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お狐な僕  作者: 蟹将軍
第一部〜家族と女の子な僕〜
11/20

買い物って危険がいっぱいなんだね

朝6時、僕はちょっと目が覚めて時計を見て二度寝しようと思ったんだ。でもね、僕は寝れなかったんだよ(>_<)

我が家の台風が僕の部屋に直撃したせいでね…。

「おっはよー楓姉!!」

「なぁにぃ〜?僕まだ眠いんだけどぉ」

「うっ!楓姉の寝起きヤバいね!襲いたくなっちゃうよぉ」

うっ!急に寒気が…。

「起きたよ!おはよう希」

残念だけど、今ので目が覚めちゃったよ…。

まだ寝たかったのにぃ〜。

「おはよう楓姉。早速だけど、服買いに行こうね。楓姉、今下着すら無いんだよ?いつまでも私の貸すわけにもいかないし」

「そうだね。さすがに下着くらいは買わないとね」

僕もそろそろ自分服が欲しかったところなんだよね〜。

「よし!じゃあ早速朝ごはん食べたら準備して行こっか?」

「うん!」



「おねーちゃんの服買いにしゅっぱーつ!」

こうして、僕と希は僕の服を買いに出かけた。

「ねえ希。どこに服買いに行くの?」

「うーんとね、隣町に結構おっきいショッピングモールが出来たみたいだから、そこ行こうかなーって。」

先月オープンしたところかぁ〜。一回行ってみたかったんだよね。

「確かルミナスって名前だったよね」

「そうそうそれそれ」

「近くの駅から直通バス出てたよね?」

「それ乗って行くんだよ楓姉」

そして僕たちは、バス乗ってルミナスに到着した。

「希、どこから行く?」

「そうだね…。下着から行こっか。そこで買ってつけちゃえばいいし。」

はじめから下着なんてハードルが高いよぅ。

でも、女の子になるって決めたからね。避けては通れない道だしね。

「どうしたの?そんな難しい顔して。」

「な、なんでもないよ?さあ行こー」

「?」


ランジェリーショップ前

僕、さっきの覚悟が砕けそうだよぉ。

「おねーちゃんそんなとこで固まってないでいくよ?」

「ちょっと待って!?心の準備が!」

「はいはーい。いきまーす」

希に引きずられて店内に。

「いらっしゃいませ〜、何かお探しですか?」

「おねーちゃんに下着を選んであげて欲しいんです。高校生になるのに色気のない下着とか着てるので、それらしいやつを選んであげて下さい」

「ふふっ、わかりました。おねーちゃんちょっとこっちに来てもらえますか?」

「はい」

僕は店員のお姉さんについていった。

「じゃあ、ここの試着室に入って、服を脱いでください。」

え?服脱ぐの?知らない人の前で?

「大丈夫ですよ。サイズ測るだけですから。」

それでも恥ずかしいよぅ。仕方ないから脱ぐけどね…。

「脱ぎました」

「はーい、じゃあ測っていきますね」

「ひゃっ!」

「ごめんなさい。冷たかったわね。」

店員さんの持つメジャーであっと言う間にサイズ計測は終わった。

恥ずかしかったよぉ〜。

「じゃあサイズにあった可愛いやつ持ってきますねぇ」

僕は嬉しそうな店員さんの後ろ姿を眺めるしかなかったよ。

数分後、店員さんは希と一緒に大量の下着を持って戻って来た。

「おねーちゃんお待たせ〜」

「こちらをどうぞ試着してくださいね」

店員さんと希の目がちょっと怖いよ。

なんか獲物を見つけた肉食獣みたいな感じの目だよぉ。

「おねーちゃんこれ着て。」

希が渡したのはフリフリのブラとパンツのセットだった。僕はそんなにフリフリじゃない方がいいんだけどなぁ

「じゃあ着てみるね」

着てみたけどやっぱりフリフリはなんか恥ずかしいよぉ。着替え終わったから僕はカーテンから顔だけ出して

「着てみたんだけど、どう…かな?」

うう、やっぱり人に見られるのは恥ずかしいなぁ。

「うん!やっぱりおねーちゃんはフリフリ似合うね!顔赤らめてるおねーちゃんかわいいっ」

最後の方聞き取れなかったけど褒めてくれたのかな?

