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沙也加と僕  作者: ユキから
24/33

新しい朝が来た

驚きの再会をした。

翌日は二人とも、それぞれの仕事があり特に変化はなかった。

夕方、仕事が終わってユイさんと一緒に渋谷に出掛けた。


『ここって女性用のお店でしょう?僕は外で待ってます。』

「何言ってるの、ここで買うのは優也さんの為よ。早く入りましょう。」

『えっ、僕の?』

と言っているのを構わず、腕を引っ張られてお店の中へ無理矢理連れ込まれた。


ユイさん、小さな声で言ってきたのは

「どうせ明日はお休み、会うんでしょう?だったら、何かプレゼントして喜ばせなさい。」

『あ、そういう事ですか?だったら、そうと言ってくれれば。あ、でも、何がいいんですかね?』

「そうね、アクセサリーとか、お財布なんかも?サクラさんって、どんな好み?」

『わかりませんよ、そんなに長く一緒にいたわけじゃないから。』

「そうだね、じゃあやっぱりお財布のようなのがいいんじゃない?」

『わかりました、けど、どんなのがいいですか?』

「長く使える、丈夫な、それでいて可愛いのかな?」


バッグ売り場の一角に財布のコーナーがあり、早速、目に入った赤い財布を手に取った。

数多くのビーズ玉に包まれ、見た目にも華やかに思っていると

「可愛いわね、でもビーズ玉がネックね。色合いはいいから、別のを探さない?」

『ビーズ玉が気に入らない?』

「もし一粒取れたら?急に気に入らなくなっちゃうでしょう。ほら、スマホなんかをデコレしてるじゃん、何度も使っているうちに、いつの間にか剥がれて見窄らしくなっちゃってる。見た事あるんだ。」

