第五話 実在するとは思わなかった
PVが2000超えたよわーい!
ありがとうございます!
いまさらですが、不定期です。
ユニエールの目の前では、凄まじい光景が繰り広げられていた・・・
騎士や、魔導騎士たちが片端から吹き飛ばされて行く・・・
召喚室から現れたのは、とても珍しい漆黒の髪と目をした少年だった。
現れると同時に、部屋の設備を吹き飛ばし、強化扉を蹴破った。
不思議と敵意は感じなかった。
・・・優しそうな目をしているが、何を考えているのかはわからない。
しかし、騎士達はいきなり斬り掛かった。
ユニエールは思わず悲鳴を上げかけた。
・・・しかし、だれひとり少年に傷を負わせることは出来なかった。
「あ、あれはもしや魔法障壁!?
あんなに効率悪いのに出しっぱなしで全身を覆いながらあんな強度!?」
つい説明的なセリフをしゃべってしまう
少年は何かを話し掛けようとしていたが諦めたらしく、顔付きをガラッと変えると、異世界の言語で雄叫びを上げながら暴れだした・・・
少年は全ての敵を沈黙させると急に振り返り、何事か喋りながら部屋の中へと戻っていった・・・
・・・ど、どうしよう・・・騎士さん達は全滅しちゃったし・・・
・・・でもみんな気絶してるだけみたいだなぁ・・・
それに、なんか話し掛けようとしてたみたいだし・・・
最初は敵意もなさそうだったし・・・
いつの間にかみんな居なくなっちゃったし・・・
・・・ちょっとこわいけど話し掛けてみよう・・・
・・・身振り手振りで・・・
などと考えていると、少年が部屋から出てきた。
よ、よし、いまだ!
「あ、あのぅ・・・」
・・・ど、どうしよう!?
つい勢いで話し掛けちゃったけど、何話せばいいんだろ!?
って話せないんだ!?
・・・うぅ・・・帰りたいよぅ・・・
「む、今度はなんだ!?」
「ご、ゴメンなさっ!・・・
あれ?
喋れてる!?」
さっきはどうしても話しが通じてるようには見えなかったのに・・・
「あぁ・・・今ちょうどこの大精霊さまと契約したからな・・・」
えぇっ!?
「精霊契約!?
い、いつの間に!?
てゆーかとっても難しいんだよ!?」
「そうなの?・・・まぁ拾ったようなもんだけどな」
「「拾った!?」」
約二名が衝撃を受けていた。
「ってその短剣が?」
「わかるのか?」
「う、うん・・・ボクは魔眼持ちだからね・・・」
そう、マナや魔力の流れが見えるのだ。
「なん・・・だと!?」
「ご、ゴメン・・・気持ち悪いよね・・・」
魔眼は、特に害をなす物ではないのだが、いまだに『見たら呪われる』だのといった迷信、差別や偏見にさらされることも多い。
「ボクっ娘だと!?
おいフィア!? この翻訳はどうなってやがる!?
・・・この世界にはそんなモノが実在しているというのかッ!?」
「気にするのはそこなのかッ!?」
「や、やっぱり変かな・・・わ、わたしとかのほうがいいかな?・・・」
「お前もかッ!?」
フィアは空気ガン無視の2人に挟まれて泣きそうだった。
「いや! 良いと思います!
かわいいと思うよ?」
「かわっ!?」
「んでもって魔眼だと!?
目が金色っぽいのはそれでか・・・
・・・綺麗だな。」
「きれっ!?
・・・いやそうじゃなくて魔眼なんだよ?
不気味じゃない?・・・」
「かっこいいな。
邪気眼よばわりされないかが心配だが。」
「そ、そう・・・ならいいけど」
「い、いいのか・・・」
フィアはなんだか疲れているようだ。
「そ、それで、これからどうするつもりなの?」
「ああ・・・俺らもどうしようか相談してたところなんだ・・・」
「・・・ご・・・ごめんなさい・・・
ボクたちが召喚実験なんかしたばっかりに・・・」
「あぁそのくだりはさっきやったからいいや」
「へ?」
「別に俺を狙って困らせるためにやったわけじゃないんだろ?
まぁ事情はあとで詳しく聞かせてほしいけど。
まぁ元いた世界より楽しそうだし、まだこの世界のこととかわからないし、知り合いもフィアの他にいないから助けてくれると助かる。」
「う、うん・・・この実験やったのはうちのお父さんだし、もちろん助けるよ!」
「うん、よろしくな!
・・・俺は大神 英司だ。
・・・英司が名前な?」
「うん、よろしく・・・エイジ
ボクはユニエール・エストライゼ
・・・ユニってよんでね?」
「ん、よろしく、ユニ」
「さて・・・それにしてもこの状況、どうしたものか・・・」
「ふむ・・・私がサポートするから、広域回復魔術でも使ってみたらどうじゃ?」
「おお!
出来るの魔術!?」
「もちろんじゃ!」
「えっ!?
さっき使ってたんじゃないの!?」
「いや、俺のいた世界には魔法がなかったんだよ。
・・・てかそっか・・・さっき俺がやってたのは魔術だったのか・・・
便利だな魔術!」
「いや普通あんな便利な魔術は無いよ?」
「あるじの膨大な魔力だからこそじゃな」
「そうなのか・・・
それってもしかしてすごい?」
「凄まじいよ」
「フッ・・・さすが俺!!(キラッ)」
・・・ムダにカッコいいポーズをとって歯を光らせた。
「・・・うんまあ魔力はすごいよねー・・・」
「そうじゃな」
「おまえらなんだその目は?」
「「別に」」
「ならばよし
・・・それじゃ、やってみるか」
「うむ
・・・じゃあ私の短剣にマナを送り込むのじゃ!
術式の構築は私がやるからのう」
「こうか?」
英司は、短剣を握りしめると、『力』を送り込むようにイメージした。
「うむ、行くぞ!」
ヴンッ!
と、音を響かせて、短剣の宝玉が輝く。
次の瞬間、足下から青白く光る魔法陣が広がった。
魔法陣はみるみるうちに広がっていき、倒れている全ての人を包んだ。
そして、魔法陣がひときわまばゆく輝いた。
その光がおさまったとき、負傷者は全て回復していた。
「・・・なんて非常識な回復魔術・・・」
「まさかこれほどとはのう・・・」
「さすが俺!」
「・・・あるじよ、何がすごいのかわかっておらんじゃろう・・・」
「効果範囲広いとか?」
「それもだけど・・・回復魔術ってのは、対象の治癒力に上乗せする程度のモノなんだよ・・・
それをこの規模で全快させるなんて・・・それも一瞬で・・・
これを非常識といわずしてなんていうのさ・・・」
「そうか・・・オラわくわくしてきたぞー!」
「・・・なんかもういいや・・・」
「うむ、気にしたら負けじゃな」
「なんだ?」
・・・英司は1人不思議そうにしていた。
はい!まさかのボクっ娘でした!
男だと思いました?
・・・え?気付いてました?
あ、あざといですと!?
・・・まぁそれはおいといて。
いやなんか異世界モノのヒロインというと、『青髪ロング』が多いというイメージがあったのですが・・・
というわけで金髪ショートのボクっ娘が登場です。
今のところメインヒロインな予定ですかが、どうなるかはわかりません。
・・・なんでボクっ娘にしたかって?
それは、ニコニコで、ロンさんの【『おちゃめ機能』歌った】を聴いた時、「ボクっ娘、アリだな!」・・・と、思ったからです。
あれは凄まじい中毒性ですね。
ではまた。