なんで?
次の日
学校にて。
「どうした久弥、昨日の俺みたいに隈がすごいぞ」
「そ、そう?」
今朝、なぜか起きれなかった。
なぜかというと、僕はあずささんの金縛りにあっていたからだ。
まさかあんな体勢でしてくるとは。
……ちょっとうれしかったことは秘密だ。
「ねー隼人、お前さあの森の前にある屋敷のことなんか知ってるか?」
「屋敷?……いや知らねえな」
「そっか、じゃあいーわ」
「屋敷がどうしたんだよ」
「えっ、あーいやー、べ別に何でもない」
「ふ~ん」
何か企んでいるような目で隼人が見てきた。
隼人に言ったらとんでもないことになりそうだからな。
授業が終わり、放課後
僕は教室で帰りの準備をしていた。
「久弥ー、今日部活ねーんだ一緒に帰ろーぜ!」
隼人が、誘ってきた。
が、これから屋敷に行く。
「ごめん、これからちょっと用事あるんだ」
「なんの?」
「えーとまあいろいろ?」
若干、挙動不審になる。
「なに、なんかあんの?」
隼人がジト目で見てくる。
変に勘がいいやつだ。
「いや、何もないわけじゃないんだけど」
「まーいいや、じゃあ一人で帰るよ」
「うん、ごめんな」
じゃあまたと隼人は帰った。
そして、俺も早く行こうと準備していると。
「ふ~~」
「ひぃやーー!!」
首の後ろから、冷気を感じた。
まだ残っていたクラスの生徒が一斉に僕を見る。
すかさず後ろを見る。
「迎えに来ました」
にこっと、微笑みながらあずささんがいた。
僕は何も言わず、足早に教室を出た。
少し視線が痛いがそこは気にしない。
「待ってくださいよ久弥さん」
学校を出て、裏路地を歩く。
「久弥さんどうしたんですか?具合でも悪いんですか?」
「悪くない」
「じゃあどうして、何も言ってくれないんですか?」
僕は一つ溜息をつき。
「なんで俺にしか、お前が見えてないの?」
「えっ?」
「力使えば、僕以外にも見えるはずだろ?なんで僕にしか見えないの?」
先程からの疑問を聞く。
「え、わたくし、力なんて使ってませんけど…」
えっ………。
「あれ!なんで久弥さん、わたくしのこと見えてるんですか?!」
「こっちが聞きたいよっ!!」
思わずツッコんだ。
にしてもじゃあなんで、あずささんが見えるんだ?
「と、とりあえず屋敷へ急ぎましょう。ねっ」
そういって待ちきれんとばかりに、僕の手を引いてきた。
屋敷についた。
僕は中に入る。が……
「どうしてですか?!なんでわたくしは、入れてくれないんですか?!」
あずささんは玄関先から前へ進めないでいた。
はぁ~仕方ない。
「僕、部屋に行って聞いてきますから、あずささん、待っててください」
「はぅ~」
僕は彼女の部屋に向かった。
感想、アドバイスなどありましたらお願いします。