遊びにいこー
僕が女の子になって一週間たったある日、僕は暇で死にそうだった。
「なんで休みの日って、やる気がでないのかなぁ?」
ベッドでゴロゴロ転がりながら僕は呟いた。
うーん、ゲームも漫画もあきちゃったしなぁ…。秀兄と希はそれぞれ友達と出かけちゃって居ないし…、どうしよっかなぁ…。ん?友達?そうだ友達と遊びに行けば良いんだ!!
そうと決まったら早速祐樹に連絡しよーっと。
『ゆうきー!ひま?暇だよね!じゃあ遊びに行こう!」
送信っと!さあーて準備しよーっと。
ピロリーン
『俺がいつも暇だと思ってるのか?(・・;)まあ暇だけどね(はーと)。どこ行くよ?』
うわぁ…。男が(はーと)とかちょっとひくなぁ。まあ、それは置いといてやっぱり祐樹暇だったね。どこ行こーかなぁ?久々にボーリングとか良いなぁー。よし、ボーリングにしよう。そうと決まれば、祐樹に連絡しなくちゃね。(はーと)のことはちゃんとあってから伝えないとね?メール打つのめんどくさいなぁ。電話しちゃおっと。
〜呼び出し中〜
「もしもし、祐樹?ボーリングいこー」
「いきなりそれかよ…。まあ良いよ。どこで待ち合わせる?」
どこが良いかな?無難に駅前でいっか。
「駅前に今から15分後に集合ね?」
「15分?!ちょっと無理じゃね?!俺用意してねーよ?!」
まったく祐樹は駄目だなぁ。でも時間は変えないからね?
「頑張ればなんとかなるよ。遅れたらなんかおごりね?」
「え?ちょっとま「また後でねー?」」
プツッ
さあーて行きますか。僕は白のワンピースにいつでも耳が出ても良いように帽子かぶって出かけた。
とーちゃーく、祐樹はまだ来てないね?時間は…、約束の時間まで後1分かこれはおごり決定かな?
そんなことを考えていると祐樹が走って来た全力で。
「はぁ、はぁはぁ。間に…あっ…た。」
「ざんねん、後10秒遅かったらなんかおごってもらえたのにぃ」
「はぁ、危なかったー」
そろそろ、祐樹の息も整ったみたいだね。
「じゃあ行こっか?」
「そうだな」
僕たちはバスでボーリング場に向かった。
〜バス内〜
移動中は暇だし、あのことを祐樹に言おうと思うんだ〜。
「ねえ、祐樹」
「ん?なんだ?」
「僕ね男が(はーと)ってメールで使うのどうかと思うんだぁ。僕軽くひいちゃったよ。」
よし言ってやった!祐樹どんな反応するかなぁ?
「ん?ああ、あれか。あれは俺からお前への愛を表現したんだよ」
んな?!なんてこと言うんだっ。この親友は?!僕は今は女の子だけど、元男だよ?
それでも、そんなことを笑顔で言われたら顔が熱いよぅ。
はっ!この頭の上に何かある感覚は!どうしよう耳が出てるよ。あっでも帽子被ってるから平気かぁ。
耳が出たのと恥ずかしさで僕が顔を赤くしていると祐樹は笑いながら、
「ははっ!冗談だよ、冗談。お前の反応が面白かったからついな。さっきの仕返しだな」
「もう!ひどいよ祐樹」
くそーやられたー。なんか悔しぞ。
「おっと、もう着くみたいだな。降りる準備しろよー」
「わかったよ」
僕たちはバスを降りた。
〜祐樹視点〜
やっぱ楓可愛いな。これが元男って言うんだから信じられないな。
ん?メールに男が(はーと)とか使うのはどうかと思うだって?軽くひいた?!
ここまで言われたらちょっとからかってみるかな?
「ん?ああ、あれか。あれは俺からお前への愛を表現したんだよ」
自分で言ってて恥ずいなこれ。
おお、赤くなってる。ん?なんか帽子が盛り上がってないか?少し動いてる気もするし…。うーん、後で聞いてみるか。
そんなことを考えていると目的地に着きそうだな。楓に準備するように言うか。
〜祐樹視点終了〜
ついたー!さあ、遊ぶぞー!
