saidハーレイ
saidハーレイ
視点が変わります。
といっても1ページですが…
訳が分からない俺の所に駆け寄ってくる少女、モニカ。
彼女を改めて見た瞬間、安心すると共に体が強張るのがわかった。
それは、彼女を見た瞬間フィオーラの顔を思い出したからだ。
別れ際言われた言葉が脳裏に横切る。
だが、自分はそれを覚悟でここまで来た。
しかしその場に、神々しいまでの精霊の一言に全身が凍る。
その言葉からは自分は逃げられないのだと、知っているからこそ動けなくなる。
自分の逃げられない宿命、とも言えるべきもの。
こんなもの望んでいない、と幾度となく思った。
だが、思うだけではなにも変わらない。
変えるために動くんだと知ったから、自分はここにいる。
自分の胸が疼くような感覚や気持ちの名前をまだ見つけられていないが、分かった時に何かが変わるような気がするから……。
だから、自分は立ち止まらない。
俺の前に立ち、華奢な身体で俺を守ろうとする彼女に、ふと笑みがこぼれた。
自分と少し似ている。
そう思った。
逃れられない運命に嘆く姿も、まるで昔の自分のようだった。
saidハーレイ end
この人の性格は作者にもあまりわかりません←