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ある屋敷にて

思い付きで書いたんで温かい目でみてってください。

 僕は幽霊を信じていなかった。

 もちろん他のオカルトだのなんだのも信じてはいない。

だからクラスでそういうことを話題に

「怖いねー」「本当にいたらすごくね」

とか話してるやつはばかばかしいとおもっていた。


 季節は春、中学校を卒業して高校生になり一か月がたっていた。

 

 朝、いつも通り登校し教室にむかう。

 クラスの窓側、一番後ろの席が僕、水谷久弥(みずたにひさや)の席だ。


「おーはよう、久弥」


 一人の男子が後ろから軽めにあいさつしてきた。僕は振り返らずにあいさつを返す。


「おはよう隼人」


彼は小柴隼人、入学してすぐにできた仲のいい友人だ。


(あれっ?)


 振り返ると隼人の目の下が青黒いことに気付く。


「どうした?隈すごいぞ、なんかあったのか?」


「えっ」


 隼人は笑いながら声をあげるが少しすると思い出したようにつづけた。


「あー、……実はな、夜ねれなかったんだよ」


 だろうな、隈あるもんな。


「ふーん、なんで?」


 さらに問う。


「いやな! 昨日の夜テレビ見たか?! あの心霊現象のーー」


「あーはいはいわかった、それ見て怖くなって寝れなかったと、そういうことだろ」


「そ、そうだ」



 (小学生かよ!)



 思わず心の中でツッコんだ。

 隼人は見た目がいい割に、どこか臆病なところがたまにきずだ。


「ばかばかしい、心霊だのなんだのってあるわけないだろ」


 半ば、呆れたようにいうと


「いーや俺は信じるぞ、この目でみたんだから」


「テレビに映ったやつをだろ」


「…………」


 勝った。



 そんな感じで平穏な日常を過ごしていた。


 


 五月のある日

 僕は、先生の頼みで体育倉庫の整理をしていた。

 部活に入っていないから、との理由で。

 特に断る理由もなかったので、引き受けた。

 

「だいたいこんなもんかな」


 一時間くらいでだいたい片付け終え、職員室に鍵を返して帰路につく。あたりはオレンジの夕焼けが照らしているが、太陽は見えない。

 

 いつも見ている風景を見ながら、いつも通っている路地を歩いていた。

 しかし一つだけ、いつもと違うものが目に入る。

 

(あんなとこに屋敷なんてあったっけ?)


 路地から、すこし離れた静かな森の手前に、古くて小さな屋敷がたっていた。人が住んでいるかはわからない。

が、なんとなく興味を持ち近くまで歩を進めた。


(人は住んでないっぽいな)


 部屋の窓から明かりはなく、外見もぼろぼろで、人の気配がない。

 

(外国人か、誰かの、別荘だったのかな?)

 

 あたりは、夕焼けが照らし、風が強くなっている。


 僕は、しばらくその屋敷の前で立っていた。


 見ていると、なにかに吸い込まれていくような感覚を覚え、気が付くと自然に前へ歩いていて、なんの躊躇もなく、そっと、古びた木の扉のドアノブに手をかけた。



 

 

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