幽霊のイメージ?
屋敷のなかは、昨日と今日では全く別に見えた。
廊下を歩いて、一番奥の部屋につく。
「おーいいるかー?」
ドアをノックして、彼女がいるか聞いてみる。
が、返事がない。
「あ、開けるぞー!」
中に入るが誰もいない。
だが、やはりここだけは他よりも、とてもひんやりしている。
「あれっ?いないのか?」
「いる」
「うわっ!!」
気が付くと、彼女は僕の横にいた。
「あの、いつからいた?」
「あなたが、ここに、ついたとき」
幽霊とかそういう問題じゃなく、根っこから影が薄いのか。
あっそうだ。
「お前、今、力使ってる?」
「ちから?」
「人に見えるようにするやつ」
「うん」
「それ、解いてみて」
「え、うん」
これで、さっきの謎がとけるはず。
消えるよな?たのむ消えてくれ!
「………」
「えっ解いた?」
「え?…うん」
するとさらに彼女が続ける。
「なんで、見えるの?」
これで分かった。
なぜこうなったのかはわからないがたぶん。
「僕は幽霊が見える体質になったらしい」
「……なぜ?」
彼女が聞いてくる。
「分からない」
が心当たりはある。
そう今朝の金縛りだ。
あずささんが何を思ったのか、僕が寝ている間にあれやこれやいろいろやってきた。
別に変な意味ではない。誤解しないでほしい。
あっそういえば。
「そういえば、お前と仲良くなりたいっていう幽霊が来てるんだが」
「屋敷の、前に、いる?」
「そうだが、やっぱりお前が追い出してるのか?」
「うん、屋敷に、結界、ある」
「結界?」
「他の幽霊が、入れない、ように」
「なんで?」
「怖い」
いや、お前もその怖い幽霊なんだが。
なんかどんどん僕の幽霊のイメージが崩れていくんだが。
「じゃあその子だけ屋敷に入れてくれないか?」
「どうして?」
「お前の記憶戻すの手伝いたいっていうからさ」
そういうと、彼女の目が輝いた。
そんなにうれしいのか。
「うん、いれる!」
しばらくして。
「やっとお目にかかれましたわ!!あーなんて可愛いのでしょう」
今、目の前で起きていることを説明しよう。
まず、彼女が結界を解き、あずささんを中に入れた。
と思ったら猛スピードでこの場に来て、彼女を抱きかかえた。
要はそういうことだ。
そして、今に至る。
彼女はというと。
最初は嬉しそうにしていたが、抱きかかえてくるあずささんを見て、困惑の表情を浮かべている。
あずささんはというと、顔を真っ赤に染めて、息をはぁはぁいわせている。
「はぁはぁ、ねえ久弥さんこの子持ち帰っていいですか?」
「ッーー!!!」
彼女は、目に涙を浮かべて助けを求めてくる。
「はぁー、あずささん少し落ち着いてください」
「えーー……し仕方ありませんね」
「ふーー」
彼女も安心したようだ。
「じゃあとりあえず彼女の記憶について話あいましょう」
そういってようやく説明を始めた。
感想、アドバイスなどありましたらお願いします。