「祐樹、早く行こっ!」
僕は祐樹の手を引っ張って走り出した。
「おい、楓引っ張るなよ!」
祐樹が何か言ってるけど無視無視ー。僕を止められるものはいないのだー。
「店内は走らないで下さいね?」
店員さんに怒られちゃった。しょぼーん。
「自業自得だな」
そんなことを言う祐樹を僕は睨んだ。
「いや、睨むなよ。今のは完全にお前が悪いだろ。ほら楓、さっさと受付して遊ぼうぜ」
そうだ!僕は祐樹を睨みに来たんじゃなかった。さっさと受付してボウリングしよー。
「ほら、ぐずぐずしてないで受付に行くよー」
「いや、ぐずぐずしてたのお前だろ…。」
ボウリングが僕を待っているぅー!
受付が終わって早速やろうとしたら祐樹に止められた。
「楓、お前靴変えてないだろ?何センチだ?」
靴?ああ、ボウリングはくつかえるんだったね。
「ごめんごめん忘れてたよ。22センチだよ」
「ずいぶん縮んだな。じゃあ俺靴借りてくるわ」
祐樹はそう言って行ってしまった。
そんなこと言うなよぉ。
男の時は26位あったのにぃ。身長も165位あったのになぁ。今は150位しかないよ。
僕がブルーになっていると祐樹は靴を持ってやってきた。
「おーい。靴持ってきたぞー。ん?どうした?」
「別にぃ。ちょっと身長について考えてブルーになってだけだしぃ」
「ふーん。まあ、どうでも良いけど。さあやろうぜ」
どうでも良いって言ったか祐樹のやつぅ…。僕が真剣に悩んでいるのに。
こうなったら祐樹に僕を適当に扱ったこと後悔させてやるぅ。
僕は祐樹を指差して
「祐樹勝負だ!」
「別に良いけど負けたらどうするよ?」
「そうだね…、負けた方の言うことなんでも聞くってことで良いかな?」
「なんでも…だな?本当に良いんだな?」
「男に二言はないよ!!」
「今女だろ…。まあいいや。どうやって勝敗決めるよ?」
「そうだねぇ〜。5ゲームやってゲーム毎に得点多い方が勝ちでいいんじゃない?先に3ゲーム勝った方の勝ち。
「そうだな、そうすっか」
ふっふっふっ、祐樹に目にもの見せてやるぅ。
さあーて、ボール持ってこよーっと。
〜数分後〜
いつも10ポンド投げられたのに…。7ポンドしか投げられないよぅ。
「どうした?そんな暗い顔して。やる前から負けるのか?」
「ふんっ!勝つのは僕だもん」
「じゃあゲーム始めるぞ」
1ゲーム目
『ストライクッ』
「いやー、今日は調子が良いなぁー。3連続ストライクだ。ほら次は楓だろ?」
くっ、祐樹のやつ調子に乗ってぇ。絶対負かしてやる。
ガタッ
「あー、またガーター!」
くそぉ、3連続ガーターだよぉ。
「くくっ、楓またガーターかこのゲーム俺が貰ったな。」
祐樹めっ、今笑ったな?!絶対勝ってやるぅ!
でもね、現実は非情なんだよね…。あれから僕はガーターの連続で、祐樹はストライクとスペアのみ。僕の負けだよぉ〜。
2ゲーム目
「まだ始まったばかりだからね?次は僕がかつんだよ!」
「また、俺の勝ちだろうけどな」
結果はさっきと一緒だよっ!まだ後3勝すれば僕の勝ちなんだからね!
3ゲーム目
そんな風に思ってた時もありました。
ストレート負けだよぉ〜。
男の時はいい勝負だったのにぃ。
勝負は僕の負けで終わったから、4ゲームと5ゲームは楽しく遊びました。
まあ、僕の負けなんだけどね!
ボウリングを楽しんだ僕らはお昼ご飯を食べに近くのファミレスに入った。
「あー楽しかったね。僕ボウリングやったの久しぶりだよ」
「そうだな。に、してもお前ボウリング弱くなったな」
祐樹はニヤニヤしながら僕に言った。
「うるさいなぁ〜。僕だってこんなに弱くなってると思わなかったよ」
「本当にな。さて、なんか頼もうぜ。」
そう言って祐樹は僕にメニューを渡した。
僕はメニューを開いた。
うーん、何が良いかなぁ?
あっ!ハンバーグとライスにしようかな?
お腹空いてるし、これくらいなら食べられるでしょ。
「じゃあ、僕はハンバーグとライスのセットね」
「楓、そんなに食えんのか?女になって食べる量減ってるんじゃないのか?」
何を言ってるんだろう祐樹は。
僕が女になってもう1週間位経ってるんだよ?
