箸休め 3姉妹、午後のお茶会
羅刹(以下、羅)「はい、お疲れさま。今回は第一回目ということで、豪華なおやつがありまーす。かぼちゃのプディングとかぼちゃのタルト、飲み物はロイヤルミルクティーですよ。」
般若(以下、般)「豪華って・・・ロイヤルミルクティーはともかく、その他はハロウィンの余りじゃないの。」
夜叉姫(以下、夜)「なんでもいいよ〜わぁーおいしそ!いただきます。」
般「で、なんなの?わたし達修行の為に『象頭山』に向かったんじゃなかったの?」
羅「今回はね、箸休めって事で私達のお茶会&座談会なのよ。」
夜「座談会ってなにするの?」
羅「普通ならこれまでの物語を振り返る、って事なんだけど。まだ13話だし、それはまたって事にして。今回の座談会は、『ASHURA』の設定について3人でお話しようと思ってるの。」
夜&般「設定?」
羅「そ、設定。ていうか私達の名前の由来とか、世界感の話ね。」
般「羅刹、夜叉姫、般若の名前になにか由来でもあるわけ?」
夜「無いとおもうな〜思いつきで名づけられたと思うんだけどな。」
羅「そうなんだよね・・・私もそう思うんだけど、ここに一応設定資料があるのよね。」
夜「へー見せて、見せて。」
羅「ちょっと待ってね。この資料によるとだね、羅刹、夜叉姫、般若。と他に阿修羅って女の子がいるのよね。」
般「え?ちょっと待ってよ。阿修羅って女の子が出る予定だったの?」
羅「そ。その阿修羅って女の子は『念動力』の持ち主で、私達の前に突然現れて世界を巡る旅をする。
って話なんだ。」
般「その阿修羅って女の子、まんまわたしじゃないの・・・じゃあ最初の設定の般若はどういう子なの?」
羅「えとね・・・初期設定の般若はね、今より幼くて口癖は『はにゃ〜』だって。ていうか『はにゃ〜』しか喋らないね。」
般「なによそれ!」
夜「わたしは、わたしは?」
羅「私と夜叉姫は、ほとんど変わってないね。しいて言えば今より年齢が若いって事かな。」
般「まあいいわ、んで名前の由来は?」
羅「読んでいるとわかると思うけど、ほとんど仏教関連の名前が付けられてるの。十二神将とか護法善神から引用されてるわね。」
夜「わたしと羅刹は八部衆の眷属だよね。宮毘羅くんは十二神将の1人だし、般若は『般若心経』からだよね。」
般「わたしだけ・・・お経なんだ・・・」
羅「まあまあ、いいじゃない。それと『西遊記』の登場人物も出ているってのもわかる?」
夜「え、『西遊記』?えー誰、誰?」
般「わたし解った!羅刹でしょ?」
羅「ぴんぽ〜ん!正解。羅刹女ね、牛魔王の妻で芭蕉扇の持ち主なのよね。火焔山の火を消すために来た孫悟空と、戦ったりした人ね。」
夜「なるほど・・・だから『芭蕉旋風脚』なのね。」
羅「他にもう1人いるんだけど・・・わかる?」
般「もう一人?うーん・・・誰だろう・・・」
夜「わかんないな・・・」
羅「それでは、正解を発表します。実は、順風耳先生なのです。」
夜&般「えーーーーー!」
羅「『西遊記』に出てくる順風耳は千里眼と共に、花果山から産まれた悟空を最初に見つけた人物なのよね。まあ、作中にはほとんど関係ない人物だけど。」
般「そんな、レアな登場人物を引用するなんて・・・」
夜「まあ『西遊記』は、冒険小説のお手本だよね。作者の大好きな小説の一つらしいね。」
般「そのうち、金角、銀角とかでてくるんじゃない?」
羅「それはないんじゃないかな?でも、仏教関連で引用していくとなるとその内『西遊記』の登場人物もまた出てくるかもね。」
夜「んで、三章はあたしたちの修行編だよね?」
羅「いいえ、三章は私達はお休みです。」
般「なんでーーー!?」
羅「なんでって、私に言われてもわかんないわよ。原案によると、新しいキャラが出てくるらしいわね。」
夜「またぁ?この物語って脇役のキャラが立ちすぎなんだよね。ぎっちゃんとか、観音さまとかさ。」
般「さわりだけ教えてよ。」
羅「ほんのさわりだけだよ。あのね『ASHURA』を探して旅をする人達が、私達の他にも現れるの。」
夜「へーそんで、そんで?」
羅「おっとここまで、詳しくは三章に入ってから。」
夜&般「えーーーケチ!」
羅「まぁいいじゃない、私達はゆっくりお休みしましょう。」
夜「だね、さーてとまだおやつは残ってるし。食べながら休んでおこうよ。」
羅「そういう事。今回はここまでにして、お茶会を楽しみましょうよ。」
般「今回はって、2回目もあるの?」
3姉妹の午後のお茶会は、これでお開きです。2回目は・・・あるのか?