表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

雨の日2


「ここ最近雨続きだから毎日来てくれるよね」


「あっ、はい。ここなんだか居心地良くて…はは…」


なんて乾いた笑いを零しながらお店の中に入る。


居心地良いのは二の次に決まっている。

彼、榎本真城さんに会いたいが為。

何故名前を知っているか?


そりゃあ、常連だもの。


「居心地良いの分かる、何でだろうね」


そう言った彼はふわり、と微笑んでくれた。

私は驚いた。そういう風な顔もするんだ、と。


何時も眠そうな顔しかしていないのに。

まるで花のような、そんな暖かい頬笑み。


今日一番の収穫かもしれない。


「…今日もいつものブレンドでお願いします」


「はい、畏まりました」


彼はいつも通りの店員さんの顔に戻り、

カウンターに入って珈琲を淹れ始める。


私はいつも一つ疑問に思う事がある。

この喫茶店、真城さんしか店員さんが居ない

それにマスターも見当たらない。


私はここに来て、真城さんにしか会っていないのだ。


もしかして時間帯的に会わないだけ?

私がここに来るのは学校が終わって

四時から五時くらいまでの一時間。


多いに有り得る。


けれど、昼間は一人だけで営業っていうのも…

なんて疑問に思うけれど本人に聞けないのが私なのである。


うんうんと唸っていること数分

鼻をくすぐる珈琲の良い香り。


「お待たせしました、当店オリジナルブレンドになります」


と珈琲を差し出す真城さんが視界に映った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