『そう言われればそうですね。』


そして見つけた赤い財布、横長で、一見するとポシェットのように見えるが、柔らかな皮で手触りもよくいい感じがする。

「それなら喜んでくれるんじゃない?それにする?」

『喜ぶかな?』

「当たり前でしょう。ずっと大切にして使ってくれるわよ。」


夜、遅くにサクラから電話が掛かってきた。

「いよいよ明日、二人っきりでデートだね。」

『そうだね、楽しみだよ。どこか行きたい所は?』

「どこでもいいよ。トモ君とだったら、あ、なんだったらトモ君のお部屋とか?」

『ば、バカな。いきなり。すぎるだろう?とりあえず、いい所へ案内するよ。美味しいのを食べて、スイーツなんかもね。』

「ま、仕方ない、それでいいよ。ねえ、明日は変装とかするの?」

『しようか?ま、必要ないから。サクラは?』

「私?私こそ必要ないよ。トモ君みたいに有名じゃないから。大丈夫、三条優也さん?」

『大丈夫って、何が?』

「だって、デビュー以来、スキャンダルがないんでしょう?サングラスぐらい、しててもいいわよ。」

『それって、素顔の僕じゃイヤだってこと?』

「ふぅーん、そう言う反論出来るんだ?私の気持ち知ってると思ってたのに。」

『ごめん、結局謝るのは僕?3年間の空白を埋めるのに、相当な時間をかけなきゃいけないのかな?』

「謝らなくていいよ。その分、好きって言ってくれればいいからね。」

『人前じゃなければいいよ。』

「おっ、素直!ンフフ、じゃあ今。」

『好きだよ、大好き。』

「ああああ、私も、大好き。」


翌日、午前9時前に待ち合わせ場所に到着した。

10時ごろの待ち合わせにしようと話したところ、もっと早くしようと押し切られ、混み合った電車に乗って来た。

そして、9時ジャストに可愛い格好でサヤカはやって来た。

「おはよう〜。待った?」

『いや、待ってないよ。相変わらず、眩しいな。』

「ん?あ、朝食は?」

『食べてない、サヤカは?』

「私も。どっかない?」


待ち合わせに選んだのは、恵比寿ガーデンプレイス。

駅から案内板に従って歩いて来ると、広場に到着する。ほぼ正面で待っていると、人通りは多いが比較的見つけやすいので、この場所にした。


ビルの1階にあるスタバに入って行った。

メニューを眺めても、初めての入店でさっぱり分からない。

ただ、フードについては写真が出ているので適当に選んでみた。

結果、サヤカはメキシカンアボカドと甘めのコーヒー。僕はマスタードチキンと、シンプルなコーヒーを注文した。

お店の中を見ると、お客さんの人数は多いが、すでに仕事が始まっているのだろう、空席も目立っている。

品物を受け取り、奥の方の席に着く。


「どこへ行っても人、多いね。トモ君、もう慣れた?」

『無理、無理。今日も小さくなって電車、乗って来た。』

「デートするの嬉しいけど、移動するのって、なんかさぁトラウマになりそう。」

『そうだなぁ、これからはもっと考えるよ。』

「私も聞いてみる。真由美は東京育ちだから。」


すると、急に黙った。

メキシカンアボカドを食べるでもなく、コーヒーを飲むでもなく、何故か口ごもっているようで。

慌てても仕方ないので、僕はコーヒーを飲み始め、美味しそうなサンドを一口頬ばった。

それでも黙ったままのサヤカ、さすがに声を掛けるのは僕の役目と思い

『どうかした?』

サヤカは、僕の声に反応すると視線を僕に向けて来たが、尚も黙ってる。

「ん?」

『変わった?』

話しづらいのかなと思い聞いてみた。ようやくサヤカは、コーヒーを一口飲んで

「確かに変わったよ。トモ君、先に行き過ぎ。想像してたトモ君より、ずっと年上。」

『年上?全然だよ、どうせバレるから正直に言うとね、高校の3年間って、ほとんど勉強してなくて何も分からないんだ。友達もいないし、サヤカはかおりさんと、真由美さんの二人と・・羨ましい。』

