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叶わぬ恋、答えのない告白

「先輩どういうことですか?」


 恥ずかし気に下を向く先輩。

 えっどういうことですか?先輩?

 なんでそんなに顔赤いの?


「あなた、久弥さんのこと好きなんでしょう?」


 あずささんがいう。

 あずささん、どうしてそんなに怖いの?

 いつも笑顔で優しいあずささんはどこへ行ったの?


 亜美はゲームは飽きたのか、トランプをして遊んでいる。

 あのゲームは後で貸してもらおう。


「あの……その…」


 先輩が顔を上げる。

 そして僕と目が合う。


「ッ!!」


 顔を真っ赤にして再び俯く。

 …………。

 うそおおーーーーー。

 なんですかその反応。


 どうしたらいい?

 僕これどうしたらいいのこれ。

 明らかに恋する乙女の反応じゃん。


「先輩、僕のこと好きなんですか?!」


「ッ!!!!!!!」


 さらに顔が赤くなった。

 僕こんなに顔が赤くなった人アニメ以外で初めて見ました。

 すると先輩は下を向いたまま。


「ぅん」


 あっやばいです。

 すっごく可愛い。


 あれっ、あずささんすごい睨んでる。

 僕なにかしましたか?

 なんか謝った方がいいですかこれ。


「久弥君!!」


「はいっ!!?」


 急に呼ばれてとっさに声を上げた。

 声の主は西条先輩。

 まだ顔が赤いが、すごく真剣な表情だ。


 あずささんは、やれやれといった感じでそっぽを向く。

 亜美は相変わらずトランプで何かを立てて……。

 てえーー!

 なにあれ!ていうかでか!!


 どこから持ってきたのか大量のトランプを立てて巨大なタワーを作っている。

 エッフェル塔?東京タワー?いやこれが本当のトランプタワーか。

 すご!!


「ずっと!!…好きでした」


 亜美のタワーに見入っていると、そんなことを……えっ?


 ガサーーーーーー。


 トランプタワーが崩れ落ちる。


「覚えてないかもだけど中学校が一緒で、その時からずっと久弥君の事が好きだったの」


 は?マジですか?


「入学式であなたを見たときは驚いた、もう諦めていた人が同じ学校に来てくれたってすごくうれしかったの」


 …………。


「今日、屋上で休もうとしてたって言ったのも嘘、本当は教室を出ていくあなたを見てこっそり追いかけていったの」


「マジですか?」


「ええ本当は話しかけるつもりはなかったんだけど、なんか一人でしゃべってるのを見て不思議に思ったの」


 ただただ呆然とする僕。

 いまだにそっぽを向いているが少し頬が赤いあずささん。

 亜美はトランプを立てる体勢から微動だにしない。


「だから伝えたかったの、久弥君に気持ちを」


 気持ちを?


「告白はしないの?」


 あずささんが口を開く。


「好きって、言うだけ?」


 いやなんでその体勢から動こうとしないの?

 面白い体勢のまま亜美が言う。


「告白しても、付き合えません。たとえ久弥君がOKしてくれたとしても」


 ???。


「どうして?」


 僕が聞く。


 そして明るい笑顔で言ってきた。



「だって私、来年、死ぬんですもん」




 とたんその場の誰もが、黙り込んだ。





800PV、400ユニーク達成しました。

読んでくださっている方たちのおかげです。ありがとうございます。

今後も頑張りますので、感想、アドバイスなどありましたらお願いします。ついでにブクマ登録も。

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