「じゃあ次はこっちを着てみてください。」

店員のお姉さんが渡してきたのはシンプルな白の上下セットだった。

やっぱり店員さんのセンスはいいなぁ。

「また、ちょっと待っててね着てみるから。」

姿見に映る僕の姿をみて思ったんだけど、僕って結構スタイルがいいのかな?

なんてことを思いながら眺めてたら、

「おねーちゃんまだぁ?」と催促されちゃったよ。

「もう大丈夫だよ」

「じゃあ開けるね」

希がカーテンを開けた。

「そういうシンプルなやつも似合うね」

「肌が綺麗ですからね」

僕の肌そんなに綺麗なのかな?

「じゃあ次これね」

「はーい」

僕の下着選びが終わったのは1時間後でした。

途中から別の店員さんも加わって着せ替え人形状態だったよ…。

僕もう疲れたよぉ〜。

ちなみに、試着した下着は全部買いました。

中には着た覚えのないすけすけのやつとかあったけど、僕は絶対に着ないからねっ。


ランジェリーショップを出た僕らは、近くのベンチで休憩していた。

希は疲れてないからね?!

疲れてるの僕だけだからっ!

「楓姉おつかれ〜」

そう言って希はペットボトルのお茶を差し出した。

「ありがと、希」

僕はお茶を飲んで一息。ふぅ、でもまだ目的の半分しか済んでないんだよね〜。

次は服か…。

また着せ替え人形になるんだろうな…。はぁ。僕が着せ替え人形状態に気落ちしていると希が心配して声をかけてきた。

「楓姉、疲れた?」

「ちょっとね。服の時はお手柔らかにね?」

そう言うと希は、とってもいい笑顔で「善処するよ♪」って言ったんだ。絶対そんな気ないよね?!

「楓姉結構いい時間だから、お昼食べちゃおうよ」

希に言われて時計を見ると、12時近かった。

「そうだね、フードコートとかってあるのかな?」

希は地図を見ながら

「あるみたいだね。結構近いよ」

「じゃあそこ行こっか」

「うん」

僕らはフードコートに向かった。



ちょっと歩くとフードコートに着いた。

お昼時ということもあって、席は結構埋まっていた。

「結構混んでるね。どっか空いてないかな?」

「うーん、あっ!あっちの方は空いてるみたいだよ?」

希はフードコートの奥の方を指差して言った。

「じゃあ行ってみよっか」


フードコートの奥の方は入り口付近に比べると席が空いていた。

「楓姉、ここにしようよ」

希は二人用の席に座って言った。

「そうだね、ここにしよっか。希、荷物は僕が見てるから見てきて良いよ」

「ありがと、おねーちゃん♪おねーちゃんは何がいいの?」

うーん何が良いかなぁ?さっきので疲れちゃってあんまり食欲ないしな〜。さっぱり食べられるのが良いなぁ。さっぱりしたやつって言って後は希に任せよう。

「なんか、さっぱりしたやつお願い。」

「わかった〜。ちょっと待っててね〜」

希は走って行った。走ると危ないと思うんだけどね。

僕は一人になって座ってたんだけど、なんか視線を感じる気がする。

僕なにか変かな?キョロキョロ辺りを見ていると、なんかチャラそうな男の人3人のグループがこちらを指差して話している。

あ、こっちにきた。

「ねえ、君一人?」

「ひゃいっ!」

急に話しかけられて変な声出たよ…。

これはもしやナンパ?されてるのかな?

えっ!僕男だよ?!あっ!今は女の子だった…。

「ごめんね?驚かせるつもりはなかったんだ。」

「はあ」

「もし良かったら、僕らと遊ばない?」

もうこれは完全にナンパだね!どうしよう、断らなきゃっ。

「すいません。僕は妹買い物に着てるので、ごめんなさい」

「妹さんもいるんだ。僕らは全然構わないよ?」

どうしよう、どうしよう。なんて言えば断れるのかな?……そうだっ。言い訳せずに素直に断れば良いんだ。じゃあ早速。

「ごめんなさい。僕にはこの後も予定があるから、あなた達とは遊べません。」

ここまで完璧に断れば向こうも諦めるでしょ。

「こっちが下手に出てれば調子にのりやがって。」

あれ?なんか怒ってる?これって僕ピンチ?

