※管理局制度(本の国基準版)6頁から抜粋
新参の異世界人が渡される資料の中の一ページ……という設定の読み物です。
管理局とは、異世界人の自治組織にして、慈善組織。
活動内容は以下に分かれる。
・異世界に漂流した遭難者の保護。
・保護したのちの生活支援。労働の提供。
・異なる世界の技術文化の発掘、研究。
・異世界人達の自治。法を定め、生活の安定を目指す。
・異世界漂流物質が原因となる災害現象の撲滅と防止。
上記の活動により、管理局員に所属する異世界人は二つに分けられる。
①実際に異世界に渡り、現地調査や異世界人の直接の保護に向かう実動員。危険が伴う。
②異世界の技術や文化の研究、実験、またその補助を行う非戦闘職員。審査に通れば『保護対象支援』として、身の安全と生活の保障がされる。
管理局に『保護』された異世界人は、以下のプロセスを踏むこととなる。
身体検査
(基礎能力値、異世界での順応度などを検査する。順応度が3以下であると未知の世界の環境に順応できず、命の危険が伴うためである。順応度は、アイテムや適応移植などである程度は上昇させることができる。)
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能力検査
(固有能力を調べる。稀有な能力であり、それを使いこなせる場合は『保護対象支援制度(後述)』の対象となる場合がある。)
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生活指導
(上記を踏まえ、希望する労働先などを提案する。基礎知識の講習、保証金や生活必需品の支給が無償で行われる。)
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必要技能の取得
(実動員である①を志す者は『管理局研修職員』として、平均三年間を過ごす。なお、研修員の所属は『第五部隊』となる。①希望者の研修生は、採用されてからも半年以内の生活は保障される。
非戦闘職員である②希望者も、最低限の戦闘訓練・必要知識の習得の後、志望する就職先に必要な技能を習得する。期間は人によりまちまちであるが、基本的に生活保障期間は五年で打ち切られる。)
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管理局職員として正式採用
なお『保護』ではなく、『捕縛』された場合の異世界人も存在する。
・自覚があって異世界へ滞在した場合。
・その世界に基準した犯罪を、犯罪の自覚があって行動した場合。
・その世界に存在しないアイテムの売買。
・その世界に著しい損害(エネルギーの搾取や筋書きの改変など)を与えた場合。
これらのケースの異世界人は違法となり『捕縛』される。
捕縛後は厳重な審査の後、『保護』の場合と同じプロセスを踏むか、罪に見合ったペナルティを受けることとなる。
『保護対象支援制度』
文化的、技術的な面において、管理局への功労が認められると受けられる保障制度。
金銭面、安全面での保障がされ、定期的な研究結果や論文等、試作品の提出が義務付けられる。
非戦闘員だけでなく、アイテム開発や実地調査を行う第三部隊の技術者は、特にこの制度を利用し研究資金を捻出している場合が多い。
またこれらの正式職員とは別に、派遣型の副職員も存在する。
これらの職員は危険な実働部隊に組み込まれることは無く、完全な『保護対象』として正式職員のサポートを行う。