「ふぅーん、そうなの?じゃあ、その辺だけは私の方が優位ってこと?」

『何を競ってるんだよ。あはは、そっか、そう言うことか?』

「何、何よ、笑ったりして。」

『ん、笑ったのは、静かなサヤカのことを気にし過ぎたからだよ。楽しくないのかなって、心配したからさ。』

「気になった?正直に言うとね、かおり達がね、浮かれ過ぎて今までの3年間を、簡単に許すなって。夕べから散々シナリオを作られたの。どう、迫真の演技だった?」

『そうだなぁ、マジ、どうしたのか心配したよ。でも、安心した。』

「もう普通に、あの頃の自分に戻るね。いっぱい聞きたいことがあるし、知りたい事もね。」

『手加減してくれよね、どんなことでも答えるからさ。』


そして、まず始めたのは、目の前の食事を済ませることからだった。

女性が大好きだと聞いているアボカド、食べているサヤカを見ていると、自然に喜んでいるのがよく分かる。

時々、口の周りにマヨネーズが付く、すると、可愛い舌の先で器用に舐め取る。

3年前には見た事もない顔、その仕草が益々可愛く思えるのだった。


ひとしきり無言で食べる事に専念して、ようやく食べ終えた。

「あゝ、美味しかった。さて、何から聞こうかな?」

『慌てなくてもいいんじゃない?これからはずっと近くにいるんだから。』

「ウフフ、それはそれ。んーとね、最初の質問、随分大きくなったね、どのくらい?」

『身長?約180ってとこ?サヤカだって伸びたよね?』

「うん。多分、164~5?あ、でもね、胸も大っきいよ。」

『コラッ、聞いてないぞ。ま、見ただけで分かるけどさ。それより、スタイル全体がいいよね、どうした?』

「どうしたって、やっぱりアイドル目指して、いろいろやったから?ちょっと〜、質問者は私よ。」

『おっ、ごめん。じゃあどうぞ。』

「トモ君って、ファンクラブとかあるの?」

『うん、一応はあるよ。』

「へえ〜、何人くらい?」

『さあ、何種類かの会員さんがいるみたいで、詳しくないんだけど、数10?』

「えっ、そんなにいるの?すっご〜い。ねえ、ほとんど女性でしょう?」

『確かに女性の方が多いみたいだけど、結構男性もいるらしいよ。』

「なるほどね。で、いつから出来たの?」

『三条優也として売り出した頃?SNSとかでアクセスが増えてきたからって、会社の方から。』

「そっか・・・知らなかったなぁ。」

急に物思いにふけった顔になって、サヤカは冷めたコーヒーを飲み始めている。


『なぁ、気を悪くしないで聞いてくれる?』

「あ、うん、なに?」

『サヤカがさぁ、もし良かったら、もしだよ、嫌ならいいんだけど、ファンクラブに入ってくれる?』

「三条優也さんの?」

『あゝ、僕のだけど?』

「どうすればいいの?申込み用紙とか持ってる?すぐにでも入りたい。」

『じゃあさあ、山野サクラさんのファンクラブに、僕も入会させてくれる?そしたら、』

「もちろんよ。そしたらって、なぁに?」

『ん?実は・・・僕のファンクラブの会員名簿、ずっと1番が空席でね、そこに入って欲しいんだけどいい?あ、野崎にするよね。』

「えっ、ホント?それって、私のために?うわぁ、嬉しい。あ、じゃあ私の方も、1番に山城友哉にしようかな?」

『なぁ、僕の名前、気付いた?』

「ん?どっち、三条優也?カッコいいよね。今のトモ君にピッタリと思うよ。」

『そこまでかぁ〜。名前の由来、分からない?』

「由来?そう言うのあるんだ?知らない、第一、テレビ見てなかったから。」

『そうだった、あのね、本名の漢字、書ける?』

「あ、バカにしてる?書けるに決まってるでしょう?山にお城。」

『それ、読み方を変えてみて。』

「ヤマ・・・ん?、まさか、サン・・ジョウ・・・ゲッ、友哉がユウヤって言うの?うそ、嘘ダァ〜。」

『そう言うことだよ。だから、実はサヤカにすぐバレると想像してたんだよ。見てくれなかったとは思わなかったからさあ。』

「そ、それは真由美の策略だよ、今さら。あ、でもね、ようやく三条優也さんっていう名前、すぐ近くに来たって思う。トモ君と優也が同一人物になった瞬間?あはは〜、すごいことになってる。」


