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精霊達のレクイエム(鎮魂歌)  作者: 真条凛
戸惑う心と揺れる水面
10/30

人の手、精霊の手

視点戻ります

自分の言葉には嘘偽りはない。


確かに、王族に私の力のことがばれたら私に未来はない、とも言えるだろう。

だがそれ以上に、彼なら大丈夫だと、本能とも言える直感的なモノが伝えてくるのだ。


それは、私の恋心からくる贔屓かもしれないが、私はそれでもいいと思った。



「な、に...命の恩人」



「そうよ、それでも貴女が彼を攻撃すると言うならば、私は貴女を許さないわ。」


その言葉は、奏霊弔者を守ると言った精霊ではなく、人間の手を取るという意思表示。


それが、どういうことを指しているかは分かっているつもりだ。


「っ……!」


そして、私の言葉に、意志に怯んだ精霊。

明かに動揺、と見て取れる。



私は、ただ言葉もなく彼女を見つめる。



と、まず先に身じろぎしたのは精霊。

そして言葉を紡ぐ。


「……それほどに貴女の意志は固い、ということなのね」


それは質問でも疑問でもなく、確認。


私の一言で全てが変わるような気がした。

だが初めから私の答えは決まっている。



「ええ、変わらないわ。」



精霊の金色の瞳を揺らぎ無く見つめ返せば、今度はそれに答えるかのように見つめ返された。



底光りするその金色の光りは先程と違い、どこか優しさを感じさせた。



「……いいでしょう。貴女の好きにしなさい。」



どこか突き放すような言い方。

だが、口調こそそうなのだが、やはり目だけは優しかった。



彼女の言葉は絶対だ。



彼女の周りに群がるようにして居た妖精達は、自身から身を引くように一歩後ろに後退した。




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