悲鳴の理由
隼人が去ったあと。
「何があったの?」
僕は部屋にいた、亜美とあずささんに聞いた。
なぜか二人とも無言で、下を向いている。
「何かしたのか?」
二人ともビクっとする。
確信犯だな、二人とも。
にしても、何しでかしたんだ?
「あの…じ、じっとしてたんですよ、普通に…ただ」
そういって、あずささんが亜美の方を見る。
亜美は、そっぽを向く。
「隼人さんが来てから、亜美ちゃん急に挙動不審になり…」
「………」
「それで亜美がなにを?」
亜美は黙ったままだ。
「それが、隼人さんがずっと亜美ちゃんの方を見ていて、それで」
すると亜美がやっと口を開き。
「脅かして、やった」
「バカヤローー!!」
なに、あほやってんの?こいつ。
そのあと、壮大に亜美をしかり、いろいろ言い訳を聞いたが、やはり亜美が悪い。
亜美は人になれていなかったのもあり、目が合った状態に耐えられなかったらしい。
~五分後~
さて、隼人はどうしたものか。
絶対、怯えてるよなー。
僕がなんか言っても、耳をかすかなー?
そんなことを思っていると。
「ねえ」
亜美が声をかけてきた。
「なに?」
ていうか相変わらず無表情だよなこいつ。
「なんで、あいつ、見てきたの?」
「あーそういえば、あいつなんか幽霊の気配感じるって言ってたな」
「そうなんですか?だから亜美ちゃんを見てたのですね」
あずささんがいう。
「ていうかどうするの?僕すごく心配されそうなんだけど」
「「なんで?」」
いやこっちが聞きたい、なんでハモってるの。
「だって、僕がこの屋敷に行ってる事、隼人知ってるし、幽霊がいる屋敷に行ってるってなったら絶対なんか言われるでしょ?」
「「そうなの(なんですか)?」」
「二人ってそんなに仲良かったの?」
「はいっ!!」
「違う」
あずささんが言うが、亜美が否定する。
まあどっちでもいいか。
「明日隼人に言い寄ってみるよ」
そういってこの日は解散した。
帰り道
なんかすごく面倒ごとになってきたな。
亜美の事だけでも大変なのに、隼人の誤解も。
「はあ~」
大きなため息をつく。
すると空に、幽霊が見えた。
ほんとなんなのこれ、幽霊が日常にいるラノベであるような展開。
あずささんいわく、幽霊は死んだとき、ものすごく人に恨みがある状態だという。
だから普通の人間と慣れ親しんだりはしないが、亜美は記憶が消えていたから僕に普通に話しかけたという。
「ん?」
ふと立ち止まる。
まてよ?てことはやはり亜美にもあずささんにも人を恨むようなすごく嫌なことがあったってことだよな?
亜美はともかく、あずささんは記憶あるしそんな苦しいことがあったのか? そんな風には見えなかったけど……まあいつか話すって言ってたしそれまで待つか。
そう思って、再び歩き出した。
遠くから聞こえる、救急車の音を聞きながら。
昨日、星きれいだなあって見てたら、災難にあった。
「あっ、あっちに雲が見える」>「星きれい」>「あれ?雲きたな」>「あー星見えない」>ゲリラ豪雨w
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