怒りの叫び
長い沈黙の後。
「先輩、それってどういうことですか?」
僕は思い切って聞いてみた。
「だから私、来年には死ぬんです。お医者さんにもそういわれました」
待って、理解が追い付かない。
こんなに元気そうなのに。
「このことは学校では先生しか知らないの……昔から私体が弱くてね、そしたらお医者さんが、長く持たないって、正直受け入れがたかったけどそれでも私は、皆みたいに普通に過ごしたいって思ったの」
今までずっと無理してたのか。
少し寂しそうな顔で先輩は話している。
それを僕は悲痛な顔で聞く。
「もうどうしようもないんですか?」
すると先輩は、
「むしろ結構持った方よ、小さいころから病気が多かったから」
もう先輩はそれを受け止めているのだろう、でも今聞いた僕は何をどうしたらいいのか分からない。
それを見かねてか先輩が口を開く。
「ねえ久弥君」
「はい?」
「今言ったことは全部忘れてくれない?」
突然言われたことに困惑する。
「え、どうしてですか?」
「今言った事で変に気を遣われても困るし」
まあたぶん僕は気を遣うだろう。
僕が黙り込むと、
「でもお化けが本当にいるってことは、私も未練を作ればここにまた来れるかもしれないしね」
そう先輩が言ったとき。
「ふざけないでください!!!!!」
いままで黙って聞いていたあずささんが、今まで聞いたこともない大きな声で叫んだ。
「えっ」
先輩が疑問の声を上げる。
そして、あずささんが続ける。
「未練を作れば私たちみたいになれる? あなた私たち幽霊がどんな未練でこの世界に残っているのか分かって言っているのですか?!!」
怒りを爆発させるあずささん。
こんなあずささん初めてだ。
すごく怖い。
「もう人とは話したくないくらいつらいことがあった人たちなんですよ!! そんな人たちの事も知らないで、未練作って幽霊になりたいってふざけたこと言わないでください!! 今私がこうしてあなたと話しているのにもていこうがあるんですからね!!」
本気で怒ったあずささん。
しばらくして、
「すいません大きな声出して」
先輩はただただ呆然としていた。
だがすぐに口を開き。
「あの…すいませんでした、私何も知らないのに」
その言葉にあずささんは、
「い、いえ……その、私も言いすぎました」
なんか変な空気になったのでここら辺にしておこう。
「もう遅いし、ここら辺にしとこ?」
すると先輩が、苦笑いで
「そ、そうですね。もう遅いし」
あずささんは、だまって下を向いている。
そういえば、亜美は?
「………」
ぼーっと、窓の方を見ている。
「亜美?」
「……」
返事がない。
何かあるのか?
違和感を覚えながら見るが、特に何もない。
まあいいか、亜美はもともと無口な方だし。
と、その時はそんな事と考えていた。
「………」
「それじゃあ、僕先輩を送って帰るんで」
さすがに夜だしね。
一人で帰らせるわけにもいかない。
先輩はすこし照れ気味に僕についてきた。
するとあずささんが、
「久弥さん」
「はい?」
真剣な表情だ、なんだ?
「あした、すべて話しますので」
そういって僕を見てきた。
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なんかあとがき、うざいっていわれた。でも書く。
てことで次回、あずささん回でーーーーす!!