「良いから俺らと来い!」

僕は男の一人に腕を掴まれて引っ張られた。

「いたっ!」

腕急に引っ張るとかなんなの?痛いじゃないか!

「ほら、さっさと行くぞ?」

男はそのまま僕を引っ張って連れて行こうとしたが、男の手は誰かに掴まれて動かなかった。

「おい、テメェ。俺の可愛い妹に何してやがんだ!」

「なんだ、テメェ?放せよ!」

男は秀兄の腕を振り払った。そのおかげで僕は男から逃れられた。

僕は秀兄の後ろに隠れた。

「で、お前らは俺の妹に何しようとしてたんだ?」

秀兄が怒ってるよぉ。

「何ってちょっと遊ぼうと思っただけだよ。」

「無理やり連れて行こうとしてたように見えたんだがなぁ?」

「ちゃんと同意の上ですよ。ね?」

男が僕を睨んでるけど、秀兄がいるからこわくないもん。

「僕は断ったのに、無理やり連れて行こうとしたんじゃないか!」

秀兄は相手をバカにしたように僕を指差して「こう言ってるが?」と言った。

「まあ、テメェをぶっ飛ばして連れていきゃあ済む話だな。お前ら!やっちまうぞ」

そう言って、男達は殴りかかってきた。

あーあ、終わったねこの人達。

秀兄、見た目弱そうなのに喧嘩強いんだよね。服の下も細身だけど引き締まってるし。

僕の予想通り、男達は瞬殺だった。

男達を邪魔にならないところに移動させていると、騒ぎを聞きつけて店員が来たので事情を説明を秀兄に任せて、僕は席に戻った。

席に戻ると希が不安そうに待っていた。

「楓姉どこ行ってたの?席に戻ったらいないから、心配したんだよ?」

「ごめんごめん。ちょっと絡まれちゃって…。」

そう言うと希は身を乗り出してきた。

「絡まれたぁ?大丈夫だったの?」

「うん、大丈夫だったよ?」

僕がそう言うと後ろから、

「まったく、全然大丈夫じゃなかっただろ」

と秀兄が現れた。

「おにぃなんでいるの?今日大学で用事があるって言ってなかったっけ?」

「その用事が急に無くなったから、昼食いにここにくれば、楓がナンパされて連れてかれそうになってたから助けたら、相手は急に殴りかかってくるし、ついてないな」

「秀兄ごめんね」

「お前のせいじゃないから気にするな」

「楓姉ちゃんと気をつけるんだよ?楓姉は可愛いんだから」

希は真剣な表情で僕に言った。

可愛い?!僕が?いつもみたいに軽い感じじゃないから、照れるよぉ〜。

ぽんっ

間の抜けた音がして、希と秀兄は驚いた顔をしている。

「どうしたの?二人とも変な顔して?」

希は僕の頭を指差して、

「楓姉!耳出てるよ?!」

と言った。

えっ!なんで?!さっきナンパされた時は平気だったのにぃ。どうしよう、帽子とか持ってないし…。

僕が慌てていると秀兄が来ていたパーカーを脱いで僕にかけてくれた。

「まったく、こうなることを予想して帽子位持ってこい。」

「秀兄ありがとう」

「俺は帽子買ってくるからここでフードかぶって希と飯食べてろ」

そう言って秀兄は帽子を買いに行った。

「ところで楓姉、尻尾は大丈夫なの?」

そう言われて、僕はお尻を触ってみたけど尻尾はなかった。

「尻尾は大丈夫みたい。」

「良かったぁ。じゃあ楓姉、秀兄が戻ってくる前にご飯食べちゃお?」

「そうだね」

僕と希は昼食を食べ始めた。



「「ごちそうさま」」「帽子買ってきたぞ」

食べ終わるのと同時くらい秀兄が帰って来た。秀兄が買ってきたのは春用のニット帽だった。これなら耳も隠れるしいい感じだよ。さすが秀兄。

「ありがと秀兄」

僕はそう言いながら帽子をかぶって、秀兄にパーカーを返した。

「お前らはこれからどうするんだ?俺はこれから飯食べようと思うんだが」

「私たちは、楓姉の服買いに行くんだぁ。秀兄も一緒にくる?」

「俺もいこうかな。さっきみたいなやつらがまた来るかもしれないからな。」

「じゃあ秀兄が食べ終わるの待ってるよ」

「すまないな。ちょっと待っててくれすぐ買ってくるから。」

秀兄はそう言ってご飯を買いに行った。

「楓姉はどんな服欲しいの?」

案内を広げながら希は僕に聞いた。

