うまくごまかす
それは亜美の名前が分かり二週間が経過したころ。
いまだ名前しか思い出していない亜美の屋敷で。
それは起こってしまった。
「ひ、久弥?!」
「えっ隼人?!なんでここに」
声の方を向くと、隼人がいた。
てやばくないか?この状況。
「お前!最近ずっと何かしてると思って、そんでつけてきたんだよ」
うっそ!なんて説明しよう。
「えっと、ちょっと探し物を」
「嘘だろ」
ですよね~。てやばい亜美やあずささんに伝えてこよう。
「ちょちょっと待ってて!」
急いで亜美の部屋に向かった。
「おい久弥!!」
が隼人が追いかけてくる。
「まて、俺見たんだよ!!」
立ち止まる。
「えっ、何を?」
なんか嫌な予感が。
「お前をつけてきてこの屋敷の前で見てたんだよ」
あーまずいぞこれ。
「お前しかいないはずの、屋敷にな、その、髪の長い女がいたんだよ!」
僕以外の誰かがいるとか思わなかったの?
ていうかどうしよう。
亜美たちのこといっていいのか?
でもこいつ臆病だし、いったら確実におびえるな。
「お前、本当にここで何してんだよ?!」
あーもうこれいった方がいいかな?
大丈夫きっとこいつならわかってくれる。
「あのな隼人、その、言いずらいんだが」
「な、なんだよ」
「実はーーー」
言いかけて隼人の顔が急に蒼白になった。
えっ?どうしたんだ。
「どうした隼人顔色悪いぞ」
「あ……ああ…あわ」
隼人がとてつもなく挙動不審になる。
なんだ、てか僕の後ろ見てるような。
すると後ろから声がする。
「ひーさーやーさんっ!」
「ぎゃーーーーーーー!!!!!」
隼人がものすごい勢いで去っていった。
「えっ?」
「あずささん」
「は、はい?」
僕は、若干きつめの顔で声をかけた。
「久弥さん?なんかものすごく怒ってらっしゃいますか?」
「なんで、見えるようにしてるの?!!」
「えっ?あっすいません、ついうっかり、そういえば久弥さんは使わなくても見えるんでしたね」
「おかげで友達に説明できなかったじゃないですか」
どうしよう、次合ったときどうなってるかなあいつ。
たぶん今のは、あずささんが僕の後ろで声をかけようとしていたのだろう。
それを見て隼人は驚愕していた。だってあずささんずっと浮いてるもん。
であずささんは僕に声をかけた。
僕は普通に名前を呼ばれた気がしたが、隼人には幽霊が後ろから声をかけるというホラーに見えたのだろう。それで驚いて逃げたと。
なんて説明しよう…とりあえず亜美に相談か。
「だめ」
「えっ」
「他の人に、言っちゃだめ」
「じゃあなんていうんだよ、絶対トラウマになったよ!」
「うまくごまかして」
無責任なっ。
どうしろってんだよ、知らないふりでもする?
「申し訳ありません久弥さん、私のせいで」
あずささんが誤ってくる。
「もういいですよ。悪気があったわけではないんですし」
でもあいつ絶対、信じ込んだよな~。
実際そうなんだけど。
まぁということで、
明日の学校が不安になりました。
感想、アドバイスなどありましたらお願いします。