「ダイジョーブだよ祐樹。もう一週間だよ?お腹も減ってるし食べられるよ」
「まあ、そういうなら良いけど…。じゃあ俺はこのナポリタンにするかな。すいませーん注文お願いします。 」
「はーい、お待たせしました。ご注文をどうぞ。」
「えーと、ナポリタンとハンバーグのセットをおねがします」
「はい、お待ちください」
店員さんは離れていった。
「さて、楓。飯食ったらどうする?」
「久しぶりに祐樹の家行きたい!!」
「うちか?別に良いけど…」
なんか祐樹の様子が変な気がする。
ま、気のせいでしょ。
「じゃあご飯食べたら祐樹の家ね?」
「そうだな」
話がまとまったところで料理が来た。
「ナポリタンとハンバーグのセットです。お待たせしました〜」
きたきた〜。いっただっきまーす。
うん!久しぶりにファミレスきたけどおいしいね!僕たちは食事を始めた。
僕は食事が終わって後悔していた。
僕は甘く見ていた。女の子になって食が細くなったけど平気だろうと思ってたけど、ダメだったよ。
ライスはいらなかったよ。
でも、全部食べたからね?僕頑張ったよ。
食事を終えた僕らは今祐樹の家に居た。
祐樹の部屋久しぶりだなー。
僕はキョロキョロと部屋を見渡していた。
「楓、俺ちょっとお茶持ってくるからな。何もしないで、大人しく待ってろよ?」
そんなに念を押さなくても良いじゃないか!親友を信じろよぉ。でもなんかするけどね?
「ダイジョーブだよ?何もしないよ?」
でもこう言っとかないとね?
「本当だな?じゃあちょっと言ってくるわ」
そう言って祐樹はお茶を取りに行った。
ふっふっふっ!さあーて祐樹の秘蔵の18禁本とかさーがそっと。
やっぱり定番はベッドの下だよね〜。
僕はベッドの下をのぞいた。
あったし…。怪しそうな箱。
僕は箱を出して中を見た。そこには、茶髪のケモミミっ娘が表紙に描かれた肌色成分多めの本がたくさんあった。
うーんなんか僕に似ているような気が…。
うん!気のせいだよね?
ガチャ
あっヤベッ!祐樹帰って来た。
「おーいお茶持ってきたぞって、あっ!お前何見てんだ!」
「何って祐樹秘蔵の薄い本だよ?なんか僕に似てない?」
本の一冊を指差して言うと祐樹はあからさまに狼狽えた。
「き、気のせいじゃないか?」
ぼくはジト目で睨みながら詰め寄った。
「ほんとぉーにぃ?」
「ああ、もちろんだ」
「なーんだ、つまんないのー」
「もう良いだろ?それしまうぞ?」
「良いよー」
そう言って祐樹は本をしまった。
〜祐樹視点〜
お茶持って戻って俺は驚いた。
俺の秘蔵のケモミミっ娘本が見つかっていたからだ。
しかもよりにもよって、楓に似てる俺お気に入りの一冊がだ。
俺は楓のことが好きだった。
男の時から好きだったからな。男の時は親友として性格とか好きだったけど、女になったら見た目もどストライクだし、性格もストライクだからな。速攻で異性として好きになったよ。そんな楓に、1秘蔵の本が見つかって、さらに「僕に似てるね?」とか言われたときは心臓が止まるかとおもった。いやーごまかせてよかった。それにしても、楓ケモミミつけてくれないかなぁ?
きっと似合うと思うんだけどな。
そうだ、罰ゲームでつけて貰えばいいんだ!
そうすっか、楽しみだなぁ。
〜祐樹視点終了〜
「さあ、楓?何か言うことはないか?」
「出来心でやった。反省はしていない。」
次来たときもさがそーっと。
「そうか反省はしてないのか。まあ、今回は許してやろう。お前にはまだ罰ゲームが待ってるしな。」
罰ゲームその言葉で僕は固まった。
僕は女の子で祐樹は男、そしてここは祐樹の部屋…。まさか?!
「まさか、僕にさっきの本みたいなことするの?!」
「するかっ!」
速攻で拒否られた。まあ良いけどね。僕も嫌だし。
「さて祐樹には、これとこれを着てもらう。」
そう言って祐樹が出したのはケモミミカチューシャと巫女服だった。
僕結構びっくりしてるんだよ?
なんで男の祐樹がケモミミカチューシャと巫女服持ってるのかな?
