笑いかける
幽霊になり、初めて外へ出た。
いつでも出れると思っていたけど、なぜか屋敷の外へは出たくなかった。
しかし、少年を探しに思い切って屋敷を出た。
あの人どこにいったかな?
外へ出ることに、緊張して何分かロスしてしまい、少年を見失ってしまった。
幸い、幽霊だけあって空を飛べた。
どこかなー?
屋敷を出て空からみるが、夜だけあって暗くてあまり見えない。
街頭の明かりを頼りに、道路上空で少年を探す。
しばらく探すと、少し狭い路地のところで少年を見つけた。
あっ、いた。
………でも急に話しかけたらまた逃げちゃうかな?
少年が歩いている道の少し先の電柱の上に立つ。
しばし考える。
どう話しかけよう?
後ろから?
いやいや、一様私、幽霊だしさすがに、逃げちゃうか。
でもじゃあどうやって?
ん~~~。
悩みに、悩んでいると少年が立ち止まった。
そして、上を見る。
電柱の上に立った私と目が、あった。
えっ、気づいた?!
どうしよー。
悩んでいると、
「き、君はだれだっ?」
なんと、少年の方から声をかけてきた。
わっ! な、名前聞かれた。
でも、私自分の名前わからないし。
仕方ないのでなんとなく、笑いかけた。
「あそこに住んでるのか?」
さらに少年が聞いてくる。
あそこ? ……あ~屋敷のことかな。
はい、あそこに住んでます。
そう心で答え、私は、頷く。
「いつから住んでる?」
さらに聞いてくる。
いつから?
いつからだっけ?
幽霊になる前からかもしれない。
そもそも、幽霊になってから何年住んでるかも覚えてないや。
返答がないと、今度は少し困ったように少年が、聞いてくる。
「両親はいないのか?」
ん~。両親……か、生きてた頃にはいたのかな?
「部屋から、どうやってそこに来た?」
えっ?、もしかしてここまで来て私が幽霊だと思ってないの?
どうやっても普通の人じゃあそこからここまで来れないと思うんだけど。
私が驚いていると、
「お前は、ゆ、幽霊なのか?」
あ~なるほど。
だいたい分かった。
そっか、この人たぶん幽霊信じてないんだ。
そして、ちょっとした悪戯心、がわいてきた。
少年に優しく笑いかける。
少年は、私の反応を見ると安心したように下をむく。
その瞬間、私は音をたてず彼の背後につく。
彼が何か言っていたようだが、私の耳には聞こえなかった。
そして後ろに回った私は、彼の後ろの首すじに顔を近づけ、
ふぅーー、と息をかけた。
少年が振り向くよりも先に、私は電柱の影に隠れる。
少年は、驚いて後ろに振り向いたが、あたりを見渡すとすぐに前を向き足早に歩きだした。
私はすぐに彼のあとを追う。
そして、ゆっくりと彼の隣を歩くが、気づかない。
すると、独り言をつぶやいた。
「あれは幽霊なんだろ、そうなんだろ、僕がいるわけないって言ってた幽霊なんだろ?」
私は思わず内心で笑った
ふふふっ、やっぱり幽霊信じてなかったんだ。
でもこの人おもしろいなー。
そう思いながら返事をしてみる。
「そうだよ」
今度はうまく言えた。
「やっぱりか!こわいよ!本当にいたにかよーー!」
「うん」
やっぱり怖がってたんだー。
まあしかたないか。
そう思っていると。
「・・・・えっ」
あ、やっと気づいたんだ。
そして少年が立ち止まり、私も立ち止まる。
お互い、目が合う。
少年は、おどおどしている様子だった。
ふふっやっぱりこの人おもしろい。
そしてなるべく怖がらせないように、
優しく彼に笑いかけた。
感想、アドバイスなどありましたらお願いします。