あやしい先輩(いい意味で)
すいません。
この状況、どうすればいいですか?
学校一の美女、西条哀歌が目の前にいる。
「あなた、一人よね?」
えっと、屋上であずささんと二人だけど、あずささん幽霊、見えない。
つまり、相手からは僕が一人でしゃべっているように見えるわけだ。
「なんでここに?」
話を逸らす作戦を実行。
「少し疲れたから、ゆっくりしたくて、そしたらあなたがここに」
なるほど。
まあ、学園アイドルともなれば人に囲まれっぱなしなのだろうし、休みたい時だってあるのだろう。
にしても、綺麗な人だ。
黒く艶やかな髪を肩くらいで切りそろえていて、目は大きく丸い。
おまけにスタイルがいいときた、本当にアニメの中から出てきたんじゃないかと思うほどだ。
て、何見惚れているんだ僕!
慌てて視線を横にする。
「?……なんですか?」
おっと、横にも美女がいました。
あずささんはしれっとしている。
あーもうここは僕一人でどうにかしろと。
「それであなたは何をしているの?」
黙っていたら、西条先輩が聞いてきた。
どうしよう、何か手はないか。
あずささんにアイコンタクトで助けを求める。
すると、しょうがないといった顔で縦に首を振った。
本当にしょうがないか、だって変なやつって思われたくないし。
「えっと……じゃあ、ここでのことは他言しないと約束してくれますか?」
「えっ………そんなに変なことなの?」
何か微妙に勘違いをしているようだが、しばらく考えるそぶりを見せ。
「分かったわ、約束する」
笑顔で了承してくれた。
「ありがとうございます。僕は一年のみーーー」
「水谷久弥君よね?」
名前を言おうとしたところで、先輩が先に僕の名前を言った。
「えっなんで?」
「あっ!いや、たまたま知ってただけだから!!」
すごく慌てた感じで言ってきた。
まあ、いいか。
その時チャイムが鳴った。
あー休み時間終わっちゃった。
仕方ない、放課後か。
「もう時間ないんで放課後、校門前で待っててください」
「えっ!?それって………その、二人で……いっ……にかえ…てこと」
小声でうまく聞き取れなかったが、顔を赤くして下を向く先輩。
まあそりゃあ、こんな知らない男と一緒に下校するのは嫌だよなあ。
すると横から、すごい視線を感じた。
なんか睨まれてる!怖いよ、あずささん僕何かしましたか!?
放課後
「ここは、なんですか?」
「まあ、今は使われていない屋敷ですね」
いつもの屋敷の前に西条先輩を連れてきた。
まずは亜美がなんというか。
「ちょっと待っててください」
「えっどうして?」
どうしてって。まあそうか夕暮れ時に外で女の子を待たせるわけにもいかんか。
「じゃあ一緒に行きましょう」
先輩に言う
「わ、分かりました」
そういうと先輩がついてくる。
すると僕のすぐ横にくっついてくる。
まあ普通に見たらこの屋敷すごい不気味だもんな。
僕も最初そうだったし。
いやでも学校一の美女にこんなことやっぱ良くないな。
先輩の信者たちに殺される未来しか見えない。
そんなことを考えながら、亜美の部屋に向かう。
部屋のドアを開ける。
いきなり、目の前に亜美が立っている。
次の瞬間、
「キャぁぁぁぁあああーーーー」
西条先輩の悲鳴が聞こえた。
やべー!!説得しないと!!
と、思ったら、
「ッーーーー!!!」
何度も言うが、学校一の美女、西条先輩が。
僕に抱き着いてきた。
結局、鈍感主人公じゃねーーーかーー!!!!
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