表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/44

マジで怒ると

 亜美は固まっている。

 僕とあずささんはいまだ状況を把握できていない。


「もう幽霊でもいい!! 僕は運命の人を見つけたのだ!」


 そんなことをいう浩司さん。


 あー、ロリコンに告白されてるよ亜美。

 それより、トランプがもったいなかった。せっかくあんなにでかいの作ってたのに。


「あの、何を言っているんですか?」


 あずささんが聞く。

 その言葉に浩司さんは、


「何って、それはもちろんプロポーズだ!」


 この人堂々と言ったよ。恥ずかしくないのかな?

 まあそれより亜美はどう思っているのだろう。


 亜美のほうを見る。


 あんなにおどおどしてる亜美は初めてかも。一緒に寝てて僕がそれに気づいた時よりもかもな。


「さあ答えを聞かせてくれ」


「あなた誰?」


 見下すように亜美が聞く。


「あ、その人は浩司さんていうんだ」


 慌てて紹介する。

 亜美はそれを聞くと、ふ~んとだけ言う。


 まあ無理もない、幽霊になってまともに話した人は僕ぐらいだろう。だから苦手意識があるんだなきっと。


「私、久弥以外の人間は嫌い」


 違った。

 

 なんでそう目の前で堂々と言えるのだろう。あずささんもそんな感じだったし、二人の感情がもろに僕に伝わってきて、つらいんだが。


 だって今も亜美が発言した瞬間あずささんが急ににらんできたし。全く、幽霊なのに自覚があるのだろうか。

 

「なんだと! 久弥君、君はこんなに可憐な少女をほったらかし、そこの年増幽霊と遊んでいたのか」


「……あの、誤解を招くんで変な言い方しないでください。あと浩司さんそれよりも言っちゃいけないこと言いましたね」


 僕のいうことに一瞬首を傾げた浩司さんだったが、僕の横のベッドにいるあずささんを見て顔が蒼くなる。

 そりゃあそうだ、だってあずささんが怒るとすごく怖いもん。僕も怒られたとき怖かったもん。


「おいクズ人間」


………あれ?


「ちょ、なぜそこまで怒る。本当のことだろう?」


 浩司さんが必死に説得を試みるがむしろ逆効果だろう。

 にしてもあずささん僕を怒った時はマジじゃなかったんだ、なるほど人間に恨みを持った幽霊は怒るとこんなに怖いのか、あきらかにいつもと口調が違うもん。


「久弥」


 見ていると、亜美が二人を素通りして僕のもとに来た。手には回収したトランプがある。

 そんな亜美に、


「亜美、隣の部屋でまた作り直そうか。さあ行こう」


僕は優しく声をかけた。


「うん!!」


 僕が一緒にしてくれることがうれしかったのか、笑顔でうなずいた。


「あ、待ってくれ! いいのか私たちを二人にして、さすがにババアとはいえ女と男を同じ部屋に置いてはまずいだろう、だから残っていた方がいいと思うのだ」


「大丈夫ですよ、すぐに楽になりますから」


 あずささんが見下す姿に僕も内心怯えながら急いで部屋のドアに手をかける。


「行かないでくれ!! 助けてくれ!」


浩司さんが、必死に助けを求めてくる。


 僕はその言葉に、


「それでは、ごゆっくり!」


笑顔で挨拶をして、隣の部屋に向かった。




 その日僕と亜美は、隣から聞こえる悲鳴を聞きながらトランプピラミッドを建てた。




ご指摘いただいたので書き方変えてみました。



読んで思ったこと感想くれるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