「ほー」


「で、あの子が、あまりに可愛く」


「へっ?」


急に顔を染めたんだが、大丈夫かこの人。


「それで話しかけようと屋敷に入ろうとしたんです!、でも」


「でも?」


「あの子、入れてくれないんです!入ろうとしても追い出すんです!」


半泣きになって訴えてくる。

顔が近い。年頃の童貞男子には刺激が強い。

いや相手は幽霊なんだけどね。


「追い出すって、あいつずっと一人だったって」


「あの屋敷は、あの子の支配下なんで中であればどこも操作可能です」


「えっ……あっ!」


そういえばあの時、勝手に足動いたよな。

あれはあいつがやったのか。

だから友達になりたいってことだったのか。


「何度もあの屋敷に行きました。でも一回も入れてくれないんです!」


「あそこに入ってあいつをどうしたいんです?」


「愛でたいんです!」


即答だった。

あっ、この人、危ない人だ。

人じゃないんだけど。


「毎日行っては追い出されてたんです……なのに」


「えっ」


何だろう。

危ない視線を感じる。

危ないっていうか、怒りの混じった。


「なんで、その日に初めて来た、何も知らない人間がすんなり入れたんですかね~?」


笑顔で聞いてくるが、目が笑ってない。


すると、あずささんが目の前から消えた。

と、思ったら首に何かが巻き付く。


「いたいいたい、あずささん、死ぬーーー!!」


あずささんは、僕の後ろに回り、腕で僕の首を絞めつけている。


「しかも、あなたが出てきたと思ったら、あの子が後から追っていくではありませんか。

 あの子が屋敷を出るなんて初めてですよ?終いには友達ですか?!」


どんどん力が強まっているが、あえて抵抗しない。

別に、あずささんの大きなアレが僕の背中に当たって。

それをもう少し堪能したいとかそういうわけでは決してない。


やがて、惜しみつつ腕から解放され、先程の頼みを聞く。


「それで、僕があいつの記憶を一緒に戻すことを知って、それにあずささんも参加したいと?」


「はい、つまりはそういうことです」


「まーそこはあいつにも相談しなきゃなんで」


しばらく考える。


「明日、一緒にあいつの屋敷に行って聞いてみましょう」


「よ、よろしいのですか?」


「あいつがOKしたらですけど」


「ありがとうございます!!」


そういって僕に抱き着いてきた。




ってことで、また一人幽霊が参加した感じになった。


………なんかとんでもない一日だった。


そう思い、いまだかつてない疲れの中、静かに眠りについた。





なんか、ホラーからどんどん、遠ざかっている気が・・・・



感想、アドバイスなどありましたらお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