その時の顔、表情に見覚えがあった。


『あのさ〜、とにかくずっと近くにいなかったことを、改めて謝りたいんだ。それで、これからはずっと一緒にいたいんだけど、いいかな?』

「もう謝らなくていいって言ったでしょう?ん?ねえ、今のって、ひょっとしてプ、プロポーズ?」

『プロポーズ?あ、ま、そうかも?とにかく、告白した・・よ。それでさあ、これ、使ってくれる?』


ユイさんの勧めで買ったプレゼントを、サヤカの前に差し出した。

「エッ、指輪?・・・にしては、大きくない?何、くれるの?ひょっとして、プレゼント?」

『気に入ってもらえると嬉しいんだけど。』


包装紙を開け、中の箱から取り出した。

「ワォ〜、可愛い〜、いや、素敵なお財布。こんなの欲しかった〜。ありがとう、大切にします。」

『色は?』

「最高よ、トモ君ってセンスいいわ。あ、まさか誰かに同じことしたんじゃないでしょうね?」

『喜んでくれたんじゃないのか?』

「だって、こんなの初めて?めっちゃ女の子が喜ぶ物だよ、なぜ知ってるの?」

『ユイさんに教えてもらったんだよ、生まれて初めて買ったんだ、本当だよ。』

「ありがとう。可愛いね、それに、高そうだね。」

サヤカは嬉しそうに手にしたまま、ずっと眺めている。


「私、何もあげるもの持ってない、ごめん。」

『おいおい、クリスマスじゃないんだよ。』

「でも〜。」

『じゃあひとつおねだりしよっかな?』

「いいよ、言って。あ、あんまり高くないのにして。」

『いや、高いぞ。覚悟するんだ。』

「えーっ、お金、あんまり持ってない。けど、言ってみて、今日は無理かもしれないけど、次に・・・」


『じゃあ言うよ。僕がほしいのは・・・とびっきりの笑顔。誰にも見せない僕にだけのだよ。』

「えーっ、笑顔?さっきからずっと笑顔だよ、これ以上の?」

『ああ。』

「ふぅーん、じゃあ見てて。・・・こんなの?」

『普通だなぁ。』

「じゃあこう?」

確かに、今まで見たことのない可愛い笑顔だと思う。

『もっと感情を込めて。』

「感情を?こう?これ以上って、出来ない・・・」

『なんか、表情が・・・平凡。』

笑顔の上に、表情を付け加えたサヤカ

『・・・クッ、おお、それ、それだ・・・クッ』

ずっと止めたままだった。

「ねえ、笑った?今、笑ったよね?酷くない?」

『い、いや、笑ってない。すっごく良かった。ずっとその笑顔を見せてくれたら、僕は嬉しいよ。』

「ちょっと〜、分かったんだからね〜。今のって、変顔じゃん。意地悪〜〜。」

『あははは、バレちゃった?あ、でも、大好きな顔だったよ、本当に。ありがとう。』

「もう〜、でも、ま、今のでいいなら、毎日でもやってあげる。」

『ただし、僕だけに。』

「当たり前でしょう?他の人に見せたら、きっとドン引きされちゃうよ。」


最初のお店ですっかり長居してしまい、どうやらお昼がすぐのところまで近づいているようだ。


「次はどこ?」

『どこがいいかと思い、考えたんだけど。そうだなぁ、あの頃に戻ったら行くだろうなというところ。』

「ん?それって、デートに行くってこと?」

『そうさ、田舎に無かったけど、もしあったら行ったんじゃないかな?ちょっと遠いけど。』

「いいよ、どこでも。ウフ、いよいよ本格的なデートね。」


さすがに電車の方も空いていた。途中、電車を乗り継いでようやく到着した。

「あれっ、海が見えるよ。ここになんかあるの?」

『葛西臨海水族園ってのがあってさ、広いんだ。』

「すごい、そういうとこ、行ってみたかったんだ。」

『どう、デートらしくなってきた?』

「最初っからだよ、こういう日を待ってたんだよ、トモ君は?」

『もちろんだよ。』

「大丈夫かなぁ?」

『何が?』

「ようく考えてみると、三条優也さんだよね。みんな知ってるんじゃない?」

『そうでもないと思うよ。で、もし知ってたら?』

「SNSで大騒動?」

『イヤ?三条、めっちゃ美人と隠れたデート?とか?』

「美人って、私のこと?」

『当たり前じゃん、あ、でも、隠れたデートじゃないよなぁ。本当のデートだし、あ、そうだ、サヤカは困るな。今から売れ出すんだから、どうする?ちょっと隠そうか?』

「どっちがいい?優也さんを利用して売名?」

『僕を利用して売れるんだったらいいよ。ま、そんな必要はないけど。ならさぁ、サングラスだけでもかける?』

「そうしようか。一緒にかけない?」

『いいよ。あ、でも誰かにカメラを向けられたら、サングラス外そうか?』

「ゲッ、勇気ある〜。いいの?私はいいけど。」

『僕たちって、変な関係?そんなことないし、ドラマの共演者とか、同郷、同級生、何だったら彼女宣言するんでもいいよ。事実だし。』

「ウフフ、それを聞いておけばいいわ。じゃあ、今日は番宣のひとつとして、模擬デートってことにしようか、思わせぶりを装うのよ。」

『じゃあトモ君とサヤカは封印して、サクラと優也だね。』

