いままで通り
「心も体も激しい痛みだった、それで人知れず、私は死んだ」
亜美が泣きながらそういうが、その言葉になんと返していいか分からない。
「なんで、銃で撃たれたときに死ななかったのか分からない。けど撃たれたときに死んだ方がましだった。だって警察のあんな顔見たらすごく胸が苦しかったから。………これで終わり。」
「それで亜美は幽霊になったのか」
亜美に聞くと、
うん、と涙を拭きながらうなずいた。
「亜美ちゃん」
あずささんが、亜美のことを優しく抱きしめた。
僕は表情を変えず、亜美の頭に手をのせた。
しばらくして、
「落ち着いたか?」
泣き止んだ亜美に問いかける。
「うん、ありがとう」
小さく微笑み、亜美が言った。
そして、しばらく沈黙が続き、
「それでこれからどうしますか?」
あずささんが聞いてきた。
確かに、これでもう亜美の記憶を戻すという約束を達成したということだ。
つまりもうすることはない。
「二人はどうしたい?」
これからの事を大きく左右する質問をした。
正直、僕自身どうしたらいいのか分からない。
ここは二人の意見を聞いておこうと思ったのだ。
僕は真剣で、それでいて少し悲しい表情で聞いた。
「久弥と一緒にいたい」
「久弥さんと一緒がいいです」
即答だった。
亜美はいつもの無表情な顔で。
あずささんはいつもの明るい笑顔で。
………………え、あれ?
今って、すごく重苦しい空気じゃありませんでしたか?
僕、今ガチで真剣に聞いたのに、なんで二人とも軽いの?
「な、なんで?」
「嫌なんですか?」
「あーいや、嫌じゃないけど。 まあいいか、することないなら暇つぶしにまた遊びに来るよ」
そうだ、目的がないからってかかわってはいけないなんてことはない。
それに、この二人といたこの2か月、すごく楽しかったのも事実だ。
勿論、隼人の死はすごく悲しかったし、正直僕一人だったら立ち直れなかった。
それでも、二人のおかげで今、元気にやれている。
だからこれからも、
「またよろしくね、二人とも」
清々しく二人に言った。
言うんじゃなかった。
「それで、どうしてこうなったんですか?」
あずささんが僕の目の前でそう言う。
えっと、怖いです。
今僕は、部屋の真ん中で正座している。
「僕、なんか悪いことしましたか?」
「ほう、とぼけるんですか?」
「なんかすいませんでした」
はい、ではこうなった理由を説明しますね。
まず、昨日あの後、解散したんですが、
朝、僕が目を覚ますと、
「なんで亜美ちゃんが久弥さんの家で、しかも久弥さんと一緒に寝てたんですか?」
亜美は知らんぷりだ。
普通亜美でしょ! それ聞くの。
なんで僕に聞くの?
誤解まねいたらどうすんの?
てことで、朝起きたら、僕の腕の中に亜美がいました。
少し、最初の頃に戻して、さらに良くなるように練習しながらいきたいと思います。
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