第二話 緊急事態
キャラの視点と第三者の視点が混ざって分かりにくいのは、単に作者が何も考えていないからです。
すいません。
『ボク』、こと『ユニエール・エストライゼ』は、驚愕していた。
今日は、伯爵でありながら技術者である父、カイゼル・エストライゼの依頼で、大規模な魔獸召喚実験にたちあいに来ました。
何でも、成功すれば、最強の魔導生物兵器になるそうです。
ボクは魔眼持ちだからマナの流れが見えるんです。
「マナコンバータ始動!」
「魔導回路接続!」
「術式、作動します!」
「さぁ・・・何が出るかな?」
この大掛かりな仕掛けは、異世界より強力な魔獸を安全に召喚しますが、それがどんな魔獸かは見当もつかないそうです。
「術式が展開しました!・・・どうやら目標を捕捉したようです!」
厳重に隔離された召喚室の中で、薄紫色の魔方陣が浮かび上がっているのがマナスクリーンに映し出されます。
「さぁ来い!我が国の平和の礎となるために!」
・・・ゴゴゴゴゴゴゴッ!!
「!?・・・こっ・・・これはッ!!」
「どうした!? 何があった!? 」
「も、目標が凄まじい勢いでマナを掌握しています!・・・このままだと、この国の貯蔵マナが全てが取り込まれかねない勢いです!」
「そっ!?そんなバカな!?・・・全てだと!?この国が五年はまかなえる量だぞ!?」
「と、停めろ!実験は中止だッ!」
「・・・と、停まりませんッ! 目標に逆探知されましたッ! 完全に掌握されています!」
「えぇいッ!回路を遮断しろ!召喚室を隔絶するんだ!」
「駄目です!もはや向こうの方が出力が上です!」
「あ、あり得ない・・・下手をすれば霊脈が枯れる可能性すらあります!!」
「なっ・・・なんてことだ・・・こんなことになるなんて・・・」
な、なんだかとてつもなくとんでもない事態になって来た・・・
も、もしかしたらボクは、この国の終わりをこの目で見ることになるかも・・・
魔眼があるボクには、凄まじいまでのマナのせめぎあいと、とてつもない魔力の干渉が見えます・・・
今のボクにできるのは、この出来事を見届けることだけ・・・
・・・うぅ・・・まだ死にたくないなぁ・・・
・・・今までに食べたお菓子と、まだ試してないお菓子が頭の中でぐるぐると駆け巡る・・・
「まだ・・・まだ死ぬわけにはいかない!」
ボクにはまだやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ!!
ボクは決意を新たにした。
相変わらず周囲は大騒ぎだ。
「捕縛術式と制御術式、停止結界と防御結界、魔法障壁を展開しろ!!
こうなったらなんとしてでも捕らえるんだ!殺しても構わん!なんとしても奴を停めるんだ!!」
「了解!」
「術式展開、急げ! 予備も全部出せ!」「迎撃態勢を整えろ! 各員に通達!なんとしてでも食い止めるんだ!」
その時、隔離された召喚室の中が、ひときわまばゆく輝いた。
そして次の瞬間・・・今までの事が嘘のように静寂が広がった。
・・・そして、部屋の真ん中に、一つの影がたたずんでいた・・・。
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