「うーん、スカートはちょっと恥ずかしいかな?」

「えー勿体無いよぉ。せっかく綺麗な足なんだから、スカートはこーよー」

希よ、僕は女の子になるって決心したけど、まだスカートには抵抗があるんだよ。

「スカートはまた今度にしよ?」

「やだ。スカート履いてくれないっていうんだったら…」

「いうんだったら?」

「今から耳を弄り倒してやるぅ」

そう行って希は僕の帽子の上から耳を弄り始めた。

「やめてよぉ〜。希〜。んっ!」

「ほらおねーちゃん?スカート履くの?」

「スカートだけ…は、嫌っ」

「じゃあ、しょうがないね。もっと激しくするね♪」

「んっ!あっ…やっ。」

激しくなる手の動きに僕のスカートは履かないっていう決意は見事に砕けた。

「ほらほらどうするの?スカートしか履かないっていうならやめてあげるよ?」

「それ…でいいから、やめてよぉ〜。」

「はーいじゃあ後でスカート買いに行こうね?」

「うん」

「約束通りにズボンは買わないからね?」

「なんでっ?!」

ズボン買えないの?!そんな約束した覚えがないよ?!

「私ちゃーんと言ったよ?スカートしか履かないっていうならやめてあげるよ?って」

「いつ言ったの?!」

「耳弄ってる時だよ♪覚えてないの?」

確かになんかそれっぽいこと言ってたような…。

「諦めてね、おねーちゃん♪」

「はあ」

「食べ終わったぞ」

気づかなかった。秀兄が戻って来たことにも、食べてることにもね。戻って来てたんなら止めてくれたっていいじゃないか〜。

「じゃあ、おにぃも食べ終わったことだし買い物の続きしよっか。」

「どこ行くの?」

「私がいつも買ってるお店が近くにあるから、そこ行こう」

そう行って希は僕の手を引いて歩き始めた。

秀兄ら後からついてきてるよ。



「「いらっしゃいませ〜」」

店員さん元気いいなぁー。

僕は店内をキョロキョロと見た。

結構、可愛い感じの服が多いんだね。

女の子っぽい感じだよぉ〜。

流石にハードルたかいです。

「楓姉こっちこっち。」

希に呼ばれて行くと店員さんがいた。

「おねーちゃんに服を選んであげて欲しいんです。スカートか太ももが見えるくらいのパンツでお願いします。」

またこのパターンか…。

着せ替え人形コース決定だよ…。

「少々お待ちください」

店員さんに言われて待っていると服をたくさん持った店員さんと希が戻ってきた。

「では、これを試着してみてください。」

店員さんはワンピース系の服を中心に持って来ていて、希はミニスカートとかホットパンツとか足が出る系の服だ。

「じゃあ、着てみるね?」

僕の戦いは始まった。

1着目

白のワンピース

「よくお似合いですよ?」

「おねーちゃん、可愛いー」

「似合ってるな」

結構みんなの反応良いね。

二着目

黒のTシャツにホットパンツ

「よくお似合いですね?」

「おねーちゃんの太ももキレー!!」

「良いんじゃないか?」

秀兄顔が赤いです。

三着目

パーカーにミニスカート

「やっぱりお似合いですね」

「おねーちゃん可愛い〜よぉ〜」

希、なんか寒気がっ

「似合ってるぞ楓」

やっぱり顔が赤いです秀兄。


そして僕の試着数は20を余裕で越えて体力の限界を迎えた。僕のね?

みんなは元気だよ?なんかファッションショーみたいになってるからね?

その店で10着ほど服を買い、僕らは帰ることにした。


帰りのバス

「楽しかったね、おねーちゃん」

「そうだね、僕は疲れたけどね。」

「俺は、楓の可愛い格好が見れて満足だ」

そんな風に話しながら僕らは家に帰った。

もうすぐ高校の入学式だー。

楽しみだなー。



















脱字がありましたら教えて頂けると幸いです。

お読み頂きありがとうございます。

まことに勝手ながら、次回から更新は木曜日と火曜日の週二回にさせていただきます。


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