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お狐な僕  作者: 蟹将軍
ぷろろーぐ〜お狐様と僕〜
4/20

説明と降臨

リビングに入るなり希は

「楓姉、そのかっこでいるのは良くないと思うんだよ私は。だ・か・ら、私が可愛い洋服選んで持ってきてあげるね?」

「ちょっと!ま…って」

「諦めろ楓」

秀兄そんな憐みのこもった目で僕を見ないでよ…。

希は僕に死刑宣告(男としての)を残して部屋に戻って行った。僕の状態orz


〜5分後〜

立ち直った僕の前に秀兄は座り話を始めた。

「さて、楓。何で女の子になったか理由はわかるか?」

「理由って言われてもなぁ…。昨日は変な夢見た事位しかないんだけど…。」

「変な夢?どんな夢なんだ?何か手がかりになるかもしれない。」

「僕が可愛がってる狐がいたでしょ?あの子がトラックに轢かれそうになってるのを助けて、僕が轢かれる夢だよ。」

僕の夢の内容を聞くたび秀兄の顔色は悪くなり

「その事故があった場所はわかるか?」

と青い顔をして尋ねた。

「秀兄、そんな青い顔してどうしたの?

場所だったね、確か…神社の角の交差点だったと思う。夢だからはっきりしないけどね。」

「当たって欲しくなかったけどな…。」

秀兄は思いつめた顔で僕を見た、そして僕には到底信じられない事を口にした。

「その交差点で昨日事故があったんだ。その運転手が言うには、子狐を助けようとして飛び出してくる15才位の男の子を撥ねてしまったらしい。運転手は慌てて外に出たが男の子も狐も居らず、トラックの凹みと、少なくない血が後に残されたらしい。なあ楓、トラックに轢かれたのは夢じゃなくて現実なんじゃないのか?」

あれは夢じゃないのか?!

なら、今ここにいる僕は一体なんなんだ?

そんな事を考えていると僕の意識が何者かに奥に追いやられるように沈んでいき、そこで僕は意識を失った。意識を失う途中、聞き覚えのあるような女性の声で「後は妾に任せておけ」と聞こえた気がした。


side秀

楓の夢の話を聞いて、俺は血の気が失せた。

何故なら昨日あった不可思議な事故の状況と一致してるんだからな。

そして俺の説明を聞き終わった後に楓は何か考え込み、急に倒れた。

side秀 終


「おいっ!楓っ!しっかりしろ!」

「叫ぶな、聞こえておるわ」

「お前誰だ?楓じゃないな?」

「いかにも、妾は九尾の狐の牡丹じゃ。楓の代わりに説明してやろうと思ってな、出てきたのじゃ。」

「説明だと?お前は楓がこうなった原因を知っているのか?」

「だから説明すると言っておろう?黙って聞くがよい。まず、楓がこうなったそもそもの原因はお主もわかっていると思うが狐を助けたあの事故じゃ」

「やっぱりか。そうじゃないかと思っていたんだ。じゃあ何で女の子になってるんだ?」

「それは簡単じゃな。妾が楓を救った時に妾の尻尾と楓の元の体を混ぜて眷属にしたからじゃ。妾の眷属になると何故か女になるからな。」

俺は唖然とした。楓が女になった理由が九尾の狐の眷属になったからなんてな。

でも、俺は九尾の狐が実際にいた事の方に驚いたけどな!

呆然としている俺に呆れた視線を送るのに気づいた俺は元の姿勢に戻った。

「すまない。話を続けてくれ。」

「続けるぞ。眷属にした時にちょっと不備があっての、楓には眷属にした時の記憶がないのじゃ。」

「だから、楓はあんなに慌ててたのか。」

不備があったとしても楓を救ってくれた事は感謝しないとな。と俺が考えていると、

「記憶があっても慌てていたと思うがのぅ。妾は楓に女の子になる事は言っておらんからの。」

と、こいつは言いやがった。しかもニヤニヤと笑いながらだ。

その時俺は確信した。不備なんかなかった。こいつ、確信犯だ、と。

「まあ、楓の命を救ってもらったのは感謝している。」

「気にするな。命を救われたのはこちらも同じなのでな。」

「どういう事だ?」

「楓の助けた狐というのが妾なのだ。あの子狐の姿の時は力が使えなくてな、あのようなことになってしまったのじゃ。」

「そうだったのか。ところで楓は元には戻れないのか?」

「無理だな。楓は魂レベルで我が尻尾と融合し、変異しておる。楓が男の姿に戻ることはない。」

「そうか、命が助かっただけよしとするか。」

「ああ、忘れておったわ。お前に言っておくことがある。」

「なんだ?」

「楓は感情の変化で狐耳や尻尾が出るから気をつけろ。」

「耳と尻尾が生えるのか?!楓に?」

あの美少女に狐耳と尻尾だと!?是非写真に納めなくては!

「うむ、主に感情の昂りや喪失感から幻術が不安になり出るからの。」

「わかった。気をつけておこう。」

「最後に、お主に言っておく事がある。」

「なんだ?」

「妾の事は楓には秘密にしておくのじゃ。もちろん、耳と尻尾の事もな。」

「なんでだ?」

「楓の慌てる様を見たいからの。想像してみろ、耳と尻尾が出た時などきっと赤面して可愛いであろう?」

「確かに」

「お主、話がわかるではないか。楓には妾から伝えるゆえ、お主は黙っておくのじゃぞ?

もし話したら、お主秘蔵の本のような幻を毎晩夢で見せるからな。登場人物を全てお主に変えての。」

なんて恐ろしい事を考えるんだこいつは!?

そんなものを毎晩見せられたら俺は確実に発狂するな。

「わかった。俺はお前の事を楓には絶対に話さない。」

「よし、では妾は帰るのでな。約束忘れるでないぞ。」

と残して牡丹の意識は楓から消えた。

「楓。起きろ楓。」

「うーん。秀兄何?」

楓が起きたところで、階段を駆け下りる音が聞こえて来た。

楓は目が覚めたのか、自分にこれから起きる事を想像し、顔を青くして震えている。

震える楓も可愛いな。

さて、希のセンスに期待するかな、とドアが開くのを俺は待った。



誤字脱字がありましたら教えて頂けると幸いです。

お読み頂きありがとうございます。

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