「うん。ということは、手は繋げないってことね。」

『週刊誌とかだったら、あえて繋ぐ?あ、このレストラン、入ろうか?』

「そうだね、腹ごしらえしなくっちゃ。」


軽い昼食だったのは、平日なのに混んでいたからだった。


水族園はかなりの広さと、多くの種類があるようで、サクラの提案で今回は三分の一ぐらいを見回って、残りは次回からの楽しみにすることに決まった。


驚くほど高い水槽の中に、大きなマグロがグルグル回って泳いでいる。

サクラはその動きをジッと眺めているので、聞いてみた。

『どうした、凄いのに驚いたのか?』

「あ、うん。お寿司が食べたくなっちゃった。美味しいだろうなって。」

『なんだ、そっちか?今、お昼食べたとこだろ?』

「今度ご馳走して。回るのでもいいよ。」

『オッケー。』


3時間ほど、飽きる事なく回っているところへ、スマホにメールの着信音が鳴った。

丁度出口の近くだったのでサクラと一緒に外へ出た。

メールの発信者は、ユカ、アリサ、サチの連名だった。

文章を読んでみると、ドラマ出演の依頼が届き、その事のお礼と感謝、今日、暇だったらいつものお店に夕方からいるって内容だった。

「お仕事の連絡?」

『あ、イヤ違うよ。3人組の友達から。今度のドラマにチョイ役で出演してもらうんだ、その正式な連絡が来たって。』

「男の子?」

『イヤ、女の子。』

「ゲッ、聞いてないよ。他に女子は知らないとか、興味無いとか。」

『そうだよ。あ、そっか、疑われてる?会ってみる?』

「あ、うん。いいの?」

『いいに決まってるじゃん。何だったら、彼女って紹介しようか?あ、イヤ、サクラを見たらバレるな。』

「いつ会わせてくれるの?」

『今日だよ、夕方から3人集まってる。今から戻れば会えるよ、どうする?』

「会ってみたい。ホントにいいの?」


時間の約束は出来ないが、夕方には行けそうだと返信しておいた。


サクラには内緒にして、待ち合わせ場所に向かっていた。


「ねえ、三条優也って気付いた人、何人ぐらいだった?」

『ん?いなかったんじゃないかな?』

「そんな事無いよ、少なくても10数人はいたよ、聞こえてたもん。」

『そうなんだ、僕は気付かなかった。で、サクラのことは、どう言ってた?』

「えへへ〜、可愛い子って。でも、誰?って必ず付いてたけどね。」

『そりゃそうだろうな、サクラを見りゃ、誰でも可愛いって思うだろうなぁ。』

「あ、1組だけCMの出演者ってバレてた。凄いんだねCMって。」


結局2時間以上かかって、ようやく待ち合わせ場所に到着した。

「ここ?静かな住宅街みたいね。」

『そうだね。実は、あの向こうに見えるマンションが、僕ん家だよ。』

「ふぅーん・・・ゲッ、い、今何て言った。トモ君ん家?」

『今日は案内できないけど、いずれおいでよ。』

「もちろん行くわよ。へぇ〜、いい感じね。ウフフ、いつにしようかな?」


待ち合わせのカフェのドアを開け、中に入って行った。


3人はいつも座っている席から、僕を見つけたようで、ほぼ同時に手を振って迎えてくれた。

『久しぶり。』

「ご無沙汰でーす。」

一歩後ろから付いてきているサクラを、3人からよく見えるよう僕の横に立たせる。

『紹介するよ、こちら・・・』

「あ、分かりますよ。あのCMの方ですよね、やっぱりキレイです。」

「多分そうだろうって、私たち話してたんですよ。ウフフ。」

「すっごくお似合いです。悔しいくらい可愛いですね、よろしくお願いします。」


口を挟む間もない。サクラも、呆気にとられ目を大きく開けたままだ。

『どうした?まだ何も言ってないよ。』

「ユウの初恋の人でしょう、私たちを甘く見ないで下さいね。」

驚いてサクラの方を見ると、同じように僕の方を見たサクラは、すぐに笑顔になって

「そうなんです、って言っちゃってもいいのかな?」

「いいんですよ、私たちはユウ、あ、優也さんの味方?あ、違うよね、それじゃ敵がいるみたい。」

「サチったら、上がってるの?そういう時は、ズバリ親友って言っちゃいなさい。」

そこで僕がサクラに説明する事にした。

『そうなんだ、この子たちは親友だよ。普通に相手してくれて、知らない事なんかを教えてくれるんだ。』

「でも、初恋の事なんかを話したの?」

『ああ、嘘をつく必要も無いし、隠す事も無いからさ。けど、サクラの顔とかを話してないけど。』

「最初の頃はキャロちんさんといい感じって思ってたんですけど、ユウと話しているうちに、もっとステキな、ピッタリな人がいるって。ドアが開いた瞬間に分かりました。お二人の上に、キラキラと輝いているラメのような・・・」

「ラメ?表現が下手くそよ。」

あはは〜

すっかり和んだ笑い声が響いた。




第25話をお楽しみに






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