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記憶を戻すそうです

幽霊と友達になった。


「でも友達になるって具体的に何をするの?」


ふと思った事を聞いてみた。

彼女が質問を返す。


「私の、記憶を、戻す」


「戻す?戻せるのか?」


「戻せない、から」


「から?」


「手伝って、ほしい」


そう、恥ずかし気に言ってきた。


たぶん、恥ずかしがりやなんだろう。

でも、記憶を戻す、か。

どうやって?


「記憶が直れば成仏できるってことか?」


うんとうなずいた。


「戻すって、心当たりはあるの?」


「………な、ない」


「なるほど何も手がかりがないのか」


「うっ………」


若干、泣きそうな顔で下を向く。


「あー大丈夫、手伝うよ」


すると、はっと顔をあげ。


「ほ、本当に……ありがとう」


笑顔で言ってきた。

でも、むずかしいな。

手がかりないし、なにかいい案ないかな?


しばし、考え込む。


「ねー、最初幽霊になったときってあの屋敷に、いたの?」


「うん」


「じゃあそこに何かあるかもしれない、まずはそこからだね」


「うん、よろしく」


すると、ポケットのスマホがなる。

時刻は、8時を過ぎていた。


「やばい、もうこんな時間、じゃあ明日また屋敷に行くから」


「うん、また、明日」


そして、家に向かって走り出したところでもう一度後ろを向く。

彼女はもういなかった。


…………はあぁ


溜息をつき再び走り出す。


まじですか、ついさっきまで幽霊なんて信じてなかったんですけど。

それがどうして、友達になり一緒に記憶戻すとかなってんの?


あっけにとられてがっくりしながら帰宅した。








……………やったーー。

はじめて、友達できたよー。

いや、幽霊に友達とかないんだろうけど。


屋敷に帰る途中、先程のことを思い出す。

友達になりたくて、追いかけて、思い切って頼んでみた。

そうしたらなんと、いいよ、と言ってくれた。


一緒に記憶を戻してくれるかー、ふふふ。


笑みがこぼれた。


でも、本当に何も覚えていないんだよね。

私、どうして死んだんだろう?

なんで、幽霊になったときに泣いてたんだろう?


疑問がどんどん浮かぶ。


まーでも、まだこの世にいるってことはなにか未練があるんだよね。

…名前、か…どんな名前なのかな? 私。


瞬間、なぜか胸が苦しくなった。


そして、私は泣いていた。


水谷久弥……か。

彼なら、私を助けてくれるのかな?

他の人みたいに、逃げたりしないかな?


しばらく、黙り込む。


…だ、大丈夫。

彼、一回逃げたけど、私のこと話したら納得してくれたし。


よし、私の記憶戻して成仏しよう!!


決心して屋敷に帰った。








いやいやまて、今度はなんだ?。



僕の家、そこの僕の部屋にて。

今、僕の部屋の真ん中に、




「お願いします、あの子の記憶を戻すのを私にも手伝わせてください」




黒い着物を着た、きれいなおねいさん幽霊がいた。

感想、アドバイスなどありましたらお願いします。

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