は、初デート!
日曜日……。
「久弥くーん!」
駅の前の通りに透き通るような声が響きわたる。その声が自分に向けられていると理解するまで数秒かかった。
「ごめんね。遅れちゃって」
時刻は午前9時。日曜日だけあって人通りはやや少ないが、それでも道行く人はその美少女に目を向けたりしている。
そして僕も、そのあまりの美しさに目を奪われた。
「お、おはようございます。先輩」
「ふふ、おはよう。久弥くん」
笑顔で答える我が校一、いや、全国でもいないんじゃないかと思える美少女、西条哀歌先輩。もー眩しすぎる!
そう、今日は僕の人生初のデートだ。しかも相手があの西条先輩とあって昨日はあまり寝れなかった。
「じゃあ、いこっか」
「そ、そうですね! 行きましょうか」
緊張のあまり声が上擦る。
「ふふ、あまり緊張しなくていいよ。今は私たち彼氏彼女だからね」
心臓がドキンと高鳴る。
とにかく可愛すぎる。なんといってもミニスカートの下から見える生足に視線がいってしまう。そう、ミニスカートなのだ。だからもう見てるだけで癒される。
「あの…変…かな?」
恥ずかしそうに顔を赤らめ先輩が聞いてくる。
「い、いや…あの…めっちゃ可愛い…です」
なぜか僕まで恥ずかしくなってしまった。すげー初々しいカップルに見えてるんだろうなー。
「ありがとう。…ッ! い、いこ!」
意を決したような表情で僕の手を掴んで駅に歩き始めた。つられるようにして僕も歩きだす。
さてさてどうなることやら。正直もう色々ヤバいです。主に西条先輩の一つ一つの仕草が。いや超可愛いんだよ。何回も言うけど。……超かwーーーー
「久弥くん! 見て! 綺麗ねー海よ、海」
「先輩、海来たことないんですか?」
電車に揺られること一時間。外の景色には一面海が広がっている。
そう海だ。海なんだ。もうどういう意味か分かるだろう。夏、海。そうきたら水着だ。先輩からデートの行き先を聞いた時。僕の頭の中には……まあいい、あとで見られる。
「小さい頃から病院通いだったから。こういうところは全然これなかったんだ」
「そうなんですか。でも、大丈夫なんですか? 体の具合は」
いくら退院できたからといって、無理は危険だろう、ましてや海なんて。
「だ、大丈夫大丈夫。あ、ほら、ついたよ早く早く」
笑顔で僕の手を引く先輩を見て、本当にこの人が一年も持たない命なのかと疑問を持った。こんなに元気で子供みたいにはしゃぐこの人がもう助からないのかと。
だが、その葛藤はすぐに消えて、気づいたら先輩と二人で手を繋ぎ海へと向かっていた。
ある屋敷で
「暇です」
「うん」
「どうして突然デートなんていくんですか! そもそも付き合っていたんですか? あーもう、いますぐ久弥さんに抱きつきたいです。……はっ! もしかして今頃二人は……」
「だ、大丈夫。ひ、久弥に、そんなこと、できるわけ、ない………」
「そ、そうですよね! 久弥さんですもんね! ………」
「「はあー」」
「「心配」」
おひさでーす。
急いで書いたんで、誤字あったら言って下さい。
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