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残酷な過去

僕は言葉が出なかった。


あずささんも、言葉を失っている。


亜美の目には、涙が潤んでいた。



亜美の過去の話を聞いてまず思った事。

なぜとか、かわいそうとかそういう言葉では済ませられないあまりに悲痛なことに言葉も何も出なかった。




10分前

亜美は自分の過去を語り出した。


「私はお金もちの、裕福な家庭に、生まれた。勉強もできたし、そのおかげでアメリカにも留学してた」


「じゃあやっぱりこの屋敷は、亜美の家なのか?」


亜美がコクッとうなずく。

まあ金持ちの家だったらこれぐらいの屋敷に住んでたって不思議じゃないか。


「それで、13歳で日本に戻ってきて、中学に進学した、毎日が幸せだった」


「じゃあ、それでなんで未練が残るような悲しいことが?」


あずささんが聞く。

まあ、あずささんも悲しい過去があるんだしそこは気になるんだろう。


「それは………ある休みの日、家の前で怪しい男を見た」


「怪しい男?」


僕は声に出して、疑問を浮かべた。

亜美が続ける。


「うん、屋敷の周りを歩いていた、でもその時はすぐにいなくなった」


その時、不気味で嫌な予感が僕の全身に走った。


「でも数日たってまた家の前に来た」


あずささんは黙って聞いている。

僕ももう黙って聞こう。


「その男はそれを何度か繰り返した、さすがに怪しいと思って両親に言った、でもあまりひどく見てなかった」


淡々と語っているが、その目は何かを訴えかけてくるようだった。


「そして、次の日、家にその男が入ってきた、何人もの人を引き連れて」


僕の頭には自然とその時の情景が浮かんでくる。


「男たちは、屋敷の中を荒らしに荒らした。お金が目当てで、金目のものは全部取られた、私の目の前には、銃で撃たれた両親二人が血を流して倒れてた。私は呆然として何も言葉が出なかった。立っているのがやっとだった。」


亜美がここまで躊躇なく一切動じることなく話していることが驚きだった。

僕だったら、親が目の前で倒れていたら喪失感で立ってはいられないだろうと思った。

そういう意味では、亜美は強いのかもしれないと、そこまではそう思っていた。


「それでただ立っていたら、一人の男が私に銃を向けてきた、そして撃たれた」


それで死んだのか、と思ったが、予想外の展開になった。


「でも私は死ななかった」


「えっ?」


声に出して、疑問の声をあげた。

あずささんも、不思議そうな真剣な顔をしている。


「死なない私を見て、男は動揺してまた数発、銃を撃った。それでも私は死ななかった」


ここにきて、亜美の赤い瞳が潤みだした。

僕はよくわからなかった。

死なない?

おかしいだろ、男が数発撃ったなら確実に致命傷は与えているはずだ。

すると亜美は、


「私も自分がなんで死なないのか分からなかった。そして男たちは私を怖がって逃げていった」


「じゃあなんで亜美は死んだんだ?」


「死んだよ、数時間後に」


えっ?


「数十分後に警察が来たの、助かる必要もない、でも生きなきゃって思った」


とうとう亜美の頬に筋が通った。


「警察が来て、私は”助けて”って言った。でもその警察は私を見たとたん逃げ出した。」 


どういうこと?

と思ったが、その疑問は亜美の次の言葉で崩れる。




「近くの鏡に映った私を見た、顔は半分なくて、全身血だらけで、体のあちこちに穴が開いていて、人と認識できる姿じゃなかった」




亜美のその言葉に、

僕もあずささんも言葉どころか、息を吐くこともできなかった。

急いで書いたんで、誤字などがあったら教えてください。


感想も受け付けてます!

では、三連休頑張ります!!

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