もしかして、祐樹女装とかしてるのかな?
僕は親友として、広い心で受け入れないとね。
「祐樹、たとえ君の趣味が女装でも僕らは親友だからね?」
「違うわ!なんで俺がこれ着るんだよ!おかしいだろ?サイズとか!」
なんだ違うのか。
「じゃあなんで持ってるの?」
「いつか楓に着てもらうと思って買った。」
前言撤回だよ。親友やめようかなぁ。
「それ僕が着るの?普通にやなんだけど。」
「ほお。お前に拒否権があると思うのか?拒否すればどうなるかわかるか?」
「どうなるの?」
「希ちゃん呼ぶ」
なんて恐ろしいことを言うんだ。
希が来たら間違いなくこれを着せられて、イタズラされる…。
それだけは避けなくては。
「わかったよ着るよ。」
「あっ!ちょっと待って。先にカチューシャだけつけて?」
「なんで?」
「ケモミミワンピースってなんか良いじゃん」
こいつ馬鹿なのかな?
しょうがないな。
僕は帽子を脱いだ。祐樹はなぜか僕の頭を見て固まっている。
あっ!忘れてたまだ耳出てたんだった。
「リアルケモミミっ娘キター」
親友は謎の叫びを上げて抱きついてきた。
「ちょっと、祐樹!離してよ」
「いいや離さん。耳を、モフラセロー」
祐樹は耳を触り始めた。
「ちょっと祐樹!まって!やっ、ん!やめっ!」
ドンッ
僕は気付けば祐樹を蹴り飛ばしていた。
「いてて、すまん取り乱した。それでどうしたんだ?それ」
僕は祐樹に耳の経緯を話した。
「へー大変だったんだな。まあ、よかったじゃないか生きてて。」
「まあね」
「じゃあ楓そこに立ってポーズとってくれ」
「へ?なんで?」
「写真撮るために決まってんじゃん」
「嫌だよ!?なんで写真撮るのさ?」
「罰ゲームだし、断るなら…わかるよな?」
「ワカリマシタ」
くそーなんか悔しい。
〜写真撮影終了〜
「次は巫女服な」
「わかったよ、じゃあ出てってよ」
「なんで?」
「着替えるからに決まってるじゃん」
「そうだな。終わったら呼んでくれ」
〜着替え中〜
うわっー尻尾も出てるよしかもなんか尻尾穴っぽいのあるし…。
覚悟決めて着るかぁ…。
〜着替え終了〜
「終わったよー」
「おう」
ガチャ
「おお!ん?尻尾もあるじゃないか!触らせて下さい!」
入るなり祐樹は土下座してきた。
僕は目が笑ってない笑顔で
「ねえ祐樹?祐樹は女性にお尻触らせて下さいとか言うのかな?」
自分でもビックリするような冷たい声が出た。
祐樹は何故か怯えていた。
「滅相もございません。今のは忘れて下さい。」
とさっきより深く土下座してきた。
「わかればいいんだよ。次はないからね?耳もダメだからね?」
「わかりましたっ!」
「どう祐樹?似合ってる?」
「あ、ああ、最高に似合ってるよ」
顔が赤いよ祐樹?
「写真撮影だー」
「また撮るの?」
「当たり前だ!こんなに可愛いケモミミ巫女がいるのに、写真撮らないとかありえないだろ!」
「そ、そうなんだ」
僕ちょっと熱意にひいたよ。
そして写真撮影は2時間も続いた。
「お?もうこんな時間か。送ってくよ」
時計を見ると結構いい時間だった。
「ありがと。僕疲れたから自転車の後ろに乗っけてってよ。」
「いいぞ、準備出来てるな?いくぞ」
「うん」
僕と祐樹は自転車に乗って僕の家に向かった。
〜帰り道〜
「なあ楓。あの巫女服お前にやるよ」
「いらないんだけど」
「そんなこと言ってももう希ちゃんにあげたよって教えたから意味ないけどな。」
祐樹なんてことをしてくれたんだ!
これじゃ家帰って大変じゃないか!
さっきまでの楽しい気持ちからブルーな気持ちになって僕は家に帰った。
でも、ボウリングとかは楽しかったからまた行きたいな。
〜後日〜
祐樹が撮った写真が希たちに送られたり、巫女服で揉めたりしたのは余談である。
脱字がありましたら教えて頂けると幸いです。
お読み頂きありがとうございます。
次回は